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ホテル別インデックス
レストラン別インデックス

2002年1月3日

セルリアンタワー東急ホテル Corner Room
哀-2 ふと目につくもの
富士山も見える
今年初めてチェックインしたホテルでは、とても感じのよい出迎えを受け、幸先のよいスタートを切ることができた。

このホテルに来る前には東京ヒルトンにいたというドアマンは、溌剌としたサービスで、訪れる人々の気分を明るく盛り上げてくれる。フロントに向かえば、キャピトル東急から顔なじみのベテランが、スムーズに手続きしてくれ、滞ることなく客室へ向かうことができた。チェックインがいかにスムーズに行なわれ、荷物がいかにスピーディかつ丁寧な扱いで届けられるかは、そのホテルで過ごす時間の質に大きな影響を及ぼす。チェックインでまごついたり、手違いがあると、後々まで苦い気分を引きずるものだ。その点、今回は満足だった。

エレベータに乗って、客室階に着くまでに、気になったことがある。それはハロゲン光のスポット照明が狙う場所に埃が付いており、まるで汚れを照らし出しているようになってしまっていること。確かに手の届きにくい高い位置ではあるが、毎日の清掃の際に、化学モップで軽く拭う作業を加えれば、簡単に解決できるはず。

そしてもうひとつ。足元に近い壁の部分は、木板が張られているのだが、それがもうめくれ上がってしまっていること。全体にコストを抑えた内装にしているため、容易に損壊しやすいのも理由のひとつかもしれないが、むしろ、ワゴンの扱いの粗雑さとメンテナンスの不行届きに原因があるような気がした。

エントランスやロビーは然ることながら、エレベータもまたホテルの顔として、重要な場所である。短い時間だとはいえ、ゲストはそこでしばらくじっと立ち止まり、周囲に視線を廻らせるには十分な時間を過ごす。ホテルのクラスに恥じない内装と手入れを貫いてもらいたいものだ。

客室は期待通りだった。清掃は十分に行き届き、空調の状態も到着時から心地よかった。最初に客室に入った時には、まだ窓が結露して濡れていたところを見ると、まだ清掃が済んで間もなかったようだ。

この日は冬晴れの夜空が素晴らしく、見事な夜景を楽しむことができた。特に明け方の眺めは印象的で、空の色が刻々と変化して日が昇るまでの間、思わずうっとりと見入ってしまったほどだった。せっかくだし小腹が空いたので、ルームサービスでもと思い、メニューを見るが、この時間帯は特にさみしい品揃えだ。比べるのもなんだが、パークハイアットやフォーシーズンズのメニューを思い浮かべると急に哀しくなった。

総合的に見て、若いスタッフたちがよく頑張っており、熱意が伝わり好感を持てるが、サービスも設備もどうにも薄味で、質感や本質に欠けている。それらが熟して実際にゲストの要求を満たすようになるには、まだしばらく時間が必要だろう。

次第に明るくなる夜空 アメニティ
2002年1月3日 夜
セルリアンタワー東急ホテル 「かるめら」
哀-4 ズレ
まだ松の内。店内はいつもとは違った客層で賑わっていた。案内された禁煙席は4人で利用するには窮屈な感じだったので、仕方なく喫煙席で我慢することにした。その際担当した女性の係は、自分が案内した席におとなしく座らなかったことが気に入らなかったのか、不満そうな表情でぶっきらぼうな態度を取っていた。

メニューを見ると、以前はあったプリフィクススタイルの2,500円からのコースがなくなっていた。その代わりに、3,800円と4,800円の、あらかじめ内容の決まったコースが加わった。その他はアラカルトが中心となる。
しかし、メニューの内容は貧弱で、何とも割高な印象があった。品揃えが、コーヒーショップに求められるものと、だんだんズレて来たように思えてならない。

4人がそれぞれに好みのものを注文したので、統一感のないばらばらな注文になった。しかし、メインディッシュがどれなのかはハッキリとしていたので、タイミングを合わせるのは容易なはずだった。ところが、料理はとりあえずできたものから適当に運ばれてきた。提供時間のズレは相当なもので、先に出てきた者が食べ終わっても、まだ料理が出てこない者がいるほどだった。また、水はこのテーブルに限り、要求するまで出されなかった。全体的にサービスに対する考えが浅い感じがする店。

2002年1月4日 朝
セルリアンタワー東急ホテル 「金田中 草」
楽-1 口をつける部分
朝食のおかず
少し遅めの朝食をとりに出掛けたら、やや混み合っていたが、待つことなくすぐに席に座ることができた。いつもはあまり姿を見せない黒服が、この日に限って2名もおり、若いサービス係たちにも気合いが入っていた。

特に問題なく過ごせたが、それまでの悪い印象を覆すほどの出来事はなかった。いつもどおり、おかずは6種類。ちょっと青いものが少ないと思わないでもないが、それぞれ小皿に盛られて、桐箱に収まって提供されるのがおもしろい。それにご飯と味噌汁。シンプルだが、そのスタイルは店にもよくマッチしている。

気にならない人が多いのかもしれないが、使い捨てではない木製の箸には、少なからず抵抗を感じた。また、お茶を注ぎ足す時は、湯呑みに残ったお茶を一度壺に捨ててから、熱いお茶を注いでくれるのだが、その際に湯呑みをつかむ手の位置が、口をつける部分に極めて近い上の方であることが気になった。それは、汚い物を扱う時の仕草にも見える。高さのある食器を扱う時は、なるべく低い部分を持った方が、より丁寧に見える。

2002年3月5日

セルリアンタワー東急ホテル Standard Room
楽-2 一瞬にして伝わるもの
ミニバーとお茶のセット
チェックインのためにフロントへ行くと、予約が入っていなかった。予約確認書を持っていたので、それを提示すると、女性の係はそのまま奥へと立ち去り、しばらく戻ってこなかった。その間カウンターで立ったまま数分が経過した。入っているはずの予約が入っていない。それも困ったことだが、どういう状況になっているのかもわからず、立ったまま待たされるのは、それ以上に気分が悪い。そんなこちらの立場や気分を気遣うなど、プロのサービス人なら朝飯前かと思いきや、それができるホテルマンにはそうそうお目にかかれない。

残念なことに、同じような状況で、たったひとこと「大変お待たせして申し訳ございませんでした」と言葉を添えられることさえ、経験上50パーセントに満たない。今回も到着早々不愉快な思いをさせられるのかと覚悟していたら、戻ってきた係は、まず不手際を詫びた。さらっと一言の詫びだったが、その間だけは、襟をただしこちらの目を見て心を込めて言葉をかけた。その姿勢さえあれば、相手に一瞬で自分の気持ちを伝えられる。さりげないが見事だった。気持ちが入っていない言葉をくどくどと並べ立てられるよりも、ずっと効果的でこちらもスッキリとした。

明るいポーターに案内されたのは、高層階のデラックスルームとコーナールームに挟まれた、新宿側を望むスタンダードルームだった。スタンダードルームの中でも、この方角の客室は少ないので、とても興味深かった。いつもは、ポットは空で電源も入っていないが、この日は初めから湯が沸いていた。窓からの眺めは素晴らしく、マークシティや神宮越しの新宿高層ビル街などが、東京らしい景観を楽しませてくれる。しかし、この方向は、玉川通りの騒音対策からか窓は2重窓になっている。光がどうしても反射してしまい、クリアな視界が得られないのが残念だった。

また、窓やベイシン回りの鏡など、十分に清掃が行き届いていないことも気になった。客室の広さやレイアウトは悪くもないが、クローゼット内に照明がないこと、絨毯が薄っぺらくてビジネスホテル並みなことなど、コストダウンによる妥協がありありと見え、居住性を低下させている。

ライティングデスク somoのアメニティ

2002年3月6日

セルリアンタワー東急ホテル イタリアンレストラン「Oli」
怒-4 親しき仲にも礼儀あり
ある意味、ホテルレストランらしからぬフレンドリーで快活なサービスは、程度をわきまえれば新鮮で好ましいものに映るが、度が過ぎれば下品でのぼせた質の悪いサービスにしか見えない。

店に入ったのは、午後2時。ランチタイムの慌しさがピークを過ぎ、店内には落ち着きが戻ってくる頃だった。禁煙か喫煙かの希望を聞かれないまま案内された席は、狭いベンチシートで、両脇に迫るテーブルではどちらも食後のタバコをふかしながらくつろいでいた。他にも席はいくらでも空いているのに、店の都合があるのか知らないが、これから食事をするのには適していないことが明らかなテーブルに案内するという、センスそのものが低級すぎる。別のテーブルにしてほしい旨をお願いすると、しぶしぶとオープンキッチンに近いテーブルへ案内してくれた。何か昔のタチの悪いディスコの従業員のような高慢さが感じられる態度だった。

この日は次の予定のために急いで食事を済ませる必要があり、店を出るまでにあと30分程度しか残っていなかった。1,800円のランチを注文し、時間がないのでできるだけ急ぐように伝えた。アンティパストはすぐに出てきたが、メインディッシュはなかなか出てこない。オードブルが下げられてから10分あまりして、オーダーを取った係りがやってきていうには、メインの鶏モモのグリルは焼きあがるのに時間が掛かるので、もう少し待つようにとのこと。こちらは最初から急いでいる言っているのだから、時間が掛かる料理なら初めにそう言ってくれればよいものをとも思ったが、焼けていないなら仕方ないので、辛抱強く待つことにする。

テーブルのすぐ脇にはサービスステーションがあり、ランチタイム後の片付けや補充に夢中になっている従業員が多くたむろしていた。それも気になったが、近くのテーブルには、この店でかつて働いていた者が、客として食事に来ていたのか、勤務中の従業員がかわるがわるそのテーブルに出向いては、大声で、しかもタメ口でくだらない話しをべちゃくちゃとしゃべくっている。久しぶりに会って親しみがこみ上げる気持ちは理解できるが、他にも客がいて、やらなくてはならないことを棚上げにしていることすら忘れておしゃべりに興じているようでは、給料を取るに値しない。

食事は終わって、コーヒーを運んできて欲しいのに、おしゃべりに夢中で、皿を下げることすらしない。コーヒーを急いで持ってくるように頼むと、なぜかパンのおかわりを持ってくるなど、支離滅裂なサービス体制。結局、コーヒーが運ばれたところでタイムオーバー。料理は値段の割には美味しかった。焼きたての鶏グリルに、アンチョビとオリーブの風味が効いて、とても香ばしい。添えられた蓮根やキノコのソテーもまたよくマッチしていた。味がいいだけに、サービスのマズさはいただけない。

[セルリアンタワー東急ホテル] 010429 010517 010523 010720 010912 010921

Y.K.