2002年3月28日 |
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セルリアンタワー東急ホテル Corner Room | |
哀-1 停滞前線 | |
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飛鳥を佐世保で下船して、コンサートリハーサルのために、飛行機で長崎から東京に戻った。飛鳥では、スタッフたちのエンターティナーぶりにすっかり慣れてしまたせいか、東京に戻って触れたホテルサービスは、なんとも味気なかった。その味気なさを助長しているのが、室内の雰囲気だった。
飛鳥の船室よりも倍以上の面積があるが、船室の方がはるかに居心地がよかった。何だか寒々しいというか、心が温まらない空間。さっぱりさせようとし過ぎたのだろう、ホッと気持ちを満たしてくれるような、ちょっとしたものをすべて切り捨ててしまっている。悲しい時、打ちひしがれる時、それらを共鳴させて浸るにはいい空間かもしれない。 疲れてベイシンに立って、自分のやつれた顔を見る。これじゃダメだと冷水で顔を洗って、掛けられたタオルを手にしようとすれば、きっと一枚は床に落ちるだろう。それもそのはず、幅のないタオル掛けに2枚を無理に掛けているから、一枚引き出そうとしても、もう一枚も一緒に引きずられて落ちてしまう。なんか、このホテルらしさを象徴しているような気がした。 TVプログラムの種類も、ちっとも面白くない。必要最低限のものをそろえただけでは、ホテルは完成しない。また、実力と相容れない目標を掲げてている様は、似合いもしない高い服を着て得意になっている少女を見るようもの。そして、開業後しばらくは見られていた進歩が、最近になって停滞しているのは悲しむべきことだ。 |
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[セルリアンタワー東急ホテル] |
Y.K.