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2003年5月3日

赤坂エクセルホテル東急 Comfort Room
哀-2 愛の果てに行き着くホテル(過去形)
マッサージチェアのあるコンフォートルーム
恋人とパークハイアット、家内と帝国ホテル、そして浮気相手と赤坂東急。このホテルはそんなイメージがしっくりくる、独特の湿ったムードを孕んでいた。ロビーラウンジは、人生のさまざまな局面を越えてきたと顔に書いてあるような客層で埋まり、修羅場のひとつも踏んだことのない若造などお呼びでないと言わんばかりの空気は、そこらのオヤジ系ホテルとは一味違っていたものだ。

そんな雰囲気もエクセルホテル東急に変わり、GMが交代してからというもの、フツウのビジネスホテルになりつつあるような気がする。全面改装が一通り完成し、ロビーはダークウッドのフローリングとなり、さっぱりとした空間になった。廊下は照明でコントラストをつけるという演出をしている。客室もまた、最近の東急ホテルズお得意のテイストになって、パッと見た感じまあまあだが、しみじみ見るとあまりの安っぽさに悲しくなってしまう。

今回は、チェックイン時にリクエストして、コンフォートルームにしてもらった。コンフォートメンバーならば、プランの料金でも、1,000円を追加すればコンフォートルームを利用できる。なんと言っても自慢はマッサージチェア。イタリア製だとかで、革張りの立派なもの。マッサージ効果もなかなかのもので気に入っている。マッサージをしないときでも、リクライニング可能なソファとして重宝する。

それだけでも1,000円の価値は十分にあると思うが、シングルルームよりも部屋自体かなり広いし、大きなベッドやテンピュールのピローも備わっているので、オススメ度は大きい。ただ、東急インのコンフォートルームはヒノキチップも付いていて、バスタイムや睡眠時に香りを楽しめるのだが、エクセルホテル東急ではもらえないようだった。

室内の改装は、主にファブリックと照明にとどめている。あきれるほど薄手のカーテンやベッドカバー、固いじゅうたんなどはどうしても好きになれない。照明は蛍光灯型電球を採用し、省エネに励んでいる様子。特に天井にライトを設けたことで、室内は非常に明るくなった。だが、あまり明るいとボロいところが目立つので点灯せずに過ごした。家具やバスルームはまったく以前のままだったが、未改装であることによる不自由は感じなかった。

しかし、バスルームでは困ったことがあった。バスタブに湯を張るときはいいのだが、浸かり終わって排水するとバスルーム一帯が大洪水になる。ふつうにカランから流しているときや、ベイシンを使っているときは平気だから、清掃の人は気付かないだろう。このことは、チェックアウト時にフロントに報告した。また、冷蔵庫は旧式なので、かなり賑やかな音をたて、眠っている間は特に気になる。

良い点としては、デスクの上にはちょっとした観葉植物が置かれていたこと。これだけでも結構なごむものだ。そして、客室の一部にはLANが導入され、無料でアクセスできる。だが、そのLANの機器がデスク上にしっかり固定されていて、結構な場所を占拠していたので、邪魔で仕方なかった。また、無料であることはどこにも明記されておらず、尋ねて初めて知ることができた。チェックアウトタイムも1時間繰り上がり、午前11時となった。

翌日は、新しくなった3階のレストラン「赤坂スクエアダイニング」で昼食をとることにした。レストランコーナー、サロンコーナー、テラスコーナーとに分かれており、それぞれ目的に応じて利用できるようになっている。しかし、入口はひとつ。ならば、希望や食事か喫茶かなどを、入口で尋ねるべきだと思うが、それをしていなかった。こちらは食事をするつもりなのに、案内されたのは喫茶コーナー。初めての利用で、勝手がわからずこちらも困惑した。渡されたメニューにはほとんど飲み物しか載っていない。食事をしたいと言うと、今度は軽食のメニューを持ってきた。パスタやピラフがいくつか載っているだけで、選択の幅がない。

入口の看板には、レストランコーナーで洋食屋風の料理などを提供しているとあったが、いったいどこがレストランコーナーなのかもわからないし、パスタとコーヒーで3千円近く取られるなら、キャピトルにでも行った方がマシだという気になり、その場で「ケヤキグリル」に電話で予約をいれ、何も食べずに店を後にした。24時間オープンしているらしいが、これじゃ安心して利用できない。

[赤坂エクセルホテル東急] 990805 001210 010210 020405 020429

Y.K.