4月1日から東急ホテルチェーンと東急インチェーンが統合し、新しいブランドカテゴリーに再編成されスタートした。その際、赤坂東急ホテルは、赤坂エクセルホテル東急に、名称が改められた。順次改装が進み、サービスも見直されてゆくそうだが、この時点ではまだ東急ホテル時代のテイストを色濃く残しており、フロント付近がカーペット敷きからフローリング床に改められたこと以外は、特に意識しなければ変化に気づかないこともままあるだろう。
ベルやコンシェルジュはなくなり、フロントのカウンター外でゲストの用向きを引き受けるロビーアテンダントを置くことになっているようだが、現時点では今までどおり、ベルアテンダントによる客室への案内を行っていた。また、ルームサービスも以前と同様に行っており、旧来の客室に真新しいディレクトリーだけが、ひときわ目立っていた。
利用した客室はスタンダードルーム。22.2平米と、今時の水準からすると、とても狭いツインルームだが、奥行きがなくとも幅のある真四角に近いカタチの客室だからか、もう少し広いような印象を受けた。天井高は235センチと、これまたかなり低いが、この小ぢんまりした造りと控えめな照明が、不思議と居心地のいいマイスペース感覚をもたらしてくれている。
このホテルは横幅が長いので、廊下の隅から隅まで歩くと結構な距離がある。その横幅のおかげで、同じサイドの客室でも、位置によって客室からの眺めにかなり違いが出てくる。今回は、たまたま見附の交差点に近い側の客室だったので、窓からは車がひっきりなしに行き交う、東京でも指折りの交差点を見下ろすことができ、都会らしい躍動感が伝わってきた。交差点の向こうにはニューオータニやその緑なども見え、ビルばかりの眺めでないのもいい。しかし、それなりに窓を伝わってくる音を覚悟する必要がある。
また、客室の壁は薄く、隣室には行儀のいいゲストが来ることを願わなくてはならないし、室内の冷蔵庫も時折苦しげなうなりをあげているので、音に敏感な人は耳栓持参をオススメする。耳栓といえば、どこぞの東急ホテルでも、フロントで売っていたら多少高くても購入するのにと思ったことがある。ミニバーのアイテムに加えるというのも手かもしれない。とにかく、館内のどこかで購入できるようにしておいてほしいもののひとつだ。
この客室の窓には、障子と襖のほかに、カーテンが設けてある。何だか草履の上に靴を履くようで妙な感じだ。ベッドは110センチ幅で羽毛の掛け布団を使っている。2.8平米のバスルームは大理石柄のプラスチックを壁に張り明るい感じ。ただバスタブの幅が外枠で66センチしかなく、細すぎて肘がサイドに当たってしまう。タオルはまだ3サイズ用意されているが、アメニティはエクセルホテルのものに変わっている。固形石鹸はなくなり、ポンプ式にリキッドソープになった。
|