シェラトン都ホテル大阪 Premium Sheraton Twin Room
Sheraton Miyako Hotel Osaka
2009.09.11(金)
大阪市天王寺区
怒-1

夕暮れのツインルーム
 
閉店と同時に消灯

東京羽田からJAL便で大阪伊丹に向かうに際し、羽田空港にあるダイヤモンドプレミアラウンジで搭乗時間を待っている時のこと、それまで落ち着いて静かだったラウンジが急に賑やかになった。それは、たった一組の親子が入ってきたからであった。

30代の父親と小学校に上がる前と思われる男児。父親は口数の少ない男だったが、子どもは極めて快活だった。周囲の視線を気にも留めず、マイペースで盛り上がっている。おそらく彼は、黙っていたとしても人目をひかずにはいられないタイプ。

女優の大竹しのぶがそうであるように、たとえ何百人の中にまみれても、その人にピタッと視線が集中するという、天性の才能を持っているように見受けられた。加えてひとりでどんちゃん騒ぎをしているのだから、ラウンジ内の視線は彼に釘付けになった。

劇団とかタレント事務所のオーディションでも受ければいいのに。だがまてよ、この父親と思しき男は、実は事務所のエージェントだったりして。ともかく、このふたりが隣席だったら、フライトは散々だろうな。やがて搭乗案内があり、機内の座席へと落ち着いた。

すると、先ほどの見た目には親子と思われるふたりも搭乗してきて、まさかと思っていたら隣の席に座った。しかも、子どもは膝抱っこである。どうやらやはり親子のようだ。水平飛行に入るなり、隣席はキャビンアテンダントを独り占めにするがごとく、立て続けに注文を浴びせた。

わずかな飛行時間に、シャンパン2杯、ジュース3杯、重箱弁当、サンドイッチ、スイーツ、コーヒーと、注文可能なあらゆる品を味わうかのようだった。それでも子どもは飽き足らず、こちらにチョッカイを出してくる。狭いキャビンで堂々と無視するのも大人として悪しき振舞いだと考え、適当に相手をすることにしたら、どんどん調子に乗ってくる。

面倒だと思いながらも、なぜかこのガキときたら憎めないのだ。何をしても人に好かれ許される、クラスの人気者を早くも保障されたようなキャラは、人生において吉とでるのか、凶とでるのか。これがパリへのフライトだったら気がおかしくなりそうだが、幸い大阪線だ。にわか子守約も、あとわずかで終わる。

別れ際には「バイバイ」と手を振られ、ウィンクまでサービスされた。降機する際、キャビンアテンダントからは、「落ち着かない機内で、申し訳ありませんでした」と丁重に頭を下げられた。確かに落ち着かないフライトだったが、不思議と気分は悪くなかった。

先月に引き続き滞在することになった、シェラトン都ホテル大阪。チェックインはスムーズに行われた。レジストレーションカードへのサインもしていないのに、ルームキーが渡されたので、サインをしなくていいのか尋ねたところ、「すでにご登録頂いているので結構です」との返事。

だが、キーを渡した後になって、「今日からご一泊ですね」と確認された。思わず「ええ」と答えそうになってまったが、2泊の予定であることを急に思いだした。すると係は端末を操作し、もう1泊分の予約を見つけた様子。確かに予約は1泊ずつ入れてあったが、このホテルでは自動的に2泊と解釈してはくれないようだ。

今回用意された部屋は、客室としては最上階にあたる18階にある31平米のツインルームだった。前回は16階のダブルルームだったが、今回のタイプとはベッドタイプが違うだけで、他はほとんど同等である。相変わらずアナログ放送のテレビプログラムは退屈だし、収納スペースが不足していたり、バスタブが暗いのも同じである。

バスルームの棚にセットされたタオルは、まるで放り投げられたような乱雑さ。用があって客室係に電話を掛けても、ずっと話し中だったりと、客室係に対するイメージが悪くなるような要素が重なった。

だが、翌日のステイ清掃が終わった室内を見て、そのイメージが一変した。前日にタオルを追加したことを受け、今度はあらかじめ多くタオルをセットしてあり、しかもふかふかで心地よいものを、丁寧にたたんで置いてあった。ゴミを自前のビニール袋に入れて一箇所にまとめておいたら、今度はゴミ箱にあらかじめビニール袋をセットしてあった。

他にも、部屋の隅々まで丁寧に仕上げてあることがわかり、1泊目と2泊目では居心地が大きく違ったほどである。客室係の質が滞在の印象を大きく左右することを、改めて痛感した。

朝食はあいかわらず。客層は悪いし、食事の質もひどい。それでも、いくらかマシなのは8時前の静かな時間帯である。

夕食には友人と落ち合い「トップオブミヤコ」のディナーブッフェを利用した。大衆的な雰囲気、料理やサービスの質を見ると、「西のプリンス」という表現がぴったりくる。内装は村野藤吾のテイストが残り、それはそれで素晴らしい。だが、種類の異なるイスやテーブルがランダムにシフトして使われているので、イスとテーブルの高さが合わなくなっているところが多いようだ。

21時が閉店ということになっているが、21時になった途端に照明を切って客を追い出すとは、なんとも破廉恥な店である。

 
室内全景 快適なベッド ベッド窓側から入口側を見る

アームチェア ちいさなテレビ

空調吹き出し口 バスルーム バスアメニティ

 シェラトン都ホテル大阪(公式サイト)
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