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2002年7月24日

ホテルオークラ Garden Double
哀-2 Garden Wing
ヨーロピアンエレガンス薫る室内

さまざまな客室タイプを擁するホテルオークラだが、既存の客室とはまったく印象の異なる、新しいタイプの客室フロアが誕生した。本館7階の一部のウイングを全面的に改装し、ひときわエレガントな客室に仕上げてある。その数たったの11室。ガーデンウイングと名付けられたこのフロアでは、その魅力的な客室に加え、アテンダントが出迎えてお茶をサービスしたり、シャンパンやフルーツの用意、ミニバー全品無料、一輪挿し、フットマッサージ器、ターンダウン時にリキュールをセットするなど、専用のサービスも数多く用意されていると聞き、大きな興味を持っていた。

しかし、とにかく料金が高い。しかも、特別なサービスは今回利用した42,000円のガーデンダブルでは適用されず、より高級な9万円以上の客室でも、連泊をしないと提供されないものもある。以上から察するに、高くても腹が痛まず、長い滞在をしてくれるゲストのために設えた客室なのだろう。いまどき、そんな羽振りのいいゲストなんているのだろうか?わずか11室とはいえ、気合を入れて改装しただけの稼働率が確保できるとは考えにくい。

35平米のガーデンダブルは、天井高が275センチあり、天井の隅にはレリーフがあり、凝った造りになっている。それに象徴されるように、室内はオーセンティックでクラシカルな雰囲気。家具はどれも素晴らしく、それぞれに趣きのあるものばかりだ。しかし、おかしな家具が2点あった。窓際のスタンドと保温ポットを載せたサイドテーブルだ。それらは既存の客室から持ってきたものに違いなく、ガーデンウィングのインテリアとはまったくマッチしない。そればかりか、せっかくのトータルコーディネートをぶち壊している。

おそらく、改装後に利用客から、窓際が暗いとか、ポットを置くところがないなどの意見が寄せられた結果、解決策として導入したものだろうが、決して解決にはなっていない。このふたつ以外は、どれも大型で存在感があるが、室内はそれほど窮屈な感じもせず、35平米よりも広く感じた。ドレープは厚手で、真鍮のポールに掛けられており、ロールスクリーンもある。ナイトテーブルの操作盤には、カーテン開閉の電動スイッチが設けられているが、この客室のカーテンはすべて手動であった。窓は元来横広に取られていたが、その一部を殺して壁にしてしまった。室内の雰囲気としては、この窓の大きさも納得だが、窓の外には屋上庭園が広がっており、オークラでも眺めはいい方なので、もったいないという考え方もある。

ベッドは160センチ幅で、重厚なデザインだ。しかし、寝具の質はいまひとつで、クッションをどかすだけでターンダウンが完了する、寝具とベッドカバーが一体化したものを使っている。それで特別に高品質なカテゴリーだというには手抜きが過ぎやしないだろうか。また、窓際には革張りのイスが置かれているが、テーブルというものがない。せっかくミニバーのキャビネットは立派なので、そこで飲み物でもこしらえても、それを楽しむ場所がない。バスローブ姿のままソファに腰掛けて、雑誌などをぱらぱら見ながら、シングルモルトのオンザロックなんかを味わってみたいと思っても、この客室では無理だ。

バスルームは大理石仕上げで、広々としている。天井が220センチと高いことで、よりスッキリと広く見せているのだろう。室内同様、バスルーム天井にもレリーフが施されているし、ハロゲンの光もまた雰囲気を一層よくしている。しかし、アメニティは既存客室と同等で特段面白みはないし、バスルーム内でBGMを聞く設備もない。

確かに内装的には頑張ったと思う。サービス内容も、オークラなりに頭をひねったのかもしれない。しかし、なんとピントがずれていることだろう。オークラはもっと本物の上質に精通していると思っていたが、どうやら買いかぶりだったようだ。室内に上等な品物は実在したが、上等な空気は感じられなかった。

カーテン上の照明が効果的 しっかりとした家具をそろえた

ベッドはクイーンサイズ クッションとポールが印象的

ミラーの縁も凝っている スタンドとミラー

シャワーブース ベイシンとバスタブ

床も大理石 カランのデザインもエレガントだ

天井にはレリーフが施されている スクリーンとレース

窓からの眺め 窓からの眺め

[ホテルオークラ] 960915 981114 990807 990814 990906 991018 991030 000415 000503 000609 011103 011216 020601 020711

Y.K.