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ANAクラウンプラザホテル大阪 Club Superior Room | |
ANA Crowne Plaza Osaka |
2011.10.20(木) |
大阪市北区 | 楽-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
モダンテイストの中に見え隠れする華やかな時代 続々とリブランドが続くANAクラウンプラザホテル。ここ大阪の全日空ホテルも、ANAクラウンプラザホテル大阪として生まれ変わり、早くも3年を迎えようとしている。ロビー空間は、昔ながらの重厚感はそのままに、ゴールドのラインをあしらって、よりモダンな雰囲気とともに躍動感が加わった。 ゆるやかに水が滴るユニークなオブジェや巨木の幹を思わせる柱の意匠が失われたのは残念だが、新しいロビーもまた魅力的である。 2階へと至る階段には、以前の意匠が色濃く残る。見事に輝く真鍮の手すりや緩やかなカーブは、ホテルが上品さや華やかさの象徴だった時代を、懐かしく思い出させてくれる。 2階の廊下はコントラストの強い照明により、シックな空間に。以前はロビーを見渡すことができたが、今ではスリットの間から、わずかに覗けるだけになった。スリットから洩れる光のラインが美しい。 かつて、このホテルの2階にあったフレンチレストラン「ローズルーム」は、大阪のみならず、関西を代表する名店だった。コンパクトながら落ち着きのある上品な店内には、随所に薔薇があしらわれ、折り目正しいサービスとともに、素晴らしい料理を提供していた。その「ローズルーム」はすでに閉店し、改装後はクラブラウンジとして使われている。 クラブラウンジには、チェックイン・アウトのレセプション業務と、コンシェルジュ的なサービスにも対応するデスクが設けられている他、奥のスペースでは、朝食やリフレッシュメント、カクテルサービスを提供している。夜は照明を抑えてキャンドルライトがムーディー。中央にフードカウンター、壁側にドリンクカウンターがあり、セルフサービスで楽しめる。 クラブフロア客室は改装済み。全日空ホテルの時に、改装したばかりと記憶しているが、リブランドを受けて、より魅力的な部屋へと生まれ変わった。今回利用したのは、スーペリアタイプのキングベッドルームで31平米。モデレートでも26~29平米あり、設備的にはほとんど変わらない。 ファブリックはアースカラーを軸に、さまざまな色彩を使って変化を見せている。木目はすべて深い色調。そこにエッジのあるミラーや四角い照明器具などがアクセントになり、都会的なナチュラルテイストを醸している。 ベッドは180センチ幅。厚いマットレス、肌触りのいいベッドリネンと、眠りの質は上々だ。ミラーを配したナイトテーブルや、可動式の読書灯も効果的。クラウンプラザといえば、真っ赤なクッションが思い浮かぶが、ここは落ち着いた色調のクッションとスローケットを使っている。 窓際のシッティングスペースにもゆとりが感じられる。オットマン風のソファ、どっしりとしたアームチェアを配し、間には丸いテーブルを置いている。 デスクユニットは大型ワークステーション的な雰囲気。広く長いカウンターデスクを中心に、じゅうぶんな収納と荷物台までが一体になっている。テレビはミニバーカウンターの上にあるが、サイズ的にも小さく、位置も隅に追いやられた感じ。デスクトップの観葉植物が目にやさしい。 ただ、ひとつ気に入らないのが、斜めに設置されたミラー。ナイトテーブルにも同じ意匠が使われているので、特徴的なデザインのひとつなのだろうが、デスクに座った時、スタンドライトやシーリングライトがちょうど映り込んでしまって、眩しいったらありゃしない。せめて角度が調節できるようにして欲しかった。 クラブフロアのバスルームは、全室シャワースペース付きだという。限られたスペースに、ベイシン、トイレ、シャワースペース付きバスタブを配置しているわけだが、レイアウトにはずいぶんと頭をひねったことと思われる。 特にベイシンは、バスルーム全体の広さから見ると、とてもコンパクト。ベイシンから見て奥の方にトイレが設置されているが、仕切りや扉などは特になく、やや落ち着かない配置だ。 一方、バスタブとシャワースペースは、ドライスペースとはガラスで仕切られており、じゅうぶんなゆとりが感じられる。背もたれが迫り上がったバスタブと、高さを調節できるハンドシャワー、固定シャワーを設けており、高水圧が心地よい。 バスアメニティはクラブフロアのみの特別アイテムが加わり充実。シャンプー類はミラショーンブランドのものを使っている。タオルは3サイズが2枚ずつ。バスローブも備えている。入口脇のクローゼットは、ちょうどベイシンの裏側の空きスペースを活用しているのだが、シングルルーム用並みの大きさしかなく、不便だった。 翌朝は青空が広がった。ホテルの前には阪神高速があり、その下を川が流れている。水際を散策すれば、ユニークな建物や街を彩るオブジェたちに出会うことができるだろう。大阪駅から歩くにはやや遠いのだが、ホテル周辺は大阪らしい風景に満ちている。 |
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