ホテル日航福岡 Single Room | |
Hotel Nikko Fukuoka |
2009.09.06(日)
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福岡市博多区 |
哀-2
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ロビーの雰囲気を壊す看板 | 耶馬渓でのコンサートを終え、一行4名でチェックインしたのは、午前0時半だった。すでに静まり返ったロビーは、一部の照明が落とされ、穏やかに休息しているかのようだった。 最初に目に飛び込んできたのは、ロビー中央に置かれた開業20周年をアピールする円形の看板。いったいどういうセンスだろうか。このロビーが20年に渡り貫いてきたアイデンティティを見事にぶち壊しているではないか。 今どき、「一円の利益も生み出さない」ロビー空間なんて、これが外資系ホテルだったらすぐに改装されて、商売の場と変えられてしまうことだろう。それなのに日航福岡は、大理石仕上げの広々としたロビー空間に、何も置かずに文字通り「空間」とすることで、他に類を見ないゆとりを表現してきたのである。 このロビーこそが日航福岡の持つ高い品質の象徴であり、中央に置いた無粋な看板なんかよりも、そのことをはるかに雄弁に語って来たというのに。これが、ホテルの落ちぶれを意味するのでなければいいのだが。 チェックインは静かに穏やかに密やかに行われた。まるでフロント前で赤ん坊が寝ているかのように。深夜に底抜けに陽気な対応というのも違和感があるが、通夜のようなのも気が滅入る。この時間でもベルアテンダントが1名控えており、やけに多い荷物をそれぞれの部屋へ運ぶのを手伝ってくれた。 用意された部屋は低層階のシングルルーム。すでに全室の改装を終えているこのホテルで、これ以下のグレードの部屋はない。凹字型の建物の、へこんだ部分に並んでいるシングルルームの面積は、17.5平米。幅が狭く、その分やや奥行きのあるウナギルームである。 入口脇には細いオープンクローゼット。窓際にはデスクユニットを配置しており、入口から窓に至るまで片側の壁には何もなく、まさにただの壁である。ベッドは120センチ幅で、壁にしっかり寄せて置かれている。マットレスはシモンズ、デュベカバー仕上げのメイキングで、寝心地はなかなかだ。ベッドサイドに設けられた棚状の物置は、小さすぎて読みかけの本や書類を置くこともできず、使いにくかった。 一方、窓際のデスクは天端が広く取られており、ディレクトリーやルームサービスメニューを立てて置くことで、スペースをより有効活用できるよう工夫してある。テレビにはDVDプレイヤーが添えられており、その下には室内金庫が設置されている。LANは無料で使えるが、LANケーブルは備えていない。 バスルームは2.5平米程度と狭いが、機能的にまとまっている。かつて壁掛け式ドライヤーがあった場所に棚を設け、そこにドライヤーを用意。ソープディッシュやコップは、ヘアラインステンレス製のものを採用してモダンさを演出。だが、バスアメニティはスーパーマイルドやサボンドールといったスタンダードなアイテムにとどまっている。以前は全室フェラガモだったと記憶しているが、それから比べるとダウングレードしたというイメージだ。 何よりガッカリしたのは朝食。サービスは気が利かず、ブッフェ台の補充も行き届いていない上、コーヒーがくそまずかった。このコーヒーの味は今後50年は忘れない。このホテルの名に触れる度に、まずいコーヒーの味を思い出すことになるだろう。 |
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ホテル日航福岡(公式サイト) | |
以前のレビューはこちら→ | 950804 050820 |
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