ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ Deluxe Room |
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Hyatt Regency Hakone Resort & Spa |
2008.03.20(木)
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神奈川県足柄下郡 |
哀-3
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ハイアット流アットホーム | 気がつけば自然と早春賦を口ずさんでいた。雪解けというほどではないけれど、冷たい雨の降る、寒い一日。次第に風も強くなった。休暇の人々にとっては散々な天候だ。それでも箱根登山電車はラッシュアワーのような混雑ぶりだった。強羅から先、早雲山まではケーブルカーが運行しているが、その先、ロープウェーや遊覧船は悪天候で運休しているという。せっかく箱根ですがすがしい一日を過ごそうと思って訪れた人には、実に気の毒な天気だった。
強羅からタクシーに乗ってハイアットに到着。このホテルとはよほど相性が悪いのだろうか、エントランスで出迎えを受けた試しがない。この日もエントランスは無人。仕方なくタクシーのトランクから自分で重い荷物を降ろしたその時、「いらっしゃいませ」と係が出てきた。一番いて欲しい時にはいない。そして、もう用はないのに手伝おうとする。 チェックインも手際が悪く、しばらくの間待たされたが、部屋の用意は整っていた。係が部屋まで案内してくれるのだが、その途中、係ときたらひとり饒舌だった。このホテルのコンセプトはアットホームだとか、ラウンジの営業時間がどうだとか、彼は親切のつもりで説明しているのだろうが、初めて来る客とは違って、すでに理解していることを重ねて言われるのは正直鬱陶しいのだ。その辺は、リピーターであるかどうかを把握した上で、相応しい話題と接客を心がけるべきである。 客室は前回利用したのと同じタイプ。ウェルカムアメニティには5粒のイチゴが用意されている。窓から見えるのは天気のせいもあって、どこか寂しげで寒々しい景色。春らしさを実感できるのは当分先のようだ。室内は一見よく整えられているようだが、細かいところに清掃の不備が幾つも散見された。ベイシンミラーの照明器具周辺には埃がびっしりと付着しており、バスルーム扉には夥しい手跡。ドアの木目部分にも脂ぎった汚れが目立つ。 ポットの湯がやっぱり臭いので、ミネラルウォーターを沸かしてもらったが、置いてある茶器もまた妙な臭いが染み付いている。聞けば箱根の水は塩素濃度が高くおいしくないのだとか。でも、そうとわかっているのなら、浄水器くらい即刻導入すべきではないのか。 夕方のターンダウンは4人がかりでやって来た。皆、静かに丁寧な仕事をしているが、一番やって欲しいことはしてくれなかった。それは、ベッドに入りやすいように寝具を整える作業である。ここのベッドメイクはデュベをマットレスの下にがっちりと押し込んであるので、いざベッドに入ろうと寝具をはがすのにかなりの力が要る。まくらをどかし、ナイトテーブルをずらし、デュベをめくって、ナイトテーブルとまくらを戻すだけでも一汗かいてしまうわけだが、こんな手間こそ客に掛けず、ターンダウン時にやってもらいたいものだ。 いつもは静けさに満ちている温泉も、この日ばかりは銭湯のように騒がしかった。これも客層次第である。 朝食は7時半に出向いたが、たちまち混雑を呈した。サービス陣は相変わらず気取っている。それはパークハイアットの悪い部分だけを踏襲しているように見える。気取っているのに、知識も技術も不十分とくれば、こちらも気分よくはいられない。更に、卵料理にポーチドエッグを頼んだら、露骨にいやな顔をされた。 レストランのテーマは地産地消とか旬だというが、それを実感できるものは少なくとも朝食には皆無であった。案内する時は「こちらへ」とだけ。何か頼めば「お待ちください」とだけ。「失礼しました」とか「お待たせしました」という言葉をこのホテルで聞くことは滅多にない。このホテルで言うところの「アットホーム」とは、「礼儀不要」の意味なのか。全体的にふてぶてしさが気に障る中、出発時に対応したドアマンの態度だけは群を抜いて素晴らしかった。 |
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ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ(公式サイト) | |
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