なぜ人気なの?
2007.06.07(木)
パン パシフィック 横浜ベイホテル東急 Grand Corner Suite
Pan Pacific Yokohama Bay Hotel Tokyu
楽-3

フロント前 2007年6月1日より名称が変更となったパンパシフィックに、ほぼ5年ぶりに泊まった。クイーンズモールに面した2階のエントランスからロビーに入っていくと、通路の途中あたりで元気のいいベルマンに声を掛けられ、フロントまで案内してくれた。

フロントでは数組のチェックインが行なわれていたが、待たされることなくカウンターに通された。手続きをしたのは若い女性だったが、どうも雰囲気が暗い。ゲンキなベルマンとは対照的な分、一層暗い印象だったのかもしれない。顔を合わせることもなく、ぼそぼそとした声で話す様子は、どこか具合でも悪いのかと思わせ、客にかえって気を遣わせる。だが、一生懸命いいサービスをしようとしていることも伝わってきた。初対面の印象はさほどよくなかったが、顔見知りになればこの人の良さがもっと理解できるような気がした。

客室に着いてから、このフロント係から電話が掛かってきた。朝食券を渡し忘れたので、届けてもいいかという内容だった。ほどなく朝食券が届けられ、渡し忘れたことを何度も詫びて帰っていった。きっと真面目な性格なのだろう。

今回の客室はグランドコーナースイート。以前はエグゼクティブスイートと呼ばれていた101平米のスイートだ。建物の最もインターコンチネンタルに近い側のコーナーにあり、海に近いロケーションが魅力。室内はリビングルーム、ベッドルーム、ドレッシングルーム、バスルームで構成されている。リビングルームは、ほぼレギュラールームの居室分くらいの面積があり、4名用の円形ダイニングテーブル、石と金属のテーブルを囲んだ大きなソファセット、テレビとミニバーを収納したアーモアが設置されている。また、バルコニーがあるのも、このスイート内ではリビングルームだけだ。

家具は開業当時からのものだが、ファブリックは一部新調されたのかもしれない。染みだらけになったカーペットに比べ、ソファやイスの生地は新しい感じがする。家具の傷も目立つようになってきた。それでも、木目、ベージュ、インディゴというカラースキームの内装は深いコントラストと温かみを感じさせ、なかなかいい雰囲気だ。照明は8箇所のハロゲンダウンライトと3つのスタンドで構成され、シーン設定が可能なシステムを採用している。ただ、ライティングデスクがないので、作業をするにはダイニングテーブルを使うことになる。これはパークハイアットのパークスイートと同じだ。テーブルでパソコンを使うとなると、LANが遠いことが不便に感じた。

ベッドルームには122センチ幅のベッドが2台、窓の方を向いて設置されている。寝具はデュベカバー仕上げのものに改められ、以前より快適になっていた。円形のワイドな窓は、かつて汚れがとても気になったものだが、最近は注意して清掃している様子。オットマン付ソファと、電動でせり上がってくるテレビは以前のままだ。これだけワイドな窓だと眺めはいいが、幅一杯のカーテンを開閉するのは結構面倒なので、これも電動にして欲しかった。

ベッドルームとバスルームの間にドレッシングルームがあるが、ここはリビングからバスルームへの廊下というとらえ方も出来る空間だ。大きな鏡のあるドレッサーとメインのクローゼットを備え、室内のどこにでも通じている中心部でもある。もうひとつのクローゼットはゲスト用トイレとともに入口付近に設置されている。

バスルームは約9平米。広々としているが、決して高級感のある造りではない。ダブルベイシン、大型バスタブ、シャワーブース、独立したトイレを設けているが、内装はクロス張りで、照明も平板。せめてスイートくらい大理石仕上げにして欲しかった。アメニティは最近よく見かけるようになった「エラバシェ」を中心にバスソルトや基礎化粧品まで充実している。

だが、特に気になったのはバスルーム内にこもった下水の臭いだった。西洋銀座のバスルームも同じような臭いがする。ここは更に困ったことに、不潔なトイレでよく見かける小さな羽虫が飛んでいた。タオルは劣化が進み、ややゴワゴワするし、そのタオルを掛けておくフックが見当たらなかった。

朝食は「カフェトスカ」でブッフェを。パームツリーのレプリカと、サンルーム風のガラス窓に囲まれた空間は、リゾートの雰囲気。朝一番に出掛けたが、すでに多くの客で賑わっていた。テレビや雑誌でも度々紹介され、泊まらなくても「ホテルで朝食」というのが流行っているらしく、外来の客も多いようだった。

ブッフェカウンターには様々な料理が賑やかに並べてあり、絞りたてジュースコーナー、オムレツコーナーなどとあわせて演出力の高さをうかがわせる。しかし、美味しいと思うものは何もなかった。メゾンカイザーのパンも用意されてるが、本来の豊かな小麦の香りがほとんどしなかった。絞りたてのオレンジジュースは苦いだけ。オムレツコーナーは、自分で具を選んで取り分けてから頼まなくてはならないので面倒に感じた。

そして、サービスに当たるスタッフが声を張り上げて朝の挨拶をしているのだが、人にではなく宙に向かって叫んでいるよう。それも「ざまーす」としか聞こえなかった。優雅で静かな雰囲気の中、高品質のものを提供するホンモノの朝食は、他にいくらでもある。なぜここが高い評価なのか不思議。

 
バルコニーのあるリビングルーム 円形のダイニングの脇にはミラー ソファセットから入口方向を見る

入口からリビングまでは長めの廊下がある ドレッシングルーム アーモア内のティーセット

バルコニーのイスとテーブル 広々したベッドルーム 寝心地は以前よりよくなった

円形窓の前にはテレビとソファ ワイドな窓からの眺めはロマンティック バスルーム奥からベッドルーム方向を見る

ダブルベイシン バスタブとシャワーブース アメニティ

バルコニーからの眺め バルコニーからの眺め ホテル外観

 
パン パシフィック 横浜ベイホテル東急 981002 981116 010510 020918


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