グランドフィナーレ |
2006.06.03(土)
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横浜プリンスホテル Twin Room | |
Yokohama Prince Hotel |
哀-3
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横浜プリンスホテルが、50年の歴史にピリオドを打つことになった。現在の建物を新築したのは1990年。1987年から3年以上もの間、ホテルを休業してまで建て替えた訳だが、一体このような立地で、どうやって客室や宴会場をフル稼動させるのだろうと、不思議でならなかった。新しい建物は村野藤吾による独特の建築美が随所にちりばめられ、なかなか見ごたえがあったが、時代には即さず、加えて、このロケーションには場違いでしかなかった。取り壊された跡地には、巨大なマンションが建設されるという。
しかし、50年前を振り返ると、ここ磯子は風光明媚な景勝地として知られ、まだ小さなホテルだった横浜プリンスは、敷居の高い憧れのホテルだったらしい。JR横浜線もなく、現在の国道16号線が海岸の際で、磯子駅がある辺りは海だった。海沿いには料亭「偕楽園」があったことも伝え聞いたことがある。だが、今では集合住宅が立ち並び、埋め立てにより砂浜は消滅し、工業地帯が形成された。高台の上に屏風のように建ち広がるホテルの窓から見る眺めに、当時の面影はない。 ホテルに到着した時、未だかつて見たことのない賑わいに、大変驚かされた。駐車場は満車で、歩道にも、まるで大型ショッピングセンターか、はたまたアウトレットモールかと思うほどの人出だった。館内の賑わいも、それに負けていない。ロビーラウンジでは、コーヒーや紅茶が500円で飲めるとあって、長蛇の列が出来ている。ショッピングアーケードも、開業記念より人が多い。 この空前の人出に対処すべく、フロントは総動員の様相。その甲斐あってか、チェックインに混乱はなかった。パソコンを持参していたので、LANの使える部屋にしてもらえるか尋ねてみた。すると、1室35,000円以上のプランでなければ、LAN対応客室の用意は出来ないとのこと。タリフ上の料金差があるわけでもないのに、意地が悪い。 客室は、何度か利用したことのある33.4平米のツインルームだった。123センチ幅のベッドは2台並ぶが、マットレスは厚さ12センチしかなく、とても硬い。それに対し、羽毛布団は軽やかだった。ベッドの前には、エキストラベッドにもなる幅の広いロングソファがあり、並んでライティングデスクが設置されている。テレビは専用の台に載せられ、窓に近いところに置かれているが、非常に映りが悪かった。天井高は250センチ。窓は横幅一杯に広がり、出窓になっている。バスルームはユニット形式だが、アウトベイシンスタイル。アメニティは非常にショボい。 部屋が乾燥気味だったので、加湿器を借りようと客室係に電話をしたが、何度掛け直してもまったく応答がなかった。そこで、交換台に電話をして客室係につないでくれるよう頼むと、そっけなく「5番にお掛け下さい」と言われた。掛からないから頼んでいるのだし、電話を取り次ぐのが交換の仕事なのだから、他に対応の仕方があるはずだ。 苦情を言うと、アシスタントマネジャーが部屋に詫びに来た。電話の対応については、「マニュアルでそうなっているので」と言い訳をするが、それが客の神経を逆撫でするとは思わないのだろうか。ついでにチェックイン時のLANを希望した際の対応についても苦情を言った。その後、加湿器と一緒に、LANの接続キットを持ってきて、セットしてくれた。なんだ。どの客室にもこんなに簡単に設置できるのであれば、ケチケチせずに、希望者には使ってもらえばいいのに。 翌朝は「マルモラーダ」で朝食を。和洋のブッフェだが、下げ物以外は完全なセルフサービス。広い店内は、ほぼ満席になっているというのに、スタッフは2名だけしかいない。それでは、確かに何のサービスも出来ないだろう。料理は、どれもホテル用のパック食材を大皿に盛っただけ。東急インだってもっとまともなものを出している。1,500円という料金の価値はどこにも感じられない最低の朝食だった。 チェックアウトタイムに向け、出発の支度をしていると、マネジャーから電話があって、フロントが混雑しているので、差し支えなければ部屋を13時頃まで使っていいとのオファーがあった。フロントに様子を見に行くと、実際にものすごい混雑だったので、13時まで有り難く部屋を使わせてもらった。 |
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横浜プリンスホテル | 991108 010421 020413 |
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