東京駅前の丸ビルという好立地にありながら、この店を利用する機会にはあまり恵まれないのだが、訪れた時は必ず期待に応えてくれることから、お気に入りの店として常に頭の中にリストアップされている。この日も、友人と会うために予約を入れた。待ち合わせをするにも「丸ビルでね」と言えば、年齢に関係なく、大抵の人が説明なしに理解してくれる。
開店時間と同時に店に着き、準備が整ったばかりの店内に案内された。今回は、店の奥、窓に面したところにある、ガラスの扉で仕切られた個室を用意してもらった。早速シャンパンでもと行きたいところだったが、この後には仕事が控えていたので、グラスワインで我慢することに。グラスワインも豊富な種類が用意されており、スタッフが丁寧にアドバイスしてくれる。珍しい銘柄のワインも、まずはグラスで味わってから、気に入ればボトルでという楽しみ方ができるので、冒険もしやすい。
料理はかつても注文したことのある、野菜だけで仕立てたコースをオーダーした。コースのコンセプトは同じでも、料理の内容はシーズンによって変化するので、繰り返し注文しても飽きることはない。どの皿もヘルシーなイメージながら、素材それぞれの味が際立っており、ボリューム的にも満足できる。
サービスは溌剌としており、若さが冴えている。体育会的な厳しい教育を通じて、若者の気持ちに食材やワインへの深い愛情を芽生えさせるオーナーの力量が伺える。かつてはやや荒削りだったサービスマナーも、洗練されつつある印象。
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