渋谷駅から東横線に乗って、初めてみなとみらい線を使ってみなとみらい駅まで行った。桜木町までは260円だったが、みなとみらいまでは440円と180円も高くなった。駅はきれいで近未来的なデザインだが、横浜から先は電車がガラガラだった。
チェックインは19時過ぎだというのに、行列ができていた。係が慌しく手続きを進めており、待っている間にも混雑するホテルの活気を味わえた。カウンターにはマネージャークラスの人も立っており、たまたま順番でその人のところへ。さすがに手馴れているだけでなく、品格が感じられ、会話もスムーズだった。それだけで、ここがとたんに洗練を極めた高級ホテルの空気に包まれる。それほどにチェックインの印象は大切だ。
客室は66階のモデレートルーム。久しぶりに海側の景観を求め、1,155円の追加料金を支払った。モデレートツインは、スタンダードダブル27平米に次いで下位の客室だが、窓の幅はあらゆる客室の中で最も狭く、客室横幅の半分程度しかない。それでも、窓際に歩み寄れば、港を天空から見下ろす素晴らしい眺望にため息がもれる。観覧車も31階建てのインターコンチネンタルも、はるか下の方に見えている。
37平米の室内は、すっきりとした無駄のないレイアウトでまとめられている。置かれているものはスーペリアルームとほぼ同じだが、テレビは小さい。また、ミニバーや冷蔵庫は、エントランス付近に配置されているのは、他のタイプも共通だ。入口に個々の照明スイッチとは独立したメインスイッチがあり、退室時に一括してすべての照明をオフにできるのが便利。
エグゼクティブフロアとしての特別な仕様は、バスローブが用意されること、ベッドに羽毛の軽やかなクッションが添えられること、ターンダウンとミネラルウォーターがサービスされること程度だ。廊下のインテリアもやや高級化するが、室内にその差を見て取るのは難しい。全体に淡い色調でコーディネートされていると、夜はいい雰囲気に感じられても、日中は少し物足りなさが残る。
バスルームはバスタブ、トイレ、ベイシンのオーソドックスなレイアウトだが、天井が高いので広く感じる。バスタブの奥には若干のゆとりがあり、シャワーカーテンを閉じて使う時に、空間的な余裕を生んでくれる。ベイシンは石造りで豪華だが、全体は同系色のタイル仕上げなので、色味が少なく退屈だ。アメニティにも特別な工夫は見られなかった。
チェックインとは対照的に、チェックアウトは感じが悪かった。気の強そうな若い女性が担当したが、さばさばと流れ作業的に会計を扱われ、利用者に対する感謝を完全にどこかへ追いやっている印象だった。明細はみっつに折りたたむようデザインされているが、彼女が手持ち無沙汰で突っ立っている間にも、それを折りたたもうとはしない。賞状じゃあるまいし、広げたままひらひらと持って帰りたがるゲストなどいないだろうに。
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