桜木町の駅から動く歩道を利用してホテルに向かっていると、向こうから横浜ロイヤルパークホテルの総支配人が歩いてきた。総支配人が動く歩道に乗ったところで互いに気付いたのだが、総支配人は動く歩道を少し逆戻りし、立ち止まってくれた。こちらはカジュアルな格好だったので少々気後れしたが、これから出掛けるのでホテルを留守にするがどうぞごゆっくりと言われ、すっかり気分もよくなった。 フロントに行くと、アシスタントマネージャーからも声が掛かった。総支配人から電話が入ったという。さすがヒルトン出身とあって、細かい配慮をさっとできるところが心にくい。こうして丁重な出迎えを受けるのはいいものだ。
客室は予約通りのスーペリアツインルーム。チェックイン時アシスタントマネージャーとしゃべっていて、禁煙室のリクエストをすっかり忘れてしまった。エレベータホールからして、ものすごいにおいがこもっていたが、客室はそれよりは多少ましだった。すでにウェルカムフルーツまで用意してもらったので、ルームチェンジを頼むのは気が引けて、このまま我慢した。
41平米の客室はゆったりとしており、横幅が広く取られている。その分、窓もワイドだから、昼夜を通して見事な眺めを楽しめる。ただし雲の中に隠れなければの話だが。120センチ幅のベッドが2台、窓際にオットマン付きアームチェア1脚、対面式のデスク、引き出しとテレビを収めるアーモアが並び、尚もかなりの余裕がある。
インテリアはヨーロピアンテイストだが、色味は抑えて華やかな中にも落ち着きを持たせた。ファブリックはやや疲れを感じるが、立派な家具はまだまだ現役だ。だが、アーモアはちょっと困りもの。テレビを引き出すことができないのに、扉が奥まで収まらないため、アームチェアやデスクからテレビを見ることができずに不便だった。チャンネルも少なくつまらない。LANは1日1,050円だが、長期になるほど得になる設定だ。
ターンダウンはリクエスト制で、バスローブも頼めば用意してくれる。ベッドはやわらかめで、枕はひとつだけ。その枕が熱を発散させる力に乏しく、なんとなく寝苦しかった。携帯電話の電波は不安定ながら通じていた。
バスルームは約6.5平米で、天井高が240センチもあるため、とても広々と感じる。タイル張りだが、ベイシントップだけ石を使った。シャワーブースを持ち、長いバスタブを配置しているが、なんとも夢のないバスルームだ。原因は照明が平板すぎるとこと、色のコントラストがないことだろう。また、床が冷たいが、バスマットは1枚だけ。裸足で過ごせるバスルームではなかった。
客室設備にはいささか不満足があったが、見事な眺望と明るく健康的なサービスは、それを埋めて余りあるもの。レストランの味も信頼が置ける。ニッコーの看板が外れてからの方が、ロイヤルパークの堅実さが前面に出てきた感があり、印象もよくなった。
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