1994.02.16
羽根枕
横浜ロイヤルパークホテルニッコー Executive Superior Room
哀-1

スーペリアルーム以上のタイプの客室にはシャワーブースが付くが、それ以外の部分はモデレートルームと大差がない。むしろ客室内のレイアウトはモデレートルームの方が広々と感じさせる工夫があるように思う。シャワーブースがどうしても欲しいという人でなければ、モデレートでも十分かもしれない。

このホテルは、客室のグレードが高くなるほど、レイアウトに無理が生じたり、無駄なスペースが多くなったりしてくる。そもそも建物自体がホテルに向く構造ではないのだろうか。このスーペリアルームは41平米あるが、オーソドックスないわゆる「四角い部屋」だ。

2台のベッドと窓際にソファがひとつ、大き目のライティングデスクに2客の椅子と、余計なものは何も置いていないので、空間にゆとりが感じられる。肝心な眺望のための窓は、広く取られており、十分パノラミックだが、対角の客室が目に入り、視界を遮っているのが残念だ。

相互の部屋が丸見えなのがいやだという声を多く耳にするが、それは一向に気にならない。所詮人は人、見えようが見えまいがどうでもいいことだが、その部屋の存在がせっかくの眺望を遮っているというのが残念だ。

バスルームは天井が高い。ユニットバスタイプといえば、手を伸ばせば天井に手がついてしまうのが常だから、これほどまでに高い天井高を確保しているのは珍しいと思う。バスタブも大型で十分にくつろげる。

エグゼクティブフロアの客室は、一般階とは違う枕を使用しており、この枕が何とも気持ちがいい。アメニティにも若干の差があるし、廊下の内装や調度品にも違いがある。

ラウンジでの各種サービスを受けることもできはするが、内容はあまり充実しているとはいえない。開業当時はシャンパンがあったが、半年経ったらもうスパークリングワインに変わった。そのうちスパークリングワインすらなくなってしまいそうだ。これだけのサービス内容では、料金差を埋め合わせるだけの説得力を持たない。

いつもガラガラなフィットネスクラブの無料または優待利用や、駐車場無料などの特典を加えてはどうかと思う。今回は定価の10%割引で宿泊したが、それだけの価値があったとは思えない。

Y.K.