まだオープンして半年と経たない新しいホテルだが、だいぶ落ち着いてきたようだ。家族で過ごすという雰囲気ではないし、第一まだ広く知られてもいないからだろう、正月をこのホテルで暮らそうというゲストも少なく、むしろいつもよりずっと静かで、混雑とは無縁の雰囲気だった。
1階の正面玄関からきちんと荷物を持ってくれ、高層階のフロントまで案内してくれた。手続きを済ますと、こんどは別の係が部屋まで同行。明るくてフレッシュな仕事ぶりが気持ちよい。
客室は33階のシングルルーム。20平米と狭いが、大きな窓と高い天井がゆとりを生んでいる。機能的にまとまった室内では、真っ赤なヘッドボードが強烈なアクセント。カーテンは天井から下がる、ロールスクリーン状のシェードを採用している。窓際にはカウチ風のソファが置かれ、高層階からの眺めを楽しみながらくつろげる。目の前にはパークホテル東京が立ちはだかるが、少し横に目をやれば、東京タワーなどが見える。この客室では、携帯電話は圏外だった。
ワークスペースに用意されたテレビを兼ねたパソコンは、段々と情報や機能が充実してきた。まだ珍しさが先にたって、なかなか使いこなすまではいかないが、いずれはこうしたサービスが主流になる日がくるのかもしれない。清掃は概ねよくできているが、デスクチェアの脚、パソコン本体の奥、グラスを置いたトレーなどにたっぷりと埃が積もっていた。細かいところまで目を行き届かせてほしい。
バスルームはシングルとしてはゆとりのある広さ。標準的なユニット形式だが、特にベイシン付近はツインと同じモダンで特徴のあるデザインだ。アメニティは一通り揃うが、固形のソープがないので客室係にリクエストして持ってきてもらった。しかし、持ってきたのはソープのみ。お椀状になったここのベイシン周りには、ソープを置ける場所が見当たらない。ソープを頼まれたら、置き場にも考えをめぐらせ、トレーを添えるところまでやって初めてサービスの域と言える。
日本に初上陸したマンダラスパ。スパメニューは女性のみならず男性にも人気だそうだが、まずは雰囲気だけでも感じてみようと、ハイドロバスを利用してみた。風呂に入って1回3,150円は高いと思ったが、何かそれだけの仕掛けがあるのだろうかと期待も膨らんだ。しかし、何ということはない。一言で言えばただの風呂だった。
確かにアジアンテイストの内装で、くつろげる雰囲気にできている。でも、シャンプーやドレッシングコーナーの備品など、どれにもマンダラスパのロゴが入っているのに、マンダラスパブランドの商品ではないみたいだった。少なくとも、海外で使用した経験のあるマンダラスパブランド商品とは、かなりクオリティが違っていた。リラクゼーションラウンジでは、温冷のお茶や水が飲める。しかし、やっぱり3,150円の価値はない。
また、外からホテルを見上げた時、ちょうど25階あたりの窓にひどく乱雑に物が積み上げられて、極めてだらしのない印象を受ける。そこはホテルのオフィスの一部であるようだ。どこから見られているかわからないのだから、見えるところにはすべて気を配った方がいい。
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