季節外れの小樽は、師走ながらも長閑だった。小樽の市街地を久しぶりに廻ってみたが、観光客も多くなく、ゆったりと見て歩くことができた。レトロなミニバスに乗ったり、名物のすし屋で食事をしたり、運河沿いを歩いてみたりと、いつもなら考えもしないコースを回って楽しんだ。坂が多い街並みには、知らないうちに洒落たカフェやショップが多数オープンし、ロマンチックな風情が一層深まっているように感じた。
ホテル周辺は来るたびに寂れているような気がする。3月にマイカルからWINGBAY小樽になり、店舗も入れ替わっているようだが、活気があるようには感じられなかった。ホテルも同様に人影は少なかった。ホテルに限らず、この複合施設のあらゆる場所がクリスマスのディスプレイで埋め尽くされ、それはそれは心躍る雰囲気が盛り上げられているのに、肝心な人が少ないのはもったいない話だが、接する人々はみな気持ちがよかった。
客室はいつものタイプ。高層階がデラックスルーム、低層階はヒルトンルームと呼ばれている。そして海側だと呼び名にプラスという言葉が加わるようだ。部屋そのものはかつてと変わりないが、ややくたびれてきた印象がある。特段どこがという訳ではなくても、ファブリックや木目の色褪せ、ベッドのへたりなど、わずかな変化でも部屋全体の印象に及ぼす影響は大きい。
アメニティもディスペンサー式を採用したり、アイテムを減らしたりしてコスト削減に努めている。廊下の照明も随分と抑えた感じで、夜間の暗い照明モードになると、自分の客室がどこであったか、扉の客室番号を確かめるにも苦労するほど暗かった。外観のように再び輝かしい存在になることを期待している。
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