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2003年11月12日
ホテルグランパシフィックメリディアン Deluxe Room 楽-３ 俗っぽいパリ 33平米のスーペリアを予約してあったが、チェックイン時にフロントで禁煙室を希望したところ、今回は特別にと断り付きで42平米のデラックスルームにアップグレードされた。チェックインしたのは午後9時を過ぎていたが、フロントにはディズニーリゾート帰りのゲストがこれからチェックインする姿が多く見受けられた。フロントカウンターやベルデスクには十分なスタッフがおり、スムーズに対応していた。 レインボーブリッジ側の客室だったが、16階からでは丁度日航東京の陰になり、その姿はほとんど見ることができなかった。料金設定によると18階より高層だと、同じタイプでも料金が高いので、そこを境にして景観に差があるものと思われる。しかし今回の客室も、レインボーブリッジこそ見えなかったが、ウォーターサイドの美しい眺めを楽しむことができる。このホテルからの夜景は、東京がダイナミックな港町であることを思い出させ、シドニーやサンフランシスコなど、美しい港町への旅情をかきたてる。
客室はよくできている。スーペリアルームを利用したことはないが、写真で見る限りは、ホテルルームらしいオーソドックスな造りをしているようだ。一方、このデラックスルームは、一層の工夫を凝らし、「パリ21区」なるこのホテルのコンセプトをより具現化したデザインになっている。木目の美しい家具、華やかなシャンデリアに、大胆な色使いをしたファブリックを配して、個性あるインテリアに仕上げた。室内の主なところは十分に明るく、華やいだ雰囲気がある。しかし、壁のくぼみに設置されたデスクの回りだけが、若干暗く感じられるのが気になった。天井高は270センチある。
ツインのベッド幅は120センチで、ベッドカバーと寝具が一体化したスタイル。枕がひとつしか備わっていないが、このクラスにしてはケチな印象だ。テレビ番組も魅力がない。衛星番組のリストには文字放送しかなく、館内インフォメーションでは、すでに終了したイベントの紹介だけしか流れていなかった。デスクの上にはあれこれと案内が置いてあるが、ホテルディレクトリーが見当たらずにかなり探した。それはナイトテーブルにある聖書の下に積まれており、わかりにくかった。ゲストにフロアをよく知ってもらい、ホテルステイを丸ごと楽しんでもらおうという思いが、まったく伝わってこないのが残念だった。ランチメニューの案内を見ても、食欲をそそるようなメニューもない。
室内で最も充実しているのはバスルームだ。上品なフレンチドアを開くと、7平米を超える面積を持つ、明るいバスルームが広がる。3色の大理石風建材と4種類のタイルを使い、エレガントな照明器具を添えて、長く過ごしたくなる空間に仕上がった。4種類のタオルにバスローブ、充実のアメニティを揃えるという力の入れようだ。だが、バスルームにTVやBGMを聞く設備はない。クローゼットに用意された青竹踏みはうれしかった。
駐車場は1滞在1,000円で利用できるが、チェックアウトから2時間より後は別料金が加算される。チェックアウト後に夜まで駐車する場合には、近所にある青海駐車場が得だと勧められた。チェックアウトタイムぎりぎりの12時に出発したが、特に行列もなくスムーズだった。アウト後に荷物を預かってもらう時には、ベルボーイからタグを渡されるが、引き取りはベルデスクではなく、ドアガールにタグを渡して受け取るように言われた。
荷物はエントランス脇のケージに保管。ドアガールが他のことで手がふさがっていると、なかなか対応してもらえないので、頭数のいるベルで対応してくれる方がありがたいのだが。この時も、ドアガールが別のゲストの対応に手間取っていたので、館内に行ってベルを呼び止めて荷物の受け渡しを頼んだが、「それはドアガールの方で」と言われてしまい、不親切な印象が残った。
リビングルームのようなくつろいだ雰囲気があったロビーラウンジは、萬年ブッフェレストランと化している。1階のコーヒーショップも昼間は営業をしていない。また、ホテルショップはコンビニになった。東京のパリ21区は、どんどん俗っぽくなってゆく。
Y.K.
