以前利用した時は、夜遅くにチェックインをし、サービスらしいサービスもなかったので、ビジネスホテルのような印象しか残らず、このホテルは眠る以外に価値はないと思った。今回も期待をせずに予約をし、期待をせずにチェックインをした。
タクシーで正面玄関前に到着したが、エントランスから車道まではやや距離があるので、そこを自分で荷物を抱えて歩かなければなるまいと覚悟していた。ところが、館内から女性のベルアテンダントが文字通り飛び出てきて、「ご到着ですね。ありがとございます。」と、荷物を運び、フロントへと案内してくれた。フロントにはベテランと思われる女性の係と、若い男性の係の二人がいた。ちょうど女性係の手が空いていたので、そこでチェックイン。禁煙室を希望すると、すぐさま探してくれ、あっという間に手続きは終わった。
その短い間に、先ほどのベルアテンダントは、他のゲストの手伝いで、その場からいなくなていた。すると、フロントカウンター内にいた女性係が、自ら荷物を持って客室まで案内してくれた。しかも、終始にこやかながらキビキビとしており、大変感じがよかった。これがこのホテルのスタンダードとして徹底されているとしたら、第一ホテルアネックスに対するイメージは大きく塗り替えられることとなる。今回の滞在では、期待のないところに、本家第一ホテル東京をはるかに凌ぐサービスを受け、非常に好印象だった。
利用した客室は、このホテルで最も多いタイプのダブルルームだ。ダブルルームは銀座サイドと日比谷サイドで客室のレイアウトが違っている。銀座サイドは、オーソドックスなホテルらしいレイアウトだが、日比谷サイドでは窓に向かって大きなデスクを配置し、ビジネスユースに適した造りになっている。現在ではこのようなレイアウトも珍しくはないが、このホテルが開業した頃にはユニークだと感じたものだ。デスクにはインルームファックス、無料のLANがあって便利。
引き出しには2着のバスローブがあり、ズボンプレッサーも備える。カーテンは電動で、窓が大きく採光にも優れている。デスクの隅にはポットがあるが、それがひどく汚れているのが気になった。その下には冷蔵庫が置かれている。ベッドは150×190センチで、ベッドカバー一体型の羽毛布団を用いている。電話機はベッドサイドのみだが、デスクから近いので、1台だけでも不便はなかった。
バスルームは3.3平米で、225センチの天井高がある。タイル張りで、ベイシンの天板は石だ。アメニティは男性向けのアイテムばかりが充実しているし、雰囲気的にも男性向けの設えになっている。
室内には傷みが目だった。ファブリックやカーペットはかなりくたびれているし、壁の角は傷だらけだ。家具はしっかりとした品物ばかりで、壁紙などもそれなりに高級品を使っている。このホテルがエグゼクティブ仕様に造られていることをうかがわせているが、いかにせん客室が狭く、これまで随分と割高感のある価格設定を続けてきた。最近は、日によってはかなり手頃な料金になっていることもあり、男の一人泊まりの候補としては有力だ。車の場合は、第一ホテル東京の駐車場を1泊1000円で利用するのが便利。アネックスのフロントでも優待処理をしてくれる。
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