新横浜プリンスホテル Twin Room
Shin Yokohama Prince Hotel
2008.09.17(水)
横浜市港北区
楽-3

エレベータホールの天井
 
やわらかい夜景 久しぶりに降り立った新横浜駅は、新しい駅ビルができてすっかりと様変わりしていた。確か前回来た時は工事中で、出口の案内表示が不適切で迷った覚えがある。だが、今回は迷うことなく目当ての出口に向かうことができた。そして、新横浜プリンスホテルへの道のりも、以前より便利になり近く感じられるようになった。新横浜プリンスホテルに併設されたショッピング施設PePeの営業時間内ならば、たとえ雨が降っていても横断歩道を横切る以外は濡れることなくアクセスできる。

到着したのは夜11時近かった。ロビーは閑散としており、1,000室もある大きなホテルが静まり返っているのは不気味なくらいだった。フロント係には笑顔が見られ、手続きもスムーズに済んだ。荷物は多かったが、部屋への案内は行われない。白い大理石で装飾されたロビーや大聖堂を思わせるエレベータホールを、これほど人のいない時に見るのは初めてだ。そこには荘厳ささえ感じられ、歴史ある美術館を独り占めにしているような気分だった。

エレベータで向かったのは29階。ホテルは円筒形で、客室もドーナッツ状に配置されている。周囲の客室からも人の気配は感じられない。今日は本当にヒマらしい。一部のフロアでは南側だけ部屋が広く取られているが、このフロアは均等だ。一部屋の面積は17平米。ドーナツの断片なので、入り口から窓に向かって段々広くなる形状になっている。

17平米と言えば、つい先日滞在したエクセル東急ホテル横浜の部屋とほぼ同じ面積である。今日の部屋も、広々としたロビーから来たらさすがに狭いと感じたが、エクセル東急の閉塞感を思い起こして比べると、ここは天国のよう。やはり客室は面積だけではない。窓の大きさ、眺め、レイアウトなど、窮屈さを軽減する要素がここにはいくつもある。

室内のインテリアは一新され、以前の明るいブルー系から一転し、ダークブラウン基調のモダンな雰囲気になった。さすがに狭い部屋に濃いカラースキームは少々鬱陶しい。その点、以前のライトカラーは理にかなっていたようだ。デスクは曲線を描き、片側が狭くなっているデザインで、広い側にブラウン管テレビが載っている。改装後にブラウン管とは珍しいが、比較的新しい型なのでまだ大丈夫と考えたのかもしれない。

デスクの下には引き戸の棚があり、ティーセットや空の冷蔵庫が収納されている。デスクにコンセントは2口。LANは1日1,000円とのこと。クローゼットはデスクと窓の間に配置。片側扉の狭いタイプで、ハンガーは横向き。下段には小さな引き出しもある。窓際には硬い座り心地のアームチェアひとつと丸テーブルを置いた。

ベッドは幅98センチのシングルサイズがふたつ並んでいる。白いデュベカバー仕上げだが、寝具は羽毛ではない。枕は妙にやわらかい。アクセントとしてスローケットとクッションを添えている。

バスルームは以前と変わりないが、いつ見てもユニークだ。同じ型のバスルームを他では見たことがない。限られたスペースながら、バスタブにゆとりがあるのが最大の特長。バスタブには浅い部分があって、そこに腰掛けて半身浴したり、足を掛けたりできるのが便利だ。シャワーカーテンを引いても、バスタブ側には十分なスペースがある。

その代わり、ベイシンはとても小さく、なんとなく寝台列車を思わせる。カランの水圧は極めて高いが、シャワーには節水コマが仕込まれているらしく弱々しかった。アメニティはディスペンサー式のアロマエッセ。タオルは3サイズが2枚ずつ揃う。

さすがに小さなベッドは寝心地抜群とはいかないが、寝そべりながら人の暮らす街並みの夜景を眺めると不思議に心が落ち着く。ここの夜景はなぜかヒーリング効果が高いように思う。都会の躍動的な景観とは違って、明かりのひとつひとつに人々の暮らしが感じられ、そこから家族の愛情や穏やかな幸福感が伝わってくるのかもしれない。

 
リニューアルされたツインルーム ベッドは狭い デスク周辺もコンパクトにまとまっている

部屋は狭いが窓は大きい デスク脇から入口を見る デスク下の棚

ユニークなバスルーム バスタブ 小さいベイシン

バスルームのミラー 廊下の給湯器 外観

客室階廊下 エレベータホールからチューブを見下ろす ひっそりとしたフロント

 新横浜プリンスホテル(公式サイト)
 以前のレビューはこちら→ 941203 000419 031101 070910


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