東武ホテルレバント東京 Twin Room
Tobu Hotel Levant Tokyo
2008.06.27(金)
東京都墨田区
楽-3

正面玄関
 
モデルルーム 東武ホテルレバント東京では、開業10周年を迎え、墨田区に建設が予定されている新東京タワーの完成までに、開業以来初となる大規模な客室改装を計画しているという。その手始めにモデルルームを完成させ、モニター宿泊プランを販売していたので、興味をそそられ利用してみることにした。

当日、久しぶりに訪れたレバントのロビーは、以前とほとんど変わらない様子で、懐かしく思えた。2006年3月末まではマリオットを名乗っていたが、やはりそれには無理があったことは、ロビーを見るだけでもよく理解できる。内装的にもサービス的にも、マリオットのクオリティを期待して来館した客、特に外国人たちからは不評だったらしく、その中でもマリオットリワードのエリート会員からは散々文句を言われたと聞く。

エグゼ階がないので、スイートのリビングをラウンジとして開放していた時期もあったが、ジムもない、プールもない、コンシェルジュもいないでは、高級ホテルの体裁は整わない。また、東武ホテルなりのやり方しか知らなかった従業員たちは、定期的に訪れるマリオットからのインスペクションに違う文化を押し付けられるような格好で、かなり翻弄されたことだろう。ここがマリオットの看板を外したことで、お互いにホッとしたに違いない。

そのんなことを思い出しながらロビーを見渡してみると、その後だいぶ客層が変わったことが伺える。欧米からの客はほとんど見られず、アジア系外国人と、この日ここで宴会をする長距離トラックの運転手たちという、世にも珍しい組み合わせの客で、波止場のような独特の雰囲気を醸していた。

そんなロビーを横目に、チェックインはスムーズに行なわれた。そして、ちゃんと料金を前払いした上で、細かいアンケートが手渡され、チェックアウトまでに記載するように言われた。タダでモニターするのなら、おべんちゃらの一言も書くかもしれないが、支払いをしたのだから容赦はしない。だが、その方がホテルにとっても有益なアンケートになるはずである。

向かった客室は2224号室。スイートフロアを除いて、レギュラーフロアでは一番の高層階で、しかも一直線にのびる廊下の一番奥にある客室だ。広さは30平米で、スタンダードツインと同等。だが、内装は一新されてスッキリとしたモダンテイストになり、かつての面影はまったくない。

入口脇のクローゼットは、扉のないオープンスタイルとし、細いミラーが衝立の役目にもなっている。ハンガーレールは壁とミラーの間に縦向きに2本渡してあり、8本のハンガーが掛かっている。

居室で一番ユニークに感じるのは、窓際に設置された幅一杯のカウンターボードだ。カウンターの右側下部はミニバー冷蔵庫と飾り棚になっており、冷蔵庫には5種類のドリンクが用意されている。左側には窓に向けてアームチェアがふたつ並んでおり、時にはライティングデスク、時にドレッサー、またある時はダイニングテーブルや、景色を愉しむ特等席にもなるという多目的な場所というイメージだろうか。

狭い空間を有効に使うにはいいアイデアだが、室内にあるイスの類はここにあるふたつがすべてであり、くつろいで座るにはあまり適さない形状である。かといって、これをデスクチェアとして考えても、ピッタリとこない。要するに中途半端なのである。やっぱりホテル客室には、身を委ねれば優しく受け止めてくれるような、人目を気にせず大胆にくつろげるイスが欲しい。

そして、ここに座って夜景を鑑賞しようにも、窓が二重構造なので反射でよく見えないし、第一、窓が汚れていてそっちの方が気になってしまう。デスクとして使う場合には、空コンセントがひとつしかないのが不便。デスクスタンドの代わりになるのは、カウンターの両脇にある円筒形スタンドと、窓の梁から下がるコップを逆さにしたようなペンダントライトだが、いずれも照らして欲しいところには当たらない

円筒形スタンドは、スイッチがコードの途中にあって、ON/OFFの際にいちいち手繰り寄せるのが面倒だった。窓は本来わずかながらも三角形の張り出し窓になっているのだが、その魅力ある張り出しの半分を壁で覆ってしまった。

それはレースと遮光のブラインドを一直線に設置するためである。レースやブラインドを下ろすと、カウンターの半分を覆い隠してしまうというのも格好が悪い。だったらカーテンでもいいので、やっぱり窓は生かしておいて欲しいところだ。

ベッドは120×195センチサイズが2台、ハリウッドツインスタイルで並んでいる。真っ白なデュベカバーで仕上げ、4つの枕と赤いクッション、ベージュのスローケットを添えているが、マットレスは約6インチ厚の古いものをそのまま使っているので、寝心地はあまりよくない。

ダークブラウンのベッドボードの裏側には間接照明が施され、ちょうど頭の当たりをくり抜いて棚状にしており、その中央に照明のコントロールパネルがある。照明にはそこでしかコントロールできないものがあり、操作するにはベッドの上に上がらなければならないのが不便だった。

ベッドと反対側の壁にはテレビをはめ込んだパネルを設置。テレビは37インチの液晶で、DVDプレイヤーを備えるが、まだ地デジではない。テレビの下には金庫と若干の収納が設けられている。以前はこの位置にあったデスクが窓際に移動したため、窮屈に感じていたベッドとテレビの間に余裕が生まれた。

バスルームはベイシンを新調しただけで、他は手を加えていない。面積は3.52平米。シンプルなユニットバスだ。シャワーやカランは強烈な勢いで、カランの給湯だけでバスジェルがモコモコに泡立つ。ベイシン前のミラーがすでに腐ってきているので、これを真っ先に取り替えるべきだったように思う。

アメニティはアロマエッセ。50グラムの固形ソープも用意される。タオルは3サイズが2枚ずつ揃うが、とても薄っぺらい。バスローブはない。以前は浴室内でBGMが聞けたが、それは撤去されてしまった。トイレットペーパーがブルーなのも、ホテルでは珍しい。

朝食は6時半から9時半まで「ベルカント」で提供される。早めに開店するが、終わるのも早い。ブッフェ形式で、完全なセルフサービス。牛丼やミートソーススパゲッティなど、パワーチャージ系メニューが面白い。玉子料理は目玉焼きとスクランブルのみ。食材の品質は低く、コーヒーやジュースも薄めて出しているのかという感じだった。係は料理の補充と客が帰ったテーブルの下げ物だけで、一切客とは接しない。

チェックアウト時には、詳細に記載したアンケート用紙を提出し、ホテルを後にした。今回は発売前の部屋に泊まるというユニークな体験が出来たことは、長く記憶に残るだろう。

 
間接照明を多用したモデルルーム ベッドはハリウッドツイン ベッドボードの周囲も間接照明

窓際のカウンターテーブル テレビのボードにも間接照明 オープンクローゼット

カウンターからの眺め シェードを下ろすとカウンター奥が隠れる ナイトパネルは枕元中央にある

カウンター下の収納 冷蔵庫とミニバー カウンターのコンセントはすでに満杯

手前が切り取られたカタチのベイシン バスタブ アメニティ

窓からの眺め 五線の書かれた部屋番号 客室階廊下

外観 車寄せ フロントカウンター前

ロビーラウンジ 宴会場へと通じる階段のシャンデリアを見上げる パワー補給系朝食

 東武ホテルレバント東京(公式サイト)
 以前のレビューはこちら→ 990503 010102 030819


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