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2003年8月19日

東京マリオットホテル錦糸町東武 Standard Twin Room
哀-1 無関心と無知
ミニブーケと日本茶
8月20日のディナーショーのために会場となるホテルに2泊することになった。ショーの当日だけ宿泊することはよくあるが、準備のために前日から詰めるのは珍しいことだった。大抵の場合、ショーに際してはプロデューサーがいるので、基本的には当日その指示にしたがって舞台を務めればいいのだが、今回は事前の打ち合わせでショーの全貌が見えず、困惑と不安から、前日から会場に付きっきりで準備に付き合わざるを得なかった。

チェックイン時、フロントで名前を告げるも、翌日のショーの出演者であることはまったく把握されていなかった。ホテル主催のイベントであるにもかかわらず、それに関してスタッフがまったく関心を持たないということに驚きを禁じえなかった。これまでの経験では、到着時にはスタッフに歓迎され、「よろしくお願いします」程度の言葉は必ず掛けてもらってきた。別段ちやほやしてもらう必要などないが、この調子で明日は本当にお客様を満足させる体制が取れるのだろうかと、大いに不安になった。

更に驚いたことに、今回の宿泊代を請求されそうになった。何も好んで泊まりに来たわけではない。できることなら楽器のある環境で、自分自身の準備を進めたいところを繰り合わせ、ホテルのためにここに詰めているというのに。担当者にその心情を伝えると、請求を取り下げるよう手を回してくれたが、こうした感覚の行き違いは至る所で散見された。

とは言え、ショーに来てくださるお客様は、この真夏の夜に大枚をはたいて出掛けてくださるわけだから、その気持ちに応えるだけのショーを実現しなくてはならない。そのためにはホテルとの連携が不可欠と考え、開演までの時間、スタッフたちとさまざまなことを相談しながら万全の体制を整えた。その結果、ショーとしてはなかなかのものが実現したように思う。そして、何より料理が素晴らしかった。ポーションを抑えて美しく盛り付けられた料理は、とりわけ女性にウケがよかったようだ。

宴会関係のスタッフとは次第に気持ちが通じたが、フロント係とはまったく打ち解けることがなかった。滞在中に定形外郵便物の発送をフロントで依頼したところ、係に断られ、郵便局に直接持参するように言われた。重さを量って、相当する切手を貼れば集荷してくれるとアドバイスしても、聞く耳を持たない。粘り強く説明しても、聞く態度が悪く、やたらと時間を要してしまい、こちらも気分が悪くなった。結局、しぶしぶと言うとおりにしてくれたが、念のため連絡先を教えろとしつこかった。無知を相手にするのは骨が折れる。

二晩を過ごした客室は、21階のスタンダードツインルームだった。決して広い客室ではないが、一人で過ごすには不足のないスペースだ。ダークブラウンの家具とワインレッドのファブリックが大人の雰囲気を醸し出しているが、同じタイプでブルーを基調としたライトな色合いの客室もある。どちらかというと、レッド系の方が落ち着きがあり、高級そうに見える。窓は横に広く、少しではあるが三角形に張り出しているので、眺めはいい。特に北側は高い建物がなく、見事な夜景が楽しめる。

ベッドは120センチ幅で、白いカバーに覆われた寝具は清潔感がある。室内の照明は明るく、空調のコントロールは自在のはずだが、比較的寒く感じることが多かった。壁に向いたデスクにはポット等が載っているが、広さは十分にある。デスクに電話機はなく、設置されたモジュラージャックは電話とは別回線のFAX・PC用だ。これを使用するにはフロントに電話をしてジャンプアップを頼む必要がある。ランドリーは通常仕上げのみで、エキスプレスサービスには対応していない。また、連泊の際のステイ清掃は、16時がラストオーダーになっている。

バスルームは3.52平米で、天井高は200センチ。バスタブ上に照明がないので、薄暗い印象だ。壁はタイル仕上げで、川面を思わせる模様が入っている。バスルームでテレビの音声を楽しむことができ、アメニティは標準的な品揃え。液体ボディーソープとリンスインシャンプーはディスペンサー式。駐車場は1泊1,000円で、地下に十分な駐車台数を誇る駐車場がある。

バリアフリー対応もできるようだが、不慣れな印象があった。23階の最高級スイートのリビングルームは、マリオットのエリート会員用のラウンジとして解放されている。このスイートに「滞在」したことがあるのは、隣のトリフォニーホールでコンサートに出演したチェリストのロストロポーヴィッチ氏だけだそうだ。

コーヒーショップ「ベルカント」での朝食ブッフェは、何から何までセルフサービス。テーブルにはシルバーさえ用意がなく、コーヒーや紅茶も自分で取りに行く。スタッフの仕事は、ブッフェ台のメンテナンスと下げ物だけ。客に気を遣う必要は感じてないようだ。疑問に感じたのは、客が帰った後、テーブルを片付け終わっても拭かないこと。いくら客がブッフェ台からトレーを使って料理を運ぶとはいえ、その都度テーブルは拭きあげるべきだと思う。和洋のブッフェは品揃えよし。温野菜やパスタもある。オムレツはデシャップ越しにオープンキッチンで作ってもらえる。

レッド系の客室はブルー系よりも高級に見える 窓は心持ち張り出しており眺めがいい

ベッドはいわゆるデュベスタイル デスク上の楕円の鏡

デスクに置かれたポットやカセットコーヒー(有料) ナイトテーブル

ルームキー バスタブ

[東京マリオットホテル錦糸町東武] 990503 010102

Y.K.