ヒルトン小樽 Deluxe Plus Room
Hilton Otaru
2008.04.05(土)
北海道小樽市
喜-2

マリーナの夜明け
 
顔なじみ ヒルトン小樽のフロントとはすっかり顔なじみになった。年に何度かではあるが、開業以来コンスタントに利用してきた成果のひとつである。だが、顔なじみになるキッカケは、昨年の同じ時期、チェックインした際の不行き届きにあった。係はマニュアルに則った仕事をしていたのだが、そのマニュアル一辺倒で気の利かない対応は、時にリピーターの反感を買うものだ。これからのホテルマニュアルは、特別なケースに際し、どう対応するべきなのかも、例を挙げて記載しなければならないかもしれない。

だが、本来は、そうした臨機応変の対応は、現場での経験によって培われ、磨かれるものである。客に散々こっぴどく叱られて、それで気付くことだって少なくないはずだ。それをいつまでもマニュアルに答えを求めているのも情けないし、現場での自由な裁量を認めない組織というのもチッポケに感じる。

というわけで、ちょうど1年前は同じこのフロントでは著しく腹が立っていた。しかし、今もまた目の前に同じ係が立っているのに、お互いににこやかでくつろいだ雰囲気だ。たぶん、このホテルのマニュアルは昨年と同じだと思うが、彼女は経験から何かを取り入れて成長した。振る舞いにも余裕が生まれ、表情は自信に満ちて輝いている。そして、何より女性として美しくなった。

用意された部屋はいつも通り。マリーナを望むツインルームだった。窓際のシッティングスペースには、ソファとアームチェアが置いてある。部屋によっては、エキストラベッドになるソファとアームチェアのところもあるし、アームチェアふたつのところもある。それらは3名利用に対応するためのものなので、1名か2名で利用するなら、この部屋のパターンが一番好都合だし心地よい。

とはいっても、老朽化したマットレスの寝心地はいまひとつだが。部屋にはすでにウェルカムアメニティが届けられ、テーブルに真っ赤なガーベラが一輪飾ってある。宿泊に際しては毎回ハンガーの追加を頼んでいるのだが、今回は忘れられているらしく、クローゼットにはわずか3本のハンガーしかなかった。

また、夕方になって部屋の照明をしみじみ見ると、シンメトリーに配置された照明の左右でライトの色が異なることが気になった。ライティングデスクやバスルームのミラーサイドがそれに該当するのだが、白熱灯と電球型蛍光灯が混在したり、同じ電球型蛍光灯の仲間でも、メーカーや型番によって発光色が異なっていることが原因である。対照的な場所に関しては、色味も揃うように考慮して欲しいものだ。

今回は土曜日と日曜日に連泊した。土曜日は外国人観光客を中心に満室だったらしく、館内は珍しくどこも混雑していた。夜になっても賑わいは衰えず、夜遅い時間までロビーには多くの人がたむろしていたし、客同士の部屋を往来するために、廊下も騒々しかった。ところが、翌日曜日は打って変わって静かだった。同じフロアに人はいないのではないかと思うほどある。同じホテルなのに、混雑の程度でこれほどまでに雰囲気が違うものかと驚かされた。朝食は以前より充実している。サービスの向上にも努めていることが感じられた。

ディナーショーが終わった後、小宴会場を利用して内輪の食事会が行なわれた。小ぢんまりとした部屋だが、清潔なテーブルクロスや卓上盛花、照明などにより、なかなかいい雰囲気にセットされていた。だが、マリーナを望むはずの窓を見てビックリ。窓が鏡のように光を反射して、子供によるものと思われるおぞましいほどの手跡汚れが浮き上がっているではないか。

すぐに係にそれを指摘した。すると「外側の汚れなので今すぐには・・・」と答えた。外側にあの手跡?ここは5階でバルコニーがあるわけでもないのに、子供は空でも飛んでいたのだろうか。もし本当に外の汚れなら、尚のこと不可思議である。納得がいかず、自分のナプキンを持って窓の汚れを軽く拭いてみた。なんだ、やっぱり内側じゃない。ここの従業員は、窓の汚れは外側に付いているものと思い込んでいるから、内側をキレイにしようとは考えないのかもしれない。先入観とは恐ろしいものだ。

 
32平米のツインルーム ベッド デスク側

窓際のソファ ベイシン バスタブ

ウェルカムアメニティ 本日の朝食 宴会場

 ヒルトン小樽(公式サイト)
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