ザ・プリンス パークタワー東京 Executive Floor Premium Twin Room
The Prince Park Tower Tokyo
2008.02.09(土)
東京都港区
哀-1

ガーデンに咲く梅
 
低下したプレミアム この日も東京に雪が舞った。ほぼ1年ぶりのパークタワーは、週末だけあって賑わって見えた。チェックインタイムよりも早い到着だったので、フロントの混雑にも遭遇せず、スムーズにチェックインが済んだ。サービスに当たるのは女性が中心なので、やわらかい雰囲気が感じられるものの、一方でなんとも緩んだ印象も否めない。やはりその場を引き締める貫禄ある男性の存在が求められる。

用意されたのは、前回とまったく同じ部屋だった。東京タワーとガーデンを望む38平米のツインルームには、バルコニーが設けられており、以前は客室係に開錠してもらわなければ出られなかったが、今は強風などの悪天候でなければ施錠しないようになった。

ザ・プリンスになってから、室内の設備が若干変化している。これまでも上質な寝具を使っていたが、テネリータのオーガニックコットンを使ったベッドリネンを採用することで、より心地よい肌触りになり、バスルームのタオル類もテネリータで揃えるようになった。だが、タオル類に関しては、洗濯の仕方に問題があるのか、オーガニックコットンならではの密度の高いふんわり感ではなく、ゴワついたような感触だった。

また、ベッドのスローケットやクッションが落ち着いた色調のものに変わり、垢抜けないカラースキームが少しはバランスよく見えるようになった。そして、これまでは壁掛けのデジタル時計しかなかったが、かなり不評だったのだろう、ナイトテーブルにもデジタル時計を備えるようになった。ナイトテーブルの脇には空気清浄機も導入。その他、エスプレッソマシンも新たに備えたが、なんと故障していて使えなかった。

一方でサービスが低下した部分もある。プレミアムフロアの多彩な特典のうち、冷蔵庫ミニバー無料、PAYチャンネル無料はなくなったし、27階プレミアムラウンジで提供されるフルーツの質も、ずいぶんと低下したように感じられた。それでもサービス内容は結構充実しているし、部屋の居心地や使いやすさという点ではとても優れているのだが、やはり演出力に長けた外資系のラグジュアリーホテルには、バランス感や雰囲気作りの点で引き離されている。

夕方はスパ&フィットネスを利用した。ジムにはちらほらと利用客の姿があったが、プールは終始貸切状態だった。温泉浴室は一部分が改装され、水風呂を備えるようになったが、安っぽいバスタブを無理に設置したという感じで、一層ダサくなってしまった。それにあわせて、これまでゆったりと配置されていた洗い場の間隔を詰めたことで、窮屈になってしまった。温泉の浴槽自体は必要以上に大きいのだから、それの一部分を水風呂にするように改装した方がよかったように思う。

夕食はフィットネスからの帰り道にあるカフェレストラン「ノヴェル」を利用した。オードブルとメインディッシュが選べるセレクションディナーを注文。メインディッシュによって値段が違うが、3,000円から4,000円程度に設定されている。アミューズとスープ、彩りデザート、コーヒーもセットになっているが、食べ終わっての印象としては、やや高いという感じ。料理も丁寧に作られているし、サービスも悪くないのだが、無難にまとまっていてインパクトに欠けるのが原因だろう。

だが、一番がっかりしたのは朝食だった。前回も「ブリーズ ヴェール」の朝食には落胆したので、今回は向かいにあるスカイバンケットでのブッフェを利用するつもりだった。7:00のオープンと同時に行くと、すでに店内は混雑しており、ブッフェ台には長蛇の列ができている。客層はアジア系外国人ばかりで、スリッパ姿の客も少なくない。すぐに踵を返して退散し、仕方なく「ブリーズ ヴェール」に入店した。

こちらは対照的にガラガラ。時間の流れも雰囲気もゆったりとしていていい感じだ。だが、やっぱり料理はひどかった。トマトジュースすら用意がなく、野菜ジュースならあるというので注文したら、市販の果汁がミックスされた甘いものが運ばれてきたのでキャンセル。紅茶はあらかじめ大量に作成してデカンタで煮詰まったものを平然とカップに注ぐし、トーストは冷めて乾いたものが運ばれてくるなど、最悪。救いはオムレツだった。火加減もよく、見た目にも美しい出来栄えだった。サービスの女性陣も頑張ってはいるものの、やはり締らない。

チェックアウトタイムのレセプションデスク前にも長い列が生じていた。近くの椅子に座って列がなくなるまで様子を伺っていたが、時計を見たら12時20分だった。チェックインを座ってするのはまあいいとして、チェックアウト時にも同様に椅子に座らせるのは無駄な気がする。行列が出来ている以上、効率を優先すべきであろう。しかも見ていると、椅子が床の石に擦れる音がうるさいし、立つ際に椅子やデスクにつっかかる客も少なくない。この状況を見る限り、キャッシャーを別に設けた方がいいように思った。いいホテルなのだが、やっぱりダサい。ガーデンでは梅が見事だった。

 
38平米のツインルーム ベッドの寝心地が一層よくなった デスクやキャビネット

故障してたエスプレッソマシン 薄っすらと雪が積もっている ベイシンのミニフラワーアレンジ

ベイシン バスタブ 充実したバスアメニティ

プレミアムラウンジ フロントレセプション ロビーの花

いつ見ても壮観なエレベータ エレベータホールへの橋 イルミネーション

東京タワー しだれ梅 梅の花

 ザ・プリンス パークタワー東京(公式サイト)
 以前のレビューはこちら→ 050430 050522 050618 050625 050717 050814 050927 060106 060218 060625 070118


公開中リスト | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 |
| ホテル別リスト | レストラン別リスト | 「楽5」「喜5」ベストコレクション |