contemplation
2006.03.12(日)
ポートピアホテル Executive Suite
Portopia Hotel
喜-5

水のあるロビー 神戸に住む友人から「アラン・シャペルに捧げるグランシェフの饗宴」と題したイベントへの招きを受け、万事繰り合わせて神戸へ向かった。思い出深い街で、かつて何度となく感銘を受けた味にふたたび出会えることを想像すると、久しぶりに心が躍り、逸る気持ちを抑えるのが容易でなかった。懐かしい三ノ宮駅からホテルの送迎バスを利用しようと思ったところ、この日はイベントが重なっているとかで、長蛇の列。それではタクシーをと考えたが、空車が見当たらない。それならポートライナーが確実だろうと駅に向かった。ポートライナーは臨時便を増発しており、2分おきの運行だった。きっぷ売場にも長い列ができており、駅全体が活気というよりも熱気を帯びているようだった。

無事にホテルに到着。直接26階にあるオーバルクラブラウンジに向かい、そこでチェックインをした。スタッフの数が十分に揃い、礼儀正しく丁寧な印象だ。奥からは談笑する客の気配が伝わり、和やかな雰囲気が感じられる。手続きはスムーズに行われ、クラブフロアのサービス内容について説明があった後、部屋まで案内された。

用意されたのはエグゼクティブスイートだった。入口を入るとフローリングのホワイエがあって、すぐにリビングルームに通じている。テーブルを囲んだソファコーナーにはラグマットを敷いて、くつろいだ雰囲気を演出。曲線が印象的なデスクは、ソファコーナーの方を向いて設置されており、デスクワークをするのに十分な広さはもちろんだが、開放感のある環境が嬉しい。イスはレザー張りだ。テレビはブラウン管で、いささか古い気がするが、DVD−VHS一体型プレイヤーを備え、ソフトの無料レンタルも行っている。家具のデザインは60〜70年代風のものが多く、ファブリックの色も渋いトーンに抑えているが、ハロゲン灯を多用した室内照明や、明るい木目の壁面などが、モダンな印象を与えている。

リビングルームとベッドルームは、1枚の引き戸で仕切られている。180センチ幅のベッドが中央に置かれ、対面するようにしてクローゼットやテレビなどのキャビネットが壁面に設置されている。リビングと比較すると、一層スッキリとまとまっている印象だ。ベッドボード上の額には、神戸の夜景写真が飾られている。だが、実際に窓から眺める夜景も負けてはいない。横長の窓は、ちょうど額のように夜景を切り取って、魅惑的な光景を見せてくれる。風呂上りに、室内の明かりを消して、ベッド脇のアームチェアに座りながら外を眺める時間が一番落ち着ける。

バスルームは、ベイシンとトイレのある部分と、バスタブと洗い場のコーナーに分かれており、合わせると約8.5平米の面積を確保している。一見大理石張りのように見えるが、石風の人造建材を使っているようだ。壁の一部をガラス張りにして、ベッドルームを通じて外光が入るように工夫されている。アメニティは充実しており、男女別化粧品や、入浴剤なども揃う。バスルーム入口には、独立したドレッサーも設けられている。

全体的に照明効果が高く、この客室だけでも20以上ものハロゲンランプを使っており、ほとんどが調光可能になっている。独立して調光できるものもあり、雰囲気をコントロールできるのはいいのだが、ライティングデスクのスタンド調光が、リビングルーム全体の調光と連動してしまっているのは不便に感じられた。ナイトランプやデスクスタンドは、常に独立してコントロールできることが望ましい。

クラブラウンジで友人たちとおしゃべりをしていたら、あっという間にイベントが始まる時間になり、慌てて会場へと向かった。宴会場には300名分のディナーセッティングがなされ、なかなかのスケール感だ。こうなると心配なのが、料理の質である。300皿もの特別料理を、ベストな状態で提供するのは極めて難しいはずだ。今回のイベントは、アラン・シャペル氏ゆかりの日本人料理人が勢揃いし、それぞれが一皿ごとを担当し、コースに仕立てて楽しんでもらおうというもの。三國氏、上柿元氏を始め、錚々たる顔ぶれに、マダムシャペルも来日して花を添えた。

料理は、どれも見事だった。それぞれに個性が光り、自らの個性を強く打ち出す人、シャペル氏の弟子らしいものを作る人など様々。上柿元氏の皿がひときわ存在感を放っていたが、一方で小峰氏の皿にはシャペル氏への深い思いを垣間見た気がした。山本益博氏の司会進行もスムーズで、好感が持てるものだった。美味に酔い、人と語らい、快適な部屋でくつろぐ。なんとも幸せな時間を過ごすことができた。

 
入口からリビング奥を見る 窓側から入口方向を見る リビングのソファコーナー

ベッドは180センチ幅 クローゼットは小さくてハンガーは4本だけ ベッドルーム窓側からバスルーム方向を見る

ベイシンとトイレの部分 バスタブと洗い場 充実のアメニティ

昼の景色 夜の景色 素晴らしいシェフが顔を揃えたイベント

ラウンジ ラウンジ ラウンジ

 
ポートピアホテル 920311 920515 930330 030101 030124 041124


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