White Garden
2006.01.20(金)
高輪プリンスホテル Garden View Twin Room
Takanawa Prince Hotel
楽-4

降りしきる雪 東京に雪が舞った。アスファルトやコンクリートだらけの都心では、降った雪もたちまち解けてしまうが、豊な緑と土に恵まれた高輪プリンスの敷地内は、次第に一面が白く染まり、まるで別世界のようになった。とりわけ客室から見下ろすガーデンは美しい。雪が降るのを見越してこの部屋を予約したわけではなく、たまたま選んだ宿の、たまたまアサインされた部屋から、たまたま雪景色が見えただけ。そして発見したのは、このガーデンは桜のシーズンと雪の日に、東京で最も美しい場所のひとつになるということだった。

つい先日利用したガーデンビューダブルルームはベッドが新調され、高さが55センチとなり、以前と比較すると随分と快適になっていた。同じように改装されたツインルームでも、いいベッドが入っているものだと思っていた。予約する際の案内にもそのように書かれていたのだが、実際は違っていた。見た目こそ、リニューアルルームの仕様になってるが、ベッドは以前と同様に45センチの高さで、横たわってみたらヘタりまくっていた。オマケにシーツはザラザラしている。その劣悪で奇妙な寝心地は、ソ連だったころのモスクワのホテルを思い出させた。

内装は、リニューアルされており、テレビは26インチの液晶になって、プリンス自慢のマイナスイオンドライヤーも備えた。だが、タオル類はくたびれて黒ずんでいるし、アメニティも昔ながらのプリンススタンダードと、前回の部屋に比べるとガックリくる。加えて、空調の効きが悪く、28度に設定しても凍えそうだった。また、水が異常にカルキ臭く、バスタブに湯を張ると、まるでプールのようにツンとする臭いが立ち込めた。

風呂は臭いし、部屋は寒いしで、体が冷え切ってしまったので、さくらタワーの地階にある「サウナ&ジャグジー」まで出かけることにした。途中、雪のガーデンを通らなければならないが、それが雪国の宿で露天風呂に向かう時のような感じでまた楽しい。浴室ではひとりの爺さんと出会い、ひとしきりおしゃべりをした。最初は爺さんの方から、いきなり「景気はどうだい?」と口を切ってきた。なんでも、金沢から歌舞伎を見るために上京したらしい。そうしたらこの雪で驚いたとか。方言がきつくて、時折聞き取りにくいところもあったが、優しくて気のいい爺さんだった。

一足先に浴室を出て、脱衣所に備え付けられている体脂肪計で計測していると、爺さんも上がってきて自分もやってみたいと言う。その好奇心は少年のようだ。データ入力のため、年齢を伺うと「80!」との返事。そうは見えない。実に元気で若々しい。「出ました。20パーセントですね。」そう言うと、「そうかぁ。けどなぁ、それがいいんか悪いんか、わからんなぁ。」と笑っていた。こんな束の間のふれあいもまた楽しい。

 
ぼろいベッドのツイン 内扉があるガーデンビュールーム テレビはSONY製

窓から眺める雪景色 庭の一角 ラウンジから眺めるガーデン

 
高輪プリンスホテル 011006 031229 040522 041004 060109


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