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2005.11.20.(日)

ホテルニューグランド Grand Deluxe Room
Hotel New Grand
哀-3 だらしなさを訴える部屋
ライティングデスク
チェックインの際、なかなか予約が見つからず、長い時間待たされてしまった。それだけではなく、プランの料金ではなく、ラックレートにされるところだった。チェックイン時には、部屋のタイプだけでなく、料金はもちろん、プラン内容やチェックアウト時間などの諸条件もしっかり確認した方がいい。

改装が済んだ本館には、これまで2度宿泊したが、それはいずれもシングルルームだった。どちらの部屋もこの上なく窮屈な広さで、息が詰まりそうだったが、内装には他にはない個性があり、実に興味深かった。ニューグランドの本館改装は、近年行われたホテルの改装としては、最も気合いを入れて仕上げた部類に入る。そして、今回利用したグランドデラックスルームは、バスルームを含めたすべての内装を一新しており、ニューグランドの新しい顔となる客室を目指したことが伺える。

28平米のグランドルームと34平米のグランドデラックスルームは、いずれも3階と4階の山下公園通りに面した側に並んでおり、どの部屋からも港の風景と並木道を眺めることができる。だが、窓は古く、遮音性に欠けており、車の音が絶えることはなかった。また、白く塗られた趣のある扉もまた古く、廊下の音が室内に筒抜けだった。加えて、扉に設けられた二重ロックの内鍵は、穴の位置がずれているために掛けられない状態だった。改装が済んで一年以上が経つというのに、こうした施工ミスを放置しているというのは恐ろしい。

室内に入った瞬間、かなり塗料臭いのが気になる。入口の床には大理石が敷いてあり、石の床はそのままバスルームへと続いている。居室はベージュのカーペット敷きで、全体に落ち着いた色彩でコーディネートしているにもかかわらず、華やかで質感の高いインテリアだ。最も存在感があるのは、クローゼットやテレビ、ミニバーの収納を兼ねた黒くて大きなキャビネット。地震で倒れでもしたら大変だと思わせるようなドッシリとした置き家具で、両脇の扉はミラー張りになっている。家具は大きいが、クローゼットとして使える部分は限られており、服の収納力は乏しい。

ライティングデスクはオーバル型で、トップをガラス板で保護しているが、ガラスはすでに曇り放題に汚れている。LANは直ぐに接続できる状態になっており、無料で利用できる。デスクのアームチェアは、大理石製のコーヒーテーブルに添えられたアームチェアとまったく同じもので、デスクから向きをひっくり返せば、そのまま同じチェアがテーブルを挟んで並ぶ格好となる。ベッドサイドにはドレッサーがあり、スツールを添えた。チェアのファブリックは深いブルーのベルベット風で、ニューグランドのテーマカラーに通じている。

ベッドは110センチ幅が2台並び、ベッドボードは白いレザーの鋲打ち仕上げ。寝具はカバー一体型で、白い色のためか、汚れが目立つ。ベッドには3種類のクッションが添えられている。また、レイヤーのドレープが部屋全体の質感を高めている。インテリアで布が持つ演出力は非常に大きい。また、ミラーの縁やスタンドの装飾も凝っており、デスクスタンドの脚はオニキス製だ。

バスルームは総大理石張りで、約6平米の面積がある。広々としたベイシントップと、立派な縁取りのミラーがあり、アメニティはモルトンブラウンの50mlサイズを揃えている。バスタブは深くて大きめだが、シャワーブースはやや狭い感じがした。

この客室は、もっと輝かしい存在になりうるデザインと質感を備えているはずだが、残念ながら、手抜き工事と手抜きメンテナンスにより、その価値は半減している。塗装は雑で、浴室金具の取り付けもいい加減。家具のメンテナンスには思い入れのかけらも感じないし、あらぬ方を向いたままにされた家具や、アメニティ、冷蔵庫内の飲み物などからは、だらしなさしか伝わってこない。

ゴージャスな印象もある室内 大きな家具が存在感を示す

ベッドサイドにはドレッサーも ベッドは汚れが目立つ

壁には大きな額が掛かる モルトンブラウンのアメニティは大きなサイズ

長いバスタブ バスルーム内

[ホテルニューグランド] 950430 991001 010428 020223 040326 040420 040601 050529

Y.K.