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2005.07.09.(土)

ホテル ザ・マンハッタン Manhattan Standard Room
Hotel The Manhattan
怒-3 大雨のエントランス
高級感たっぷりの室内
公演を終えてスタッフたちとホテルに向かった時、幕張周辺は集中豪雨に見舞われていた。川のようになった道路を通って、やっとの思いでホテルの正面に着き、これでもうくつろげると安堵したのも束の間、非常に不親切な出迎えを受けることになった。

ちょうど正面玄関前には誰かが呼んだタクシーが一番いいところに陣取っており、客が乗り込むのを待っているようだったが、肝心の客はまだ館内から現れないでいた。我々が乗った車は、そのタクシーの後ろでしばらく待っていたが、一向に動きがないので、一度車から降りて、そばにいるベルガールにタクシーを少し前に出してくれるよう頼んだ。

今停めている位置でも人間が降りるには差し支えないのだが、後ろ半分がエントランスの屋根から外れており、荷物をトランクから取り出そうと思うと、激しい雨をまともに受けることになるため、もう少し車を前に出したかったのだ。だが、ベルガールはその頼みを無視した。タクシーを呼んだのがよほどのV.I.P.なのだろうか、タクシーの位置を動かすことに極めて強い抵抗があるようだった。

しかたなく、タクシーに並行になるように車を移動し、スタッフたちの荷物や花束など、多くの荷物を降ろしはじめたが、3人いるホテルの係はだれも手伝ってくれない。カートを貸して欲しいと頼んでも無視。どういうつもりだと怒って初めて、彼らは行動を起こした。激しい雨で声が聞こえにくい状態だったかもしれないが、客が係に向かって何かを言っているのに、それを無視するとはどういうことか。

ルームキーを受け取るためにレセプションに立ち寄った際、ナイトマネージャーに正面玄関での状況を説明し、釈明を求めたが、自分は状況を見ていないので、なんとも言えないからお詫びはできないと言う。こんな調子で夜間の責任者が務まるのだろうか。恥を知ってほしい。ベルガールの高慢な態度にも腹が立ったが、このナイトマネージャーはなお救い難い。

だが、このホテルは完全に腐ったわけではなかった。荷物を部屋まで運んでくれたベルボーイは、正面玄関での出来事を一部始終見ていたと言い、このような状況になって自分も本当に恥ずかしいと、本気で膝を着いて詫びようとするので、彼の腕の持ってそれを引き止めた。落ち度や手違いがあったのなら、それを潔く詫びれば事は済むのに、あのマネージャーの態度は非常に遺憾。若いベルボーイのまっすぐな姿勢が、この環境では生かされないことが残念でならない。

利用した客室はマンハッタンスタンダードルーム。33平米の標準客室にしては、随所に極めて凝った意匠がちりばめられてる。天井や壁の装飾は、特別客室並みの高級な仕様だ。家具やカーテンも上質だが、デスクの椅子は改装前のレストラン「ザ・テラス」で使われていたものを活用している。ベッドや寝具の感触も悪くない。ナイトランプは、調光可能に改められ便利になった。

だが、ベッドサイドにあるクローゼットは、扉を開くとベッドに引っかかるし、窓際のデスク周辺のスペースにも余裕がなく窮屈。ミニバー伝票に筆記用具が添えられていないが、客に書かせるのだから同じところに筆記用具を用意するべきだ。

フレンチドアで仕切られた大理石造りのバスルームは、窓に面しておりとても魅力的だが、手入れが悪すぎる。シャワーブースがないので、バスタブに備え付けのシャワーを使用するのだが、バスタブと壁が離れているので、その間に水が溜まり、石の劣化とカランへの水垢の付着を助長している。これは、設計上のミスだ。

朝食は日本料理「おりじん」で。先の改装で床をフローリングにし、パーテーションを取り払って、椅子を新調したようだが、完成度の高かったオリジナルデザインのテイストはそのまま引き継いでいる。定食は膳で運ばれてくるものの他に、ブッフェ台から好みの小鉢やサラダを取ることができる。フルーツやジュース、コーヒーなども用意されており、充実しているだけでなく、味もとてもよい。

チェックアウト時は、前夜の詫びもなく、会計係の態度そのものからして感じが悪かった。だが、これ以上望むことなどないと考え、ホテルを後にした。数日してから、この日に不在だった総支配人から丁寧な詫び状が届いた。以前のマンハッタンからそのままいる従業員と、ロイヤルパークの方針とを調和させるのは至難の業だと推察するが、建築的にも価値の高いこのホテルを、よりよく輝かせて欲しいと願ってやまない。

テレビは部屋の隅に 窓側から入口方向を見る

バスタブは大きな窓に面している 石造りのベイシン周辺

[ホテル ザ・マンハッタン] 920502 020420 020628 030906

Y.K.