2002年8月27日

そのバスルームの窓は、これよりも上のカテゴリーとなるコーナールームのものよりも大きく、シャワーブースの位置も窓に近いので、シャワーを浴びながら渋谷の街並みを見下ろすことができるなど、バスルームに関しては、コーナールームよりも優れている部分が多い。しかし、デラックスルームのバスルーム以外の部分はやや窮屈だ。バスルームはよくても、ソファが入ってなおゆとりのあるコーナールームの方がトータルでの面積は広いので、グレードとしてはコーナールームが上になるようだ。

デラックスルームの室内は、スタンダードルームに準じており、120センチ幅ベッドが2台、オットマン付き肘掛け椅子がひとつ、窓を向いたライティングデスクなど、必要最低限とも言える設備だ。家具の質感もセルリアン共通の「まるで無印良品」クオリティ。シンプルを通り越して、チープさが強調される結果になったコーディネートは、客室のカテゴリーが上がるほどに、惜しい気がしてくる。返す返すも、もう少し色香やクラスを感じさせる内装にして欲しかった。

そして、このタイプの客室は、クローゼットに扉がない。ウォークインできるほどの広さがあり、収納には事欠かないのだが、いかに自分の荷物だとはいえ、雑然とした品々が目に入るのはうれしくない。インテリアがシンプルなだけに、ちょっと荷物が見えるだけで、散乱した印象につながる。そして、クローゼット内のみならず、備えられた引き出しは浅いものばかりなので、荷物が多い滞在で室内をスッキリ使うには、かなりの工夫が必要だろう。

また、室内ではテレビ画面またはＬＡＮケーブルによって、高速インターネットが24時間につき1,000円で利用できる。利用に際しては、フロントに電話を入れてパスワードを発行してもらわなくてはならない。そのパスワードを画面に入力すると接続できるようになるが、数時間ごとにパスワードを入れなおす必要があり、とてもわずらわしかった。

とにかくこのタイプの客室は、バスルームがもっとも居心地がいい。ついでベッドの中だ。お気に入りの入浴剤を持参して、ゆっくりとバスタイムを楽しんだら、部屋を暗くしてチープなファニチャーが見えないようにしつつ、カーテンを開け放って、夜景を見ながらいつしか眠りに着くというのが理想。首都高を走り抜ける車の音などもよく聞こえるが、それもまた大都会の子守歌だと思って楽しんでしまおう。

この店には女性のサービススタッフも多くいるのだが、おしなべて男性よりも女性の方が感じが悪い。仏頂面で皿を乱暴に置くものだから、いくらおいしいものを出されても、価値は半減してしまう。デザートは、本来テーブルに対して並行に置くべき四角い皿で提供されたが、女性の係はそれを適当に傾かせたまま置いていった。それが曲がっていることに気がつかないのか、はたまた、気がついていながらどうでもいいと考えているのか、いずれにしてもきちんとした店のサービスとはいえないお粗末なものだ。しかも、ハーブティはただただ苦いだけで、まったくおいしくなかった。