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ホテル別インデックス
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2002年2月22日

キャピトル東急ホテル Superior Room
楽-1 トリプルパンチ
客室から望む国会議事堂
キャピトル東急ホテルは、今もあちこちが改装工事中だ。日本では道路にしろ駅にしろ、常にどこかが工事中という状態が当たり前のようになっていて、使える施設が制限されたり、美観が大きく損なわれることに対して、だれもが慣れ切ってしまっているかのように感じられる。そんな事情からか、利用者の「工事中では仕方がない」という酌量にあぐらをかいて、不自由に対する十分な配慮を欠いている当事者が多いのは残念なことだ。

それはホテルでも当てはまる。工事中であれば大なり小なり不自由が生じるが、利用者が理解と我慢を示すことで事なきを得ている。それでも、ホテルはビタ一文値引くわけでもなく、通常どおりの料金を要求する場合がほとんどだ。工事が終わって施設が改善され、より使いやすくなるのは望ましいことだが、道路や駅と違って、一日単位で料金が明確な施設では、そう長い目でばかり見てもいられない。

この日はロビー、エレベータ、そして9階、10階の客室を改装中だった。ロビーはおよそ半分を完全に遮蔽し、中央部分がつぶれてしまっているため、通行が不便であるだけでなく、見通しが利かず、待ち合わせにも苦労した。エレベータは3基のうち2基は新しくなったが、残りの1基は改装中のためまだ封鎖されていた。新しいエレベータは、セルリアンタワー東急ホテルによく似たテイストのデザインになり、乗り心地もよくなったが、今となっては緑色の丸ボタンが付いた以前のものが懐かしい。

なにしろ2基しかエレベータが動いていないのだから、待ち時間は相当だし、いつでも満員で各階停まりだった。工事中につき迷惑をかけるが理解をという内容の立て看板がロビーや各フロアのエレベータホールに掲げられ、客室には同じことを記載したコピー用紙がデスクに置かれていたが、逆にいえばそれがすべてだった。工事による一連の不自由が原因でホテルに怒りを覚えることはなかったし、とりわけ不満に思うこともないのだが、ややおざなりな印象が残った。

この日は、途中でルームチェンジをすることになった。最初にアサインされたのは10階の客室だった。9,10階は改装中とあったが、この日は9階を封鎖して工事を行なっており、10階は販売していたようだ。9,10階はエグゼクティブフロアで、山吹色のベッドカバー、モスグリーンのベロア調生地を使ったソファなど、落ち着いた雰囲気が魅力で、古くからのキャピトルファンに人気がある。バスルームには花が飾られ、タオルはより上質なものを使っている。

チェックインするなり、シャワーを浴びて一眠りすることにした。ここ数日睡眠時間が少なく、疲れきっていたが、この後は友人とシンフォニーを聞きに行く約束があった。鑑賞中に居眠りでもしたら大変だし、その後にもたくさんの作業を残していたので、仮眠をとることも仕事のひとつと言えるほど重要事項だった。ところが、ベッドに入ったとたん、真下の客室からドリルと金槌のものすごい音が響いてきた。そこで頭に浮かんだのが、さきほど何気なく目にした工事中案内の看板とプリントだった。眠りたいのに眠れないこの状況では、その案内が思いやりのないものにしか感じられなかった。しかも、それらの案内を目にしたのは、チェックインを済ませた後だ。

もしチェックインの際に、「お客さまのお部屋の下の階でドリルを使って工事中ですが、よろしいですか」と聞かれたら、部屋に入る前に事態を回避できただろうが、もう後の祭りだ。結局、騒音に耐えかねてフロントに相談することにした。フロントの対応は、やや冷ややかな印象があるものの、的確だった。初めは耳栓がないかと尋ねてみたが、用意がないとのことだった。時間がもったいないのでできる限りこのままの部屋を使いたかったが、フロント係がルームチェンジを勧めてくれたので、それに応じることにした。

急いで支度をしていると、若いベルマンが新しい客室の鍵を持ってやってきたが、「ご迷惑をお掛けして申し訳ございません」と低姿勢だった。「こちらこそワガママを言ってごめんなさい。どうにも眠れなくて」などと雑談をしながら案内された客室は、7階のスーペリアルームだった。先ほどの客室とはウイングも違うので、工事の音は気にならなくなった。ところが、今度は廊下で清掃作業をする客室係たちの慌しい足音や喋り声が気になって、結局眠ることはできなかった。このホテルは客室扉の下の隙間が結構開いているので、廊下の音はよく聞こえる。もう諦めてコーヒーを飲み、そのまま出掛けることにした。

すべての予定を終えて客室に戻ると、深夜だというのに隣りの部屋がやけに騒がしかった。もうお手上げ。次回来る時には耳栓を持参することにしよう。騒音のトリプルパンチに悩まされた滞在だったが、ルームチェンジに迅速に対応したフロント係のスキルと、エグゼクティブルームとスーペリアルームをしみじみと比べることができたこととで、楽。

エグゼクティブルーム エグゼクティブルームナイトボード
2002年3月2日
キャピトル東急ホテル Standard Room
楽-2 耳栓持参
スタンダードルーム
耳栓持参でチェックインをし、アサインされた客室は2階のスタンダードルームだった。改装を終えた客室で、全体的に小奇麗な感じがする心地よい空間だった。エグゼクティブ、スーペリア、スタンダードとで、インテリアや備品にそれぞれ特徴があるが、どのカテゴリーでも、このホテルらしい落ち着いた雰囲気が感じ取れる。だが、個人的にはモダンでビジネスユースの便宜を考えたスーペリアルームよりも、このスタンダードルームの方が、やわらかい感じがして気に入っている。

しかし、バスルームはずいぶんと印象が違った。床は石だが、壁はタイルで、スーペリアやエグゼクティブの石張りバスルームと比べてしまうと、華やかさが違っている。その他にも、鏡が三面鏡仕様になっていないかったり、アメニティの面でかなりの差がある。いずれにしてもスタンダードルームとしてはよくできた客室だと思う。

スタンダードルーム室内全景 スタンダードルームベイシン
2002年5月24日
キャピトル東急ホテル Executive Room
楽-3 キープコンセプト
アニックグタールのアメニティ
スーペリアフロア、スタンダードフロアと進んできた客室の改装工事は、エグゼクティブフロアの改装終了で、ひと段落したようだ。今回は、改装が済んだばかりのエグゼクティブルームに宿泊した。

新装なったエグゼクティブルームは、濃い目の色合いの家具など、シックな大人っぽい雰囲気になった。一番最初に改装されたスーペリアルームが、旧来のキャピトル東急のイメージをおおきく転換したのに比べると、こちらのほうは旧来のイメージに近いといえるだろう。

エグゼクティブルームの一番の特徴は、新素材テンピュールを使ったベッドと枕だろう。スペースシャトルで宇宙飛行士を守るための緩衝材として開発された高機能素材をベースにした低反発性ウレタン素材であるテンピュールは、カラダのカタチぴったりに変形し、体圧を均等に分散させてくれるという。実際使ってみると、寝心地はなかなか悪く無いのだが、都ホテル東京のスーパーベッドなど、正統的な高級ベッドほどの快眠は得られないように感じた。

また、アメニティはアニックグタールのものに変わった。キャピトルといえば、どちらかといえばおじさんのホテルといったイメージだが、アニックグタールのアメニティで、若い女性を狙おうというのだろうか。

少しカーブを描いたライティングデスクは、奥行きがやや足りないように感じた。また、スーペリアルームにあるLAN回線やインルームFAXなどは、エグゼクティブルームには用意されていない。実用的な意味では、エグゼクティブよりもスーペリアのほうが環境が整っているといえるかもしれない。初めは気合を入れて改装に手をつけたが、予算が足りなくなったか、旧来の顧客からの反発があったか、徐々にキープコンセプト路線に変わってきたように見受けられる。

エグゼクティブフロアの客室は、刺繍の入ったタオルや、バスルームに大理石の棚がついているなど、スーペリアフロアとは少し差別化されている。しかし、アーモアは無く、テレビはむき出しになっている。エグゼクティブフロアというなら、ラウンジサービスは無理にしても、せめてターンダウンサービスくらいは提供したほうがよいだろう。

最近は、無料で見られる衛星チャンネルを充実させているホテルが多いが、ここは、CNNなどの定番チャンネルだけで、やや面白みに欠ける。ディスカバリーチャンネルくらいは入れてほしいと思う。

リニューアルされた室内 ベッドの反対側

[キャピトル東急ホテル] 960217 990103 990618 000504 000805 010407 010628 010818 010923

Y.K.