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ザ・ポートマン・リッツ・カールトン上海 Club Level Room | |
The Portman Ritz-Carlton, Shanghai | 2010.12.28(火) |
Shanghai, China | 楽-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
バスタブなしの部屋 万博が終わって2ヶ月が経とうとしている上海を訪ねた。クリスマスも過ぎ、いよいよ年末。中国では旧正月を盛大に祝うので、年末年始は日本ほど盛り上がらないが、元来派手好きの上海人たちにとって、イルミネーションや装飾は欠かせないようだ。 今回2度目の宿泊となるザ・ポートマン・リッツ・カールトンでは、正面玄関を無数の電球を取りつけ、太い円柱には赤と金のリボンを巻き付けたような飾りをしている。夜風は冷たくても、見ているとなんとなくウキウキしてくる。 昨年来た時、正面玄関周辺は枯山水だったが、今回は水の流れが戻っていた。これが本来の姿だと思われるが、なぜ昨年は枯れてたのかは謎だ。ホテル棟の壁にも水が流され、滑らかな滝のよう。ホテル棟を取り囲むように水が配され、太湖石や中国風石像が多数置かれている。城と濠のようなイメージで、ホテルへは架け橋を通って入るよう設計されている。 架け橋はゆるやかに盛り上がっている。両脇にはクリスマスにちなんでか、真っ赤なキャンドルが灯され、スパイシーな香りを放っている。 エレベータホール中央には、吹き抜けにまで伸びる大きなクリスマスツリー。石造りの空間に、色鮮やかな装飾はよく映える。上階のバーからは、ゴキゲンなピアノ演奏が聞こえている。ホテルでの演奏といえば上品でムーディーと相場は決まっているが、ここのピアニストはお構いなしにハメを外して弾きまくっている。 例によって無愛想なフロントでチェックインを済ませ、ルームキーを受け取った。荷物は後から係が運んでくる。今回の部屋は44階のクラブルーム。プレステージスイートのコネクティングルームだが、内装は通常のクラブルームと同等だ。 ベッドはツイン。ベッドとバスルームの間にスイートへ通じるコネクティングドアがある。ベッドの幅は120センチ。厚さ9インチのマットレスを使っており、高さは55センチ。デュベ、ベッドリネンともに実に快適だ。 バスルームにはバスローブが用意されているが、宿泊客が日本人だとわかると、ターンダウン時に浴衣風のローブをセットしてくれる。ありがたいかどうかは微妙。 窓際にはどっしりとした一人掛けソファと丸テーブル。ゴールドのクッションがアクセントだ。無料のミネラルウォーターもここに置かれている。 窓は左右に開く。ドレープもゴールドで、カーテンボックスに設置された3つの間接照明により、まさに黄金色に輝いて見える。客室の天井高は280センチと、比較的高い方。 44階からの眺めはダイナミックだ。特に日が昇ったばかりの早朝が美しい。個性的なフォルムのビルが、朝もやの中にシルエットで浮かびあがる姿は幻想的だ。 ベッドの向かい側には、壁にかかった37インチ液晶テレビと、収納キャビネットがある。キャビネットには、ミニバー、冷蔵庫、ティーセットなどが収まっている他、DVDプレイヤーもある。キャビネットより窓側には、ワークデスクを設置。壁の上部には蛍光灯の間接照明が設けられている。 居室とホワイエの境目には、オニキスのプレートに裏から照明を当てた装飾が施されている。特に何かの役にたつ設備ではないが、客室内の装飾としては珍しい。昨年利用したダブルルームにはなかったが、最初に用意された低層階のツインルームには似た装飾があった。しかし、下層階ルームの石の柄はもっとシンプルで、こちらの方がはるかに高級そうに見える。スイートのコネクトならではなのかもしれない。 バスルームの内装も他のクラブルームと同じだが、広さはずいぶんと違う。バスタブのスペースが、ベッドの脇にコネクティングドアを設けるために奪われてしまい、通常のバスルームからバスタブの分だけを取り去った広さとレイアウトになっているのだ。 それでも広さは4.3平米あるので、レイアウトを工夫すれば、バスタブとシャワーブースの両方を設置することも可能だったと思われるが、1室のために特別な設計をするのは面倒だったのだろう。 ファイブスターホテルの特別フロアでバスタブなしとは悲しいが、そう滅多に割り当てられることもないと考え、レアさを楽しむことにしよう。 ベイシン脇の引き出しには、銀のパッケージに入ったアメニティが揃っている。歯ブラシは大型サイズで、日本人には使いにくいかもしれない。 他のアメニティは昨年とは違うものに変わっている。シャンプー類はよりスリムなボトルデザインになり、石鹸はロゴ入りの銀紙で包んだものになった。 クラブラウンジもクリスマスの装飾が華やか。年末に差し掛かり、ビジネスでの宿泊客が少ないからか、ラウンジは朝食時を含めていつもガラガラだった。 朝食はダイニングエリアで。ソファよりも食事がしやすいセッティングになっている。2日目からは顔を覚えられ、頼む前に好みのコーヒーを用意してくれるようになった。 エッグステーションには、素朴な顔立ちの青年が立っていた。オムレツを頼むと無言でフライパンを握り、一世一代の大勝負でもするような顔つきで調理してくれた。見た目はいびつだが、念力が注がれたオムレツには神秘のパワーが宿っているかもしれない。 |
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