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ザ・ポートマン・リッツ・カールトン上海 Club Level Room | |
The Portman Ritz-Carlton, Shanghai | 2009.10.29(木) |
Shanghai, China | 楽-4 |
ARCHIVES ・ 1992 |
著名建築家の名を冠したホテル ザ・ポートマン・リッツ・カールトン上海は、ホテル、レジデンス、オフィス、劇場、ショップなどが同居する複合施設「上海商城」の一部を成し、さながら上海の銀座通りといった風の高級ブティックや高級モールなどが軒を連ねる便利な立地にある。 ポートマンと冠しているのは、1967年開業のハイアットリージェンシーアトランタで初めて壮大なアトリウムを取り入れ、世界中の注目を集めたジョン・ポートマンその人の名である。竣工は1990年。開業当初はポートマン・シャングリ・ラだったが、後にザ・ポートマン・リッツ・カールトンに変わった。今でも上海の人々の間では、ポートマンの愛称で通っている。 上海商城は、広大な低層棟を軸にして、3つのタワーが向き合うように建っており、ホテル客室は中央の45階建てタワーに入っている。ホテル棟は高層階にいくほどビルの幅が広がるユニークな形状で、ひときわ高くそびえて見える。 ホテル玄関は1階にある。正面玄関は劇場前パティオの軒下にあり、かなり広い場所を屋根が覆っているため、じゅうぶんな広さの車寄せと待機スペースを確保している。車寄せの周囲にはショッピングアーケードやテナントレストランがあり、地階にはスーパーマーケットも入居する。 正面玄関を入ると、すぐに架け橋のような廊下があり、その先がロビーになっているのだが、最初に目に入るのはホテル棟のエレベータホールだ。エレベータホール中央にはフラワーアレンジを載せた円卓があり、時間帯によっては、係が立って客の案内に当たっている。 玄関を入るとどうしても正面に目を奪われがちだが、エレベータホールの手前で左右を見渡すと、噴水を配した螺旋階段が見える。更に見上げれば吹き抜けになっており、小ぶりながらもポートマンならではのアトリウム空間が設けられているのがわかるだろう。 エレベータホールを抜けた正面は、広々としたロビーラウンジ。ライブラリー風の落ち着いた佇まいだが、コーヒーなどの値段は東京のホテルと大差なく高額だ。このラウンジ以外、ロビーに腰を下ろせるところはなく、待ち合わせなどの場合は、このラウンジを使うか、ロビーをうろうろしながら待つことになる。ところが、地元の人たちは度胸が据わっており、注文を取りに来る係に何もいらないと言って平然と座っている。 フロントカウンターは、ロビーラウンジの右手奥にある。目立たない場所なので、初めて訪れる場合は迷ってしまうかもしれない。フロントカウンターの手前には、ベルデスクがある。フロントのサービスは、とにかくさっぱりしていると思っていれば、驚かずに済むだろう。事務的で愛想もないが、これが上海ではふつう。基本無愛想だからといって、ツンケン尖っているわけではなく、笑顔が必要な場面ではちゃんと見せてくれる。 今回、ポートマンでの宿泊は上海の招聘元が用意してくれた。予約がされていたのは一般階の標準客室だったが、チェックインの際、500元の追加料金を払ってクラブフロアにしてはどうかと係に勧められた。それに応じ、予約を変更。クラブフロアの追加料金のみ自分で支払うことにしたわけだが、なぜか全宿泊分のデポジットが必要だった。 また、クラブフロアに変更したものの、客室は26階のままだったので、クラブフロア内の客室に変更するよう頼んだところ、夕方までには新しい部屋を用意するので、それまでは26階客室を使ってくれとの返答だった。クラブラウンジへアクセスするには、エレベータ内でのキー操作が必要だが、最初に渡されたキーでもアクセス可能だった。 クラブフロアのエレベータホールは、中央が4層吹き抜けになっている。グランドハイアットの巨大吹き抜けには及ばないが、20年近く前にも、45階の高層階にこうした吹き抜けがあったというのは先進的だ。 43階にあるクラブラウンジは24時間営業。深夜にも係がいて、スナックや飲み物が自由に楽しめるのはありがたい。このフロアに来るためには、クラブアクセスのルームキーが必要なので、入口で名前や部屋番号を尋ねられることはない。 ラウンジ内は広く、テーブルが並ぶダイニングエリア、バーカウンター、ソファを配したリビングエリアなど、それぞれ雰囲気の異なるセクションに分かれている。ラウンジ内にルームサービスか料理を運ばせることも可能だ。朝食時には卵料理を作る調理人も立ち、充実した内容の朝食を楽しめる。 客室での高速インターネットアクセスは1日120元掛かるが、ラウンジ内のパソコンコーナーは無料で利用できる。ラウンジではDVDソフトの貸し出しも行っている。 夜になって用意が整った新しい部屋は41階。26階の部屋は建物の飛び出た部分にある奥行きのあるタイプだったが、41階の方は逆に一番奥行きの短いタイプ。最初はだいぶ狭いのではないかと感じたが、しみじみ比べてみると、先の部屋よりも横幅があるので、実質の面積はそれほど大差ないのかもしれない。 クラブルームの面積は約38平米。近年に改装されたらしく、内装に古さは感じない。黄金を思わせるカーペットやドレープ、赤いオットマン、紫のソファなど、中国で高貴とされる色調を多用した華やかな雰囲気だ。 ベッドはキングサイズが1台。ふかふかのマットレス、軽やかなデュベ、素肌に心地よいベッドリネン、6つの枕などで丁寧に整えられたベッドの寝心地は国際最先端のレベルだ。 ナイトスタンドのポールは透明、フロアスタンドはメタリックと、照明器具もデザイン性が高い。深い掛け心地のソファには、丸いテーブルが添えられ、上には上海のラグジュアリーマガジンが置いてある。 デスクは窓に近い位置に壁向きに設置され、テレビは壁に掛かっている。テレビ下のキャビネットには、引き出しの他、ミニバーや冷蔵庫が収められている。テレビ上には蛍光灯の間接照明があり、これを点けると室内はかなり明るい。 ターンダウンも丁寧に実施され、チャイナドレスを模したルームサービス朝食注文表としおりがセットされる。タオルの交換やバスアメニティ、ミネラルウォーターの補充もしてくれた。 窓は一部開閉可能。高層階からの景色はダイナミックだ。浦東の超高層ホテルからの眺めは高過ぎてピンとこなかったが、こちらの方が上海の息づかいを感じられ、印象が強い。 客室入口ホワイエの床にはバスルームと同じ石を使っており、壁の木目とのコントラストが美しい。クローゼット内には棚が設置されており、細かいものの整理には便利だが、ハンガー部分は狭い。アイロンセットはデフォルトで用意されている。 天然石造りのバスルームは、調光可能なハロゲンダウンライトと蛍光灯の間接照明を併用し、明るくゴージャスな空間。じゅうぶんな広さがあるが、ベイシン前やバスタブ脇に設置された大型ミラーの効果で、一層広々ゆったりと感じられる。 ベイシンはシングル。両脇に引き出しを備える他、ベイシン下とミラー部分にガラスの棚を設けており、細かいアイテムを散らかさずに収納しておくことができる。ベイシンの隣りにはガラス張りのシャワーブースがある。トイレ便座に洗浄機能は備わっていない。 バスタブの前には、モザイクタイル風に装飾された照明付きガラス棚があり、そこに金刺繍の入ったバスタオルや一部バスアメニティがセットされている。使い勝手のいい快適なバスルームだが、細部の施工は雑だ。また、シャワーが著しく弱く、故障ではないかと尋ねたが、結局改善しなかった。 バスアメニティはブルガリ風のボトルデザインに入ったオリジナル。歯ブラシや櫛などの小物は、派手な銀の紙箱に包装されている。 タオルは大小が3枚ずつのセットで、小さなウォッシュタオルは備えていない。バスルーム入口に用意されたバスローブはワッフル地で、このホテルの名前とザ・リッツ・カールトンのロゴマークが刺繍されている。クラブフロアには、バスマット、ヘチマ、バスピローなどのレギュラーフロアにはないアイテムが加わる。 フィットネスクラブ、屋内外プールは無料で利用可能。屋内プールでは、子どもたちが楽しげに遊んでいた。 屋内プールと屋外プールは繋がっている。すでに気温は低く、外で泳ぐのは難しかった。夏には日本のホテルプールのように賑わうのだろうか。 ロッカールームに隣接してジャクージやサウナもあり、こちらでもリラックスした時間を過ごせる。 立地としては浦東よりも何かと便利。黄浦江両岸を往来するのは時間的にロスが多いので、浦東地区に用事があるなら浦東のホテルが、旧市街側に用事があるならこちら側と、目的に応じて宿のロケーションを選ぶ方がいい。浦東は工事個所が多過ぎて、まるで工事現場に滞在しているようでもあり、街として整うのはもう少し先の様子。一方のこちら側には、上海らしい風情があり、気分的にもくつろげた。 |
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