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ウェスティン都ホテル京都 Junior Suite | |
The Westin Miyako Kyoto | 2011.08.18(日) |
京都市東山区 | 楽-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
ウェスティンテイスト、都テイスト 京都の都ホテルは、敷地の広さといい、構造の複雑さといい、ホテル内探検に最適である。山が迫る傾斜地の敷地に建つホテルは、開業以来何度も増改築を繰り返して今の姿となったわけだが、往時の趣きを今に残す場所あり、ハイセンスなモダンデザインありと、興味は尽きない。 これほど新旧混然とし、なおかつテイストの異なるデザインが入り乱れているとなると、センスが悪いどころか悪趣味の域になりそうなものだが、あんがいそうは感じないから不思議。まるで歴史や文化ごとに部屋を分けた博物館を訪ねてるようでもある。 外観は昔ながら。ホテルの快適性と外観は必ずしもシンクロしないが、スタイリッシュでデザイン性の高い建物や歴史的価値のある建築が、滞在の気分を高めてくれるのも事実。その点、都ホテル京都の外観は、一見すると巨大温泉旅館のようだが、ディテールには興味深い意匠が多数ちりばめられている。 ロビーは、ライトな木目、白い大理石、ガラス、植物のグリーンを組み合わせたウェスティンらしいスタイル。明るい透明感と温もりの調和が感じられる。長いフロントカウンターはロビーに面したわかりやすい場所にあり、バックに設けられた間接照明入りのガラスウォールが印象的だ。 ロビーにはリビングルームのようなソファが置かれ、待ち合わせや気分転換にちょうどいい。吹き抜けには、ガラス面に水が流れる大きなオブジェがあり、ロビーのシンボルになっている。エレベータホールはガラス滝の裏側にあり、鮮やかなモダンアートが目を引く。 客室階に着くと、雰囲気がウェスティンテイストから都テイストに一変する。もちろんファブリックや装飾の改装は行われているのだが、村野藤吾の意匠が色濃く残る部分もあり、むしろそちらの主張の方が強く感じられる。 今回利用した部屋は10階にある52平米のジュニアスイート。レイアウトや内装にはいくつかの種類があるらしいが、仕切りのないワンルームタイプがアサインされた。同じ広さの部屋には、ベッドの代わりに小上がりを設けたコンセプトルーム「樂」や、長期滞在を意識して家電を設置した「ザ レジデンス」といったユニークなタイプもあるという。 客室のレイアウトは、つい数日前に宿泊した富山エクセルホテル東急のプレミアルームによく似ている。入口にホワイエがあり、内扉を抜けると居室。手前半分がリビングで、奥半分がベッドスペースだ。中央には仕切り代わりのテレビキャビネットがあり、ふたつの窓の間にはデスクを置いている。 ユニークなテレビキャビネットは回転式。50インチのパナソニック製テレビがボードに取り付けられており、360度回転するので、ベッドからでもリビングからでも、好みの角度で観ることができる。背面に額が飾っているところが、なんとなく面白い。DVDプレイヤー付き。天井は緩やかなアーチ状で、高さは250センチから270センチ。 ベッドはもちろんヘブンリーベッド。120センチ幅のものが、ハリウッドスタイルに寄せて設置されている。ベッドボード、ナイトテーブルやスタンドは、かなりレトロで70年代の趣きだが、チューブ式の読書灯は割と新しそうだ。 窓はさほど大きくないが、一部をスライドして開けることができる。この部屋は南館の中央部の東向き。正面に佳水園があり、その向こうは東山。ビルとか家とかは見えないので、山の観光地のような眺め。新鮮な空気と自然たっぷりの風景を楽しめる。 リビングには、ソファセットがある。座面が低いソファをはじめ、足の細いテーブルや和柄のスタンドなど、村野藤吾のテイストが光る。ソファのファブリックやカーペットはすっかり変わってしまったようだが、以前はどんな柄だったのだろう。 ライティングデスクは、やや小さめ。パソコンを広げてオフィスワークをするには手狭だが、旅の手紙や日記を記すにはぴったり。モスグリーンのファブリックを使った味わい深いレトロなイスも、気分を整えてくれるような気がする。 ミニバーは内扉とバスルーム扉との間にある。下は冷蔵庫で、中段にはミネラルウォーターやコーヒーメーカー、照明のある上段はガラス扉付きで、茶器やグラスなどが収められている。 クローゼットはホワイエにある。コートや外出用靴を入れて置くにはいいが、すべての収納に加え金庫までここにあるとなると、内扉を閉めるのが不安になる。また、本来は浴室にあるべきバスローブがここにあるのも妙な感じだ。 バスルームは約7平米(トイレ込み)で、天井高はおよそ220センチある。バスルーム扉から、正面のドレッシングカウンターまではカーペット敷き。トイレは壁で仕切られているが、扉はない。スツールを添えたドレッシングカウンター前には、楕円形のミラーが取り付けられている。 ベイシンはダブルで、トップはドレッシングカウンターまでつながる大理石仕上げ。壁や床も同じ石を使い、ベイシンやバスタブも同系色で揃えている。ベイシン前のミラーは四角い。 バスタブは158x76センチサイズで、深さは40センチとやや浅い。新高輪プリンスホテルのバスタブのように2面が開いている造りにもできたと思われるが、ドア側には大理石製の仕切り板を設けている。それでも、コーナー部分が開いていることにより、開放感が増している。シャワーブースはない。 バスアメニティはウェスティン共通のもの。ソープはリーフの形が面白い。タオルはどれもフカフカで心地よかった。 朝食やリフレッシュメントはクラブラウンジで。コーナーウィンドウからの眺めもいい。ラウンジ自体は広くないので、時間帯によっては混雑する。 ハロウィンにはまだ早いが、それらしき装飾も。ティータイムには、クッキーの試食。650円のクッキーが3箱で2,000円。箱代か。 カクテルアワーには、ちょっとしたオードブルも出る。 ラウンジとは別にライブラリーもある。こちらの方が、ゆったりとしたソファを配置。 屋内プールは誰も使っていなかった。 屋外プールも営業中だが、雨が降っている上に風が強く、とても寒くて入れない。 館内に人が少ない時間帯は、探検に最適。建物のディテールまで見て歩くことができる。 階段ひとつにも、独特の表情がある。 歩き疲れたら、各所にあるソファで一休み。 日本庭園もあり、何度泊まっても興味は尽きない。 |
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