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札幌プリンスホテル Deluxe Double Room | |
Prince Hotel Sapporo | 2010.04.05(月) |
札幌市中央区 | 喜-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
中に霞む和 札幌駅からタクシーに10分ほど乗っただろうか。大通りからさほど離れているわけではないのだが、景観から受ける印象はかなり違っていた。洒落た建築は少なく、コンビニエンスストアばかりが目立つことからも、すでに町はずれに差し掛かっていることがうかがえる。 だが、ここには札幌市中央区の区役所があり、プリンスホテルの円筒形タワーは区役所に隣接してそびえている。タワーの前は広大なスペースになっていて、どこか品川プリンスホテルを思わせる。そこにはゆとりある車寄せや池などが配置されているが、池の水は抜かれている。 なお、もともとあった旧館は道を隔てた隣にあるのだが、現在はまったく使われておらず、空家になっている。そして、宴会施設は別棟の「パミール」にあり、こちらへも一度外に出て道路を渡らなければならない。 エントランスを入ると左手にブッフェダイニング「ハプナ」がある。吹き抜けの広いレストランはダイナミックな印象で、これまた品川を思い出す。ロビーもアトリウム空間になっており、柱に沿ってスツールが並んでいたり、ヨーロピアン家具のソファコーナーがあったりと、待ち合わせにも不自由しない設えだ。 エレベータの前には一段高くなったイスコーナーが設けられており、人々の注目を浴びたいタイプの人にうってつけである。 その上はエレベータが通る最上階までの吹き抜けになっており、宇宙カプセルのようなエレベータカゴが行き交う空間は、どこか近未来的でSFの世界を思わせる。 チェックインのためフロントカウンターへ立ち寄ったが、係に名前を告げるなり、すぐに「お待ちしておりました」と笑顔を向け、そのまま24階にあるロイヤルフロア用のコンシェルジュデスクに案内された。特に到着客のリストを確認した様子もなかったので、この日のロイヤルフロアチェックインゲストの名前はあらかじめ頭に入っていたのだろう。 コンシェルジュデスクではチェックイン、チェックアウトの他、滞在中の各種サポートを受け持っている。一応、ラウンジとしての機能もあるようだ。 エレベータはレギュラーフロア用とロイヤルフロア用とに完全に分けられており、エレベータホールの場所も異なる。ロイヤルフロア用のエレベータホールにはキー操作で開く扉が設けられており、ルームキーを持っていなければ入ることができない。この構造やシステムはパークタワーにそっくりだ。 レギュラーフロア用は5基あるのに対し、ロイヤルフロア用は2基しかないが、ロイヤルフロアには約90室しかなく、加えてこの日は宿泊客が少なかったこともあって、まったく待たされることがなかった。 また、エントランスからアテンドしてくれたベルガールは、客室に到着するまでずっと荷物を扱いながら案内してくれた。フロントやベルのサービスは、手厚く丁寧な印象である。 今回利用した客室は、ロイヤルフロアのデラックスダブルルーム。スタンダードルームの2倍にあたる42平米の面積がある。客室階としては最も高層の27階にある部屋がアサインされた。 エントランスドアを入るとホワイエになっており、クローゼットがあるのかと思いきや、ミニバーキャビネットを置いている。大理石トップのキャビネットには、カップ&ソーサーと4つのハーブティーのティーバッグが用意され、日本茶はティーバッグではなくリーフ。湯沸かしポット用に、水汲み桶が用意されているのが便利だ。 冷蔵庫にはいくつかの飲みものが用意されているが、まだ空きスペースはたっぷりある。冷蔵庫はキャビネットの下段にあるが、冷蔵庫本体を隠すための扉はなく、冷蔵庫の白い扉がむき出しに置かれている。 引き出しにはリカーやワインのミニボトルが揃っており、この引き出しと冷蔵庫にはそれぞれ鍵を掛けられるようになっている。鍵を掛けたはいいが、どこにやったのか、わからなくなりはしないのだろうか。 わずかに光を通すスライド式の内扉を開けると居室がある。窓が2面あるので、室内はとても明るい。天井にはオーバル型のくりぬきがあり、調光可能な間接照明が施されている。手前半分がリビングスペース、テレビ台を挟んで、奥半分がベッドスペースだ。 中央のテレビ台は4段の引き出し収納を兼ねている。載っているテレビは26インチ程度の大きさで、部屋の広さの割には小さく感じる。テレビは回転式で自由に向きが変えられるが、常に部屋の半分には尻を向けているというのが格好悪い。 リビングスペースには、室内を向いたふたつのアームチェアと円形テーブル、マッサージチェア、壁向きのデスクを備えている。家具はヨーロッパ調で、木目の風合いがとてもいい。 デスクは壁の窪みを利用して設置されているが、これはいささか窮屈な印象。かといって、独立型デスクを室内向きに置くにはスペースが足りないので、仕方がない。デスク脇にはクローゼットがあるが、割と小さめなので長期滞在時には不自由することもありうる。 2面の窓の間には、ミニバーキャビネットと同じ大理石をトップに用いたドレッサーがある。照明付きの三面鏡と、小さくて背もたれの浅いスツール風のイスが愛らしい。脇には空気清浄機もある。 キングサイズのベッドにはシモンズのマットレスを使い、真っ白カバーで覆ったデュベと、ベッドの足もと半分ほどに掛かるスローケットでメイクし、ふたつのクッションを添えている。シーツの肌触りは少々粗いように感じた。 窓からは札幌の市街地と遠くの山々を望む。夕暮れには山に沈む太陽が見えた。円筒形なので、部屋の位置によって、それぞれに違った景色が眺められることだろう。 バスルームは約8平米と広い。居室からは一度ホワイエに出てバスルームの扉から入るのだが、居室から直接入れるようにしてもよかったように思う。壁はタイル張りで、床やベイシントップ、バスタブ囲いには天然石を使っている。 シャワーブースは独立しており、バスタブとシャワーブースの間にトイレがある。デラックスツインルームではトイレを独立させており、このデラックスダブルルームとはレイアウトが異なる。 バスタブはブロア機能付き。さくらタワーのバスタブほど深くないが、湯船に体を預け、ゆったりとくつろげる広さを持っている。 ベイシンはトイレの向かいに設置されており、楕円形のミラーと壁付きの照明がある。ベイシンの片側がカウンター状に伸びており、そこにバスタオルを置いてある。下にはバスローブの入ったカゴもある。 バスアメニティは男女別にトレーに置かれており、なかなか充実した品揃えだ。だが、シャンプー類はアロマエッセの30mlボトルが1本ずつと少ない。タオルは3サイズ揃い、枚数も多め。また、ルームウエアとして、ガウン、浴衣、ナイトウエアの3種類が用意されているのは、珍しいがもったいない。 夕食は館内でと考えていたが、選択肢は限られていた。というのは、「トリアノン」が定休日で、「ハプナ」は前日までの予約に限り飲み放題付きで3,900円というスペシャルデーだったため予約で満席。残るはステーキ「桂」か、中国料理と日本料理が合体した「中国料理芙蓉城 和食堂松風」だったが、物珍しさに惹かれて後者を選んだ。 店内は広いがガラガラでなんとなく気の滅入る雰囲気。和と中のミックスコースがあって、両方を同時に食べたい人には便利だが、どちらも中途半端な印象を受けてしまった。和より中のカラーが強く、和の繊細な味はかき消されてしまった感じだ。 2階には温泉大浴場があり450円で利用できるが、客室のバスルームが立派だったので使わなかった。この温泉もガラガラの様子だったので、意外と穴場なのかもしれない。 |
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