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熊本全日空ホテル ニュースカイ Deluxe Double Room | |
ANA Hotel Kumamoto Newsky | 2010.03.13(土) |
熊本県熊本市 | 楽-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
レトロ-モダン-フルレンジ 駅前から熊本市電の軌道に沿って大通をとぼとぼと歩き、ニュースカイを目指した。このホテルタワーは熊本市内でもトップクラスの高さを持つ建物なので、遠くからでもよく目立つ。 ホテルが近づくにつれ、何やら緊張感が漂い始めた。周辺は物々しい雰囲気に包まれており、警察やダークスーツの警備たちが、厳しい表情で周辺に注意を向け、時折、無線機でやり取りをしている。まさにスパイ映画の世界だ。 何か事件でもあったのだろうか。あるいは組のトップの葬儀でもあるのだろうか。その警備のターゲットは、ニュースカイであるらしい。大きなスーツケースで歩み寄ったら、爆弾と勘違いされやしないだろうか。 ちょっぴりドキドキしながら警備の人波を通り抜け、ホテルの敷地内へと足を踏み入れた。館内には、外ほどの緊張感はなく、活気あるホテルの雰囲気そのものだった。大きな宴会があるらしく、警備もそれに関連している様子だ。 チェックインはややもたついた。3人の係が、ふたりのお客にかかりきりで、なかなか待っている次の客に注意が向かない。気付いていないのではなく、時折こちらを見て、申し訳ないというサインを送っている。そうであれば、待つこともやぶさかでない。 やっと前のお客から解放され、係は「お待たせしました」と爽やかな表情を向けた。名前を告げると、すぐにルームキーが渡された。何かサインをするとか必要ないのかと尋ねても、「大丈夫です」とのこと。スピーディなのは結構である。 客室へは、ロビーを見守るマネジャーと思われる男性が案内してくれた。ロビーの隅にあるフロントカウンターから、ロビーを大きく横切ってエレベータホールへと進む。途中、リビングのようなソファセットがあり、あとで座ってみようと思った。 ロビーはコントラストのあるモダンな内装に改められているが、エレベータホールは昔ながらの立派な大理石造りだ。この新旧のギャップがまたいい感じ。マネジャーは歩きながら「館内が落ち着かず、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません」と恐縮そうにしていた。そして、もうしばらくでいつも通りに戻ると附け加えた。 18階エレベータホールはロビー同様のダーク系のマットなインテリア。そこに警官が数人立っており、これまた映画のようである。警官は通行人を無言でチェックしている様子。なるほど、これがあるためにマネジャー自らが案内を買って出たというわけだ。単独でこのフロアに来たら、尋問されていたかもしれない。 関所を無事に通過し、今晩の客室へ。いったいこのフロアに誰がいるというのだろう。そう思っているところに、ご当人が側近と共に通りかかった。よく知られたその顔は、何かと話題の大物政治家である。どうやらお帰りらしい。これで静けさが戻るだろう。 今回利用したのはデラックスダブルルーム。このホテルの18階には、12室のデラックスダブルとわずかなセミダブルがあるが、他のフロアにデラックスダブルはないので、18階はデラックスダブルを集めたスペシャルフロアと言ってもいいだろう。 インテリアも他の客室とは一線を画し、なかなかユニークな雰囲気に仕上がっている。面積はスタンダードツインと同じ約27平米。部分的に改装を終えているようだが、新旧渾然となった内装は他では見られないものだ。 第一印象は、とにかく「白い」の一言。かといって、全体が真っ白なわけではない。カーペットはグレーだし、壁紙もブルーグレーやアイボリーで、家具は黒い。だが、強烈に白を印象付けるのは、舞台セットのような白いベッドボードによるところが大きい。 寝具も白いデュベカバー仕上げで、両脇のナイトテーブルに載る「おとぎの国のキノコ」のようなナイトランプも白。黒い丸テーブルの天端も白い。この白を浮き上がらせているのが、黒やダークグレーの配色である。 デスクユニットは、片側がアールになったブラックの木製。テレビは液晶だが、放送はアナログ。その下には小さくて空の冷蔵庫と引き出しを備えている。 LANは無料で利用可能だが、あらかじめフロントで利用カードを受け取る必要がある。それを受け取り、必要な操作を行ったが、この部屋は故障により使用不可能だったので、隣室をインターネット用ルームとして使えるようにしてくれた。 180センチ幅のベッドには4つの枕とクッションを添えている。通常、デュベの足元は、マットレスに折り込むようにメイクするのだが、ここでは内側に畳み込んであるだけで、足元がフリーになるようにしている。また、デュベカバーは都度替えせず、デュベの下にシーツを一枚敷いている。 窓際には丸テーブルを挟んで、彩度の低いファブリックを使ったアームチェアをふたつ置いている。窓上は梁が太く、窓そのものは割と幅が狭い。窓の下部は、ハイアットリージェンシー東京の改装前のビュールームのように、窓台部分までカーペット敷きになっている。 かつては窓にレースカーテンが取り付けられていたようだが、今はロールスクリーンに変わった。窓からは白川が眺められ、リバーサイドホテルの趣きも感じられる。 バスルームはかなりレトロだ。清潔感は損なわれていないが、設備は古い。ベイシンの蛇口は、なぜかシャワーのような水の出方をするのだが、その水流が細くて、爪の怪我に当たると痛くてたまらなかった。そうでなくても、水が撥ね飛んで使いにくいので、ふつうの蛇口にして欲しい。 一方、バスタブのシャワーは弱々しかった。バスタブはゆったりサイズ。シャンプー類がニューオータニ熊本と同じコーセー製品なのは、熊本の流行だろうか。タオルは3サイズが2枚ずつ揃い、バスローブはないがワッフル地のナイトウエアを置いている。 その他のバスアメニティはカゴにまとめられており、全日空ホテルではお馴染みのアイテムが揃っている。 この内装のレトロ加減は、60年代を彷彿とさせる。ホテルそのものの開業は、熊本に日本で初めてのスクランブル交差点ができた1968年だが、タワーの完成は1983年。ということは、完成当初からレトロ感覚でデザインされたようである。 |
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