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ホテル・ヴィラくれたけ Manhattan Suite | |
Hotel Villa Kuretake | 2010.03.09(火) |
浜松市中区 | 怒-1 |
ARCHIVES ・ 1992 |
朝食倍額の悔しさ 吹雪のため速度が50キロに制限されている東名を、除雪車の後続となり、一般道よりもゆっくり走行しながら浜松へと向かった。倍以上の時間を要したが、とりあえずその日のうちに着けたことを喜ぶべきかもしれない。浜松は雪ではなく雨だった。 今回の宿は初めての滞在となるホテル・ヴィラくれたけ。ビジネスホテルとしての需要を基本としながらも、隣接する呉竹荘での挙式などにも対応するためグレードの高い客室も設ける一方、シングルルームにさえシャワーブースや浴室テレビを設けたり、高品質のファブリックやファニチャーを用いるなど、異色の存在としてかねてより注目していた。 駐車場は地下の他、道路を挟んだ向かいに屋根なしのものが用意されているが、雨が降っているので地下に停めたかった。しかしそこはかなり狭く、満車。とりあえず荷物だけ降ろしていると、ちょうど一台出て行ったので、そこに停めることができた。 外観は夜でもよく目立つ。バルコニーの夜間照明に加え、最上部のホテルサインが煌々と輝いている。ホテル前は坂道になっており、結構な傾斜だ。正面玄関までは階段で上がるが、脇にスロープも設けられている。 ロビーは明るく、2階まで吹き抜けの天井からは華やかなシャンデリアが下がり、壁面の本磨きの石がシャンデリアの光を鋭く反射している。フロントカウンターはこぢんまりとしており、明るくチャーミングな女性がひとりで対応していた。 なお、隣接する呉竹荘はパブリックスペースが改装されており、そちらの方が内装にまとまりが感じられ、はるかに好印象だった。 客室までのエレベータは1基。客室数は71室なので、さほど待たされることもなかったが、部屋は結構埋まっている様子だった。客室は、全室それぞれ異なる花がテーマになっているという。それは手織りの段通や、飾られた額装に表現されているらしい。 11階はスイートフロア。案内によれば「高貴さと優雅さをイメージしたドレッシーピンクでまとめている」とのことだが、それは改装される前までのことだろうか、今となってはその実感は得られない。 エレベータホールと客室廊下の間には、オリエンタルなスイングドアが設けられており、微妙なエクスクルーシブ感を醸している。ロイヤルスイートは2室あり、それぞれ「マンハッタン」「マウイ」とタイトルが与えられている。 「マンハッタン」のテーマは「ローズ」。「マウイ」は「ハイビスカス」で、花言葉は「微妙な美しさ」だとか。両方ともロイヤルスイートだが、「マンハッタン」は105,000円、「マウイ」は84,000円と、料金に差がある。 「マンハッタン」は70平米。入口の扉を入ると、ホワイエも目隠しもなく、いきなりリビングがある。正方形に近いリビングには、L字に置かれた白く大きなソファセットがある他は、オーディオキャビネットとコート掛け、照明器具があるのみ。 モノトーンのカーペットは非常に毛足が長くフカフカ。電動式のドレープもモノトーンで、シックな雰囲気にしようとしたのだろうが、なんとなくヤンキーチックで下品な印象になってしまった。 照明は充実している、というより過剰気味だ。スタンドだけでも3つあり、天井にはいくつものダウンライトと間接照明、そしてアクセント的なオブジェにもなっているプロミネンスのようなペンダントライトがある。テレビは42インチでDVDプレイヤーも備えている。見た目はともかく、異常なまでにタバコ臭いのが気になった。 ベッドルームはリビングの半分ほどの広さだろうか。こちらにも廊下へ通じるドアがある。白の印象が強かったリビングに対し、ベッドルームは黒が優勢で、そこに赤がアクセントに加わって毒々しい。 窓際には60年代風デザインの赤いソファが置かれ、リビングと同じフロアスタンドが添えられている。ベッドのオットマンやデスクスツールも赤い。パッと見は華やかだが、茶碗やボールペンなどの小物類を見ると興ざめ。デザインの真価はディティールに表れる。 家具はかつてはこんな色ではなかったと思われる。おそらく無垢の木目だったのだろう。せっかくの家具を無粋に黒く塗ってしまったのは残念だ。32インチテレビまではいいが、大きな冷蔵庫も邪魔な上に騒々しい。デスクの上を見れば、ごちゃごちゃと有料放送の案内などがあって、ここがビジネスホテルであることを強く印象付ける。 ベッドは140センチ幅。スタイリッシュなベッドカバーとスローケットを外すと、昔ながらのダサい寝具が顔を出す。ナイトテーブルは、なぜかふたつ。コントロールパネルがそれぞれ異なっているので、どちらかを撤去することができなかったのだろう。 バスルームはリビングを挟んで反対側にあり、ベッドルームとバスルームを往来するには、必ずリビングを通らなければならない。だが、リビングやベッドルーム以上に個性的で、なかなか興味深い仕上がりだ。 細長い空間に、猫足バスタブ、シャワーブース、ベイシン、仕切り付きのトイレを配置し、2面の窓からの自然光が差し込むので昼間は明るいが、夜は蛍光灯の無粋な光に照らされ、せっかくの高級な大理石が安っぽく見えるのが残念。 また、トイレの仕切りが、駅ビルの個室トイレのような、これまた安っぽいことこの上ない規格品でできているのが情けない。 ベイシンは割と広く取られているが、ゴールドの金具が浮いてる。シャワーブースにはスツールが添えられて便利。バスアメニティもビジネスホテルの域を出ない。それどころか、ビジネスホテルの水準を下回っているのがタオル。大小1枚ずつしか置かず、しかも浴衣の生地並みに薄っぺらい。 窓際の猫足バスタブだけは気に入った。金具のデザインも、バスタブの曲線も本格的。湯をこぼさずに浸かるには、ちょっとしたコツがいるが、スイート全体でここが一番快適で、ベッドよりも長く過ごした場所だった。 リビングとベッドルームの窓からはバルコニーに出ることができる。爽やかな風を浴びるのは気分がいいが、結構スリリングだった。 せっかくの高級ルームなのに、何といっても清掃やメンテナンスがまるでなっていないのが残念でならない。デザインもあまり感心しないが、清潔感が伴いさえすれば、印象は格段によかったはずである。今一度、メンテナンスの意義を考え直してほしい。 朝食は1階ロビー脇にある空間で。これまたド派手な内装は、悪趣味の域に達している。「ニューヨーク」をテーマに掲げる店で、レンガをピンクに塗るセンスは理解できない。かつてはメインダイニングだったが、今では朝食と平日のランチのみ営業して、週末は宴会場として使われているようだ。 朝食を希望したら宿泊料金に1,000円が加算された。だが、入口の案内には、外来の客でも500円でお気軽にというようなことが書かれている。宿泊客に倍額を吹っ掛けるとはいい度胸だ。ろくでもない料理に倍も払ったと思うと悔しかった。 |
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