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ロワジールホテル厚木 Twin Room  
Loisir Hotel Atsugi 2010.02.06(土)
神奈川県厚木市 楽-1

ホテル外観

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ベッドリネンの恐怖


このホテルの前身は厚木ロイヤルパークホテル。今では都市型高級ホテルを手掛けている、三菱地所のロイヤルパークホテルズ1号店で、その後の展開に備えたプロトタイプのホテルだった。そのため、地方都市のコミュニティホテルにしては立派な設備を備え、レストラン・バーには料亭やフレンチレストランを持つという充実ぶりだった。

開業から20年経った2006年には外資系ファンドに売却。ソラーレホテルズ&リゾーツが運営を行い、2007年3月から同グループの高級ブランドである「ロワジール」の名を冠している。

厚木ロイヤルパークホテルには苦い思い出がある。ここのスイートに一度だけ泊まった際、シーツの洗剤だか糊だかが肌に合わず、一気に皮膚炎を起こしてしまった。それまでまったく異常がなかったのに、ベッドに入ってから1時間後には、すねや腕をはじめ、露出していた部分がすべて腫れ上がり、激しいかゆみを伴った。以来、完治まで2年間、敏感肌との戦いの日々を送ったのである。

そんな経緯から、このホテルをずっと避けていた。だが、数々のホテルに泊まり歩き、シーツへの免疫も向上したことだろう。その健康を身を持って確かめるべく、約15年ぶりに泊まることにした。

小田急線本厚木駅から、厚木一番街という屋根なし商店街をとぼとぼと歩くこと5分。郊外の生活感に支配された環境は、都心から地方都市にはるばるやってきたことを実感させる。商店街は一歩ごとに寂れて行き、ホテルの周辺になると、まったく活気がない。人も少なく、見かけるのは黒人ばかり。この辺りも、大きく変わったものだ。

駅から歩くと、ホテルへは正面玄関でなく、裏側のエントランスから入る。外観を見上げると、全体に細い出窓が数多く設けられており、デザインの特徴となっていることがわかる。エントランスには、ロワジールのテーマカラーをバックにしたホテルサインが掲げられている。

外観

館内にはまったく人がいない。明るくなければ、深夜だと勘違いしそうな静けさだ。広々としたロビーはかつて総大理石造りだったが、現在は柱の一部を木目シールで覆うなど、よりシックな雰囲気にしようとして、単に安っぽさを強調する結果になっている。蛍光灯の照明も似合っていない。

ロビー

ロビー中央の一段下がったところは、かつてロビーラウンジだった。そこはカーペットからフローリング床に変わり、今ではフリーで座れる場所になった。グランドピアノがエレガントさを醸しているが、置いてあるだけで演奏されることはない様子。

ロビーラウンジだったところ

宴会場へと通じるエスカレータの脇には、オニキスを球状に切りだした照明があり、観葉植物に囲まれ不思議な雰囲気を醸してる。かつてのインテリアの名残りだろうか。

オニキスの球

フロントレセプションは目立たないところにひっそりと佇んでおり、奥の壁にはロイヤルパークホテルらしい壁面アートが飾られ、カウンター奥には世界時計がある。貴重品用金庫がカウンターの外にあるには珍しい。

すでにチェックインタイムを過ぎて到着したが、フロントには係が不在だった。しばらく待つと、奥から男性の係がひとり出てきた。プロフェッショナルを振りかざすようではなく、かといって素人っぽくもなく、深夜勤務によくいるタイプの素朴さが感じられた。

フロントカウンター

客室は4階から11階にあり、4階には新たに増設したバルコニー付きのエグゼクティブシングルが、5階にはチャペルがある。エレベータホールは蛍光灯照明でムードがないが、客室階廊下は昔ながらの薄暗い雰囲気を留めている。

今回利用した客室は、10階にあるツインルーム。面積は約25平米の標準的な客室だ。レイアウトは特に珍しいところはなく、インテリアも強烈な個性を放つ部分はない。誰にでも親しみやすく、気楽に使える部屋という感じだ。

ツインルーム室内

ベッドは120センチ幅が2台。マットレスはシモンズ製で、白いデュベカバー仕上げ。まくらはひとつだけセットされている。心配したベッドリネンの肌触りだが、まったく問題はなかった。

天井はやわらかくカーブを描き、壁と同じく真っ白。シーリングライトが設けられ、室内全体を照らしている。ベッドボードの上に小さな額がふたつ下がる他は、壁にまったく装飾がなく、同一の面が多くて退屈だ。壁紙はすでにボロボロになっている部分もあり、そろそろ改装が必要。どこか一面だけでも、色や柄を変えると、かなり印象が違うと思う。

丸くなった天井とシーリングライト

デスクというよりドレッサーと呼んだ方がふさわしい外見の家具、そしてその脇にある3段引き出しの家具は、いずれも新しい。テレビは今の時代に15インチのミニミニサイズとは驚き。見た目にもバランスが悪く、思わず笑ってしまいそうである。パンツプレッサーはあるが、バゲージ台がなく不便だった。

デスク側

窓際には、ガラストップの丸テーブルを囲んで、ふたつのアームチェアが置かれている。こちらも新しいようだ。スペース的にはギリギリだが、シッティングコーナーがしっかり設けられているのはいい。テーブルは、ガラスの下にちょっとした物を置ける段があって便利だった。

窓際のシッティングスペース

窓は、幅が狭いが縦には長く、出窓状になっているが、開閉はできない。また、窓からの眺めとしては、視界は開けているものの、商業ビルや集合住宅ばかりの退屈な風景しか望めない。

窓からの眺め

入口ホワイエには、細くて収納力に乏しいクローゼットと、上部に棚の付いたミニバー冷蔵庫を備えている。クローゼット扉と、冷蔵庫を隠す扉は、いずれもルーバー風のデザインで白く塗られており、ややリゾート的な印象を与える。

ミニバー上の棚

バスルームは160×220センチサイズのタイル張りユニット。淡い色でまとまっているが、内部の「トイレの芳香剤」のような科学的臭気が強烈で、頭が痛くなった。ベイシンとバスタブの間にトイレがあり、やや窮屈な印象だった。また、全面ミラーの一部が朽ちていたり、傷だらけなのが気になる。

ベイシン

バスタブの側面がパネルで覆われているのは珍しい。バスアメニティはビジネスホテル的な品揃えだが、ボディタオル、ボディスポンジ、ボディクロスと、体を洗うためのツールが3種類も用意されているのは驚きだった。

バスタブ

シャワーヘッドは新型のものに取り換えられているが、これが実に使いにくい。というのは、シャワーを固定するフックの向きが変えられないために、シャワーを手で持たない限りは、常に45度くらいの角度で噴出するため、バスタブの後方まで水が飛び散ってしまう。シャワーヘッド選びひとつにも、もっと知恵が必要なのである。

使いにくい新シャワーヘッド

食事は夕食、朝食ともにコーヒーショップ的なカジュアルレストラン「パームツリー」を利用した。ロイヤルパークの頃は、まさにファミレス感覚の値段と品揃えで、地域の人にも愛されていた記憶がある。今はディナーコース3,500円と、やや気取った店になったが、気軽なアラカルトも残っている。

「パームツリー」店内

かつてからのお気に入り、ステーキカレーを注文してみた。昔懐かしい味が口に広がった。他にオニオングラタンスープを。従業員はオールアルバイトか。本日のスープは何かと尋ねると、苦笑しながら厨房へと引っ込んでいったが、ホールに出る前にそのくらいは予習してくるべきである。

カレー

レストランの閉店は、どの店も午後8時。遅くまで開けていても客が来ないというのが理由だろうが、これでは一層客足は鈍ってしまうだろう。

朝食ブッフェは1,680円。夜にはテーブルセッティングに布ナプキンだったが、朝は紙ナプキンのみ。あとはセルフサービスだ。ブッフェの品揃えは悪くない。だが、昨晩のカレーがそのまま出ていたのには、ショックだった。もちろん、ステーキは載っていなかったが。

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OFFICIAL WEBSITE

ロワジールホテル厚木(2011.03.31まで)
[2011.04.01よりレンブラントホテル厚木]

このホテルに関する過去のレビュー

初登場のため、過去のレビューはありません。