新宿プリンスホテル Single Room
Shinjuku Prince Hotel
2008.06.28(土)
東京都新宿区
楽-2

シングルルームのワークスペース
 
スペースラボ的バスルーム 改装を終えた新宿プリンスホテルのシングルルームに1泊してみた。エントランスやロビーのデザインは基本的に昔ながらを保っているが、正面玄関には新しいホテルロゴの入った光るパネルが設置されるなど、ちょっとした工夫が加わり、80年代の温か味にモダンさが加わった。

正面玄関から右手に進むと、地階のフロントへと通じる階段がある。ここの天井照明の意匠はなかなかユニークだ。エントランスからフロントロビーまでは、赤い大理石でコーディネートされ、これはこれで統一感があっていい雰囲気だ。

ロビーフロアには、フロントの左右に分かれてふたつのラウンジがあり、ひとつはデザートブッフェを実施して混雑しているが、夕方には閉店。もうひとつは普通にティーラウンジとして夜まで営業していて、その奥にはフランス料理「ル・トリアノン」がある。

また、このホテルには地上からアクセスする場合はそれほど迷うこともないが、新宿サブナードを経由して地下からそのままフロントに行こうと思うと少々わかりにくい。

ホテルは西武新宿駅と商業施設「ペペ」と同居しており、地下1階にはロビーの他に「ぺぺ」の食品売り場がある。その中のイートインコーナーを突っ切って行かないとホテルロビーには入れない構造だ。「ぺぺ」の営業時間外は、一度地上に上がって正面玄関から入るか、2階の駅コンコースから入るようになる。いずれにしても、初めての人には、迷う覚悟と余裕が必要かもしれない。

チェックインはスムーズに行なわれたが、予約時に「なるべく高層階を希望」と書き添えたことに対しては、「シングルの最上階は12階」とのことで12階が用意された。10階から24階までが客室フロアで、シングルルームも相当数あるはずなのに、本当にわずか3フロアにしか存在しないのだろうか。係がウソをついているとは思いたくないが、どうも釈然としなかった。

客室へと通じるエレベータは4基。そのうち2基は「ぺぺ」の8階にも扉が設けられているが、1基は通過、もう1基は下りのみに停止するようになっている。8階には現在100円ショップが入居しており、その階から上には来れないようにしているのだろう。最近、100円ショップは観光客にも人気があるらしいが、ここの客層も大部分が中国などアジアからの観光客なので、たとえ1基でもこの階に停止するのは、大変喜ばれているに違いない。

客室フロアは廊下から室内まで、壁紙やカーペットも含め、すべて改装が済んでいる。エレベータホール脇には自動販売機コーナーがあって「サービスコーナー」という看板が付いている。これが新宿プリンスで意味するところのサービスということなのか。ペットボトルは200円。給湯器もここにあり、客室のポットを持って来て、ここでお湯をもらう仕組みだ。

シングルルームは15平米。一目見て、昔の面影が微塵もないことがわかる変わりようだ。ソケットにカードキーを差し込むと電源が入り、室内が明るくなった。ダークブラウンの家具とブルーグレーの壁紙が、クールな空間に仕立てているが、やっぱり狭い。入口脇には姿見があり、その背後と壁の間にポールを渡してハンガーを掛けてある。ミラーの下部にはスリッパの収納を設け、わずかな空間をも無駄にしない工夫が感じられる。

デスクユニットは手前側が緩やかにカーブしており、正面は横幅がワイドなミラーを設置。卓上には地デジ対応の20型液晶テレビが載るが、BSはデジタルではない。デスクスタンドはデスクに固定されているが、アームが自由に動くので不自由はなかった。

デスクに座ると目の前に小型の電波時計があってマジックテープで固定されているのだが、まるで時計と睨めっこしているような感じになる。それを別の場所に移そうとしたところ、電池のフタ部分にテープが付いているために、電池フタが取れてしまって具合が悪かった。デスクのコンセントは2口あり、LANもある。他に、ベッドのパネルにもコンセントがあるので、不自由しなかった。

デスクの下は、空の冷蔵庫、金庫、お茶セットなどが収められており、窓際の柱部分にはマガジンラックを設けて、そこにホテルディレクトリーや小冊子などを置いてるなど、この辺の空間活用も優れている。

ベッドは壁に寄せられており、サイズは120×200センチ。マットレスは約6.5インチあって、かつてに比べると格段にいいのだが、デュベカバーやシーツの感触は少しザラザラしている。ベッドと窓の間にはチェアが置かれ、チェアの肘掛には小さなテーブルが取り付けられている。

窓は150×120センチで、部屋の間口を考えると、割合的には大きく取られている。カーテンはローマンシェードスタイルで、レースの方を内側に取り付けてある。窓台には新たに結露による洪水防止のための桟が設けられた。眺めとしては、正面方向だけは開けているが、すぐ右側にあるパチンコ屋の大きなネオンが邪魔をしており、15階くらいまではその影響を受けるようだ。室内の照明はシーリング、ベッド上のアクセントランプ、ベッドのパネルライト、デスクスタンドのみで、足元灯はない。

バスルームはプリンスホテルならではの不思議な形状をしたユニットバスだが、表面を塗り直して使っている。中にいると宇宙船のラボとか、工事現場の仮設トイレとか、謎の隔離病棟とか、とにかくあまりいいイメージは浮かばないが、とりあえず清潔感は向上した。シャワーカーテンはカーブしているものに替えられ、浴室金具も新調している。バスタブは135×70センチと小型。

シャンプー類はアロマエッセの大型ボトル式で、15グラムの固形石鹸も用意される。タオルは3サイズ1枚ずつ用意されるが、ハンドタオルやヘアブラシ等の入ったアメニティのかごは、なぜかデスク上に置いてあった。また、バスルームのドアにタオルかけがついているのも珍しい。

シングルでもこのようなコンパクトさなのに、同じ広さでダブルやツインもあるという。特に、ツインはいったいどうなっているのか。機会があれば泊まってみたい。これも怖いもの見たさのひとつであろう。

 
15平米のシングルルーム 窓側から入口方向を見る デスクライトのアームは自在に動かせて便利

ベッド 間接照明付きナイトパネル 窓際のイスにはテーブルが付いている

結露の水受けが大きい マガジンラック ドア脇のキー挿入式メインスイッチ

バスタブ ベイシン バスルームの天井を見る

バスルーム扉にはタオル掛けがある デスクに置かれたアメニティ 客室階廊下

自動販売機コーナー 正面玄関 新しいホテルのサイン

正面玄関アップ エントランスホール フロントカウンター前

フロントカウンター前 ロビーラウンジ もう一つのロビーラウンジ

 新宿プリンスホテル(公式サイト)
 以前のレビューはこちら→ 040301


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