ザ・ペニンシュラ東京 Deluxe Suite
The Peninsula Tokyo
2008.04.27(日)
東京都千代田区
哀-3

夕暮れのリビングルーム
 
客の言葉より自分の感覚 ペニンシュラにチェックインする前、近くにあるレストランで食事をしてからホテルに向かったので、正面玄関ではなく、裏手のエントランスから入った。そこにも係がいて、宿泊だと告げると荷物を持ってフロントレセプションまで案内してくれた。少し早い到着だったが、スムーズにチェックインすることができ、部屋もすぐに用意された。

今回も同じくデラックススイートに連泊。室内の清掃は概ねよく行き届いているが、オープンから半年余りですでに真新しいという印象はなくなり、場所によってはすでに使い込まれた感も出てきた。卓上にあったフラワーアレンジメントも、壁の一輪挿しに飾られていた蘭の花もなくなって、ただそれだけでも、花があった時と比べると枯れ山のように寂しい。

今回アサインされたのは、前回よりも数階ではあるが高層階である。わずかな差にも思えるが、見晴らしのよさはまったく異なるので、このホテルでは少しでも高層階の方がよいようだ。ワイドなコーナーウィンドウから見る皇居や日比谷公園、霞ヶ関などのパノラミックな景観は、単なる大都会の眺めではなく、首都東京を見渡しているという強烈なインパクトがある。そして室内を見れば、素晴らしく洗練されたインテリアと、心地よく過ごせるほどよい空間がある。このスイートは東京でも屈指の快適さだ。

だが、空調の効き具合は今でも不安定だった。こまめに調節はしてみるものの、暑いと思って少しでも温度を下げれば急に寒くなるし、上げれば暑くなるしで、せっかくの心地よい空間なのに、空調のせいで具合が悪くなりそうだった。特にベッドルームの冷房がおかしかった。ベッドルームとドレッシングルーム、バスルームは空調コントロールが連動しているのだが、どういうわけかベッドルームだけはいつでも寒い。温度設定を高くして風量を強にしても、吹き出し口に手をかざしてみると、冷風しか出ていないのだった。客室係に相談してみたが、解決しなかった。

もうひとつ以前から気になっているのが、天井のきしみ音である。時折鋭くて大きなきしみ音が部屋に響くのだが、それは天井裏から聞こえてくる。いつだったかマネジャーにこのことを指摘したが、その時の返答は「ああ、それはですね、天井に天然の建材を使っているため、建ってから数年はどうしても音がするものなんです」という内容だった。でも、指摘した音はそんなナチュラルな音ではない。次第に慣れてしまったが、その不気味さが最初は心臓に悪いと感じたほどである。思うに空調ダクトとか、あるいはその周辺の部分が、温度変化で伸縮するなりして、バキボキと音を立てているのだと思う。

まぁ、そんなことはどうでもいいのだけれど、要するに「ここの従業員には、客の言葉に素直に耳を傾けずに、自分の知識を当てはめようとする傾向がある」ということが言いたいのだ。様々なシーンで従業員と接していて「私どもは世界に名高いペニンシュラですが、何か。」みたいな傲慢さをしばしば感じるが、この調子では今以上によくなることはないだろう。

滞在中の客室清掃を頼んで、食事に出掛けた。戻る時間を伝え、それまでに仕上げるように頼んだのだが、いざ戻ってみるとまだ清掃中だった。室内では2名の係がそれぞれに作業をしている。客が戻ったとは気付かずに、無駄口を叩きながら別段慌てた様子もなかった。予定時刻を過ぎているのだから、少しは急いでやるべきではないのか。

やがて客が戻っていることに気が付き、その後はそそくさと仕上げて出て行こうとしたが、便箋や封筒を補充していなかったので、するように頼んだら、シワシワのものを置こうとした。実は、前日に用意されていたのもシワシワで折れ曲がっていたが、それでは使えないので、ゴミ箱に捨てた。ゴミ箱にはそれしか入っていないのだから、まともな客室係ならそれを見るだけで何事か気が付くはずだが、そうではなかった。

他にも、びしょびしょのバスローブも替えずにそのままだし、半分弱に減ったシャンプーも補充してはくれないし、タオルもすでにヨレヨレになっているものばかりが用意されている。気取っているばかりで、中身はせいぜい中級ホテルレベルではないか。最高級ホテルを自負するのであれば、何から何まで一つ残らずすべてが最高レベルであるべきだ。

 
日中のリビングルーム リビングルームの奥から手前を見る コーナーに据えられたソファセット

ダイニングから入口方向を見る ダイニングからテレビ方向を見る ソファからテレビ方向を見る

ダイニング ワークデスク コンソール

冷蔵庫の中 ベッド ベッドからテレビを見る

ベッドルームの天井 英語オンリーのナイトパネル 仕上がったランドリー

仕上がったシューシャイン ドレッシングルーム ドレッサーから三面鏡を見る

バスルーム奥から入口を見る バスルーム入口から見る ミラーを多用したバスルーム内

大きなソープが備えられるようになった 客室階廊下 エレベータホールのウィンドウ

プール脇にはジャクージがある ジャクージからプールを見る プールサイドのデッキから見る景色

外観 裏から見た概観 ライトアップされて目だっている外観

 ザ・ペニンシュラ東京(公式サイト)
 以前のレビューはこちら→ 080104


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