用意された高崎ビューホテルに到着したのは、ちょうど22時頃。丁度大きな宴会が終わったところらしく、ロビーはその出席者たちで大賑わいだった。その大半は酔っ払ってる。ちょっとハメを外しすぎてないか？と思う騒がしさだったが、それほど楽しくて盛り上がった宴会だったのだろう。お笑い芸人さながらにボケとツッコミを繰り返す若いふたりの様子を見ていたら、その楽しさがこちらにも伝染して、おもわず吹き出してしまった。

最初にアサインされた客室は、5階の喫煙シングルルームだった。部屋に向かうと、そこは更衣室の隣で、宴会を終えて着替えている人たちで混みあっていた。この騒々しさがロビーだけならいいけれど部屋まで響くのでは付き合いきれない。それに、室内はひどくタバコ臭かったので、フロントに戻ってルームチェンジを頼んだ。

新しく用意された客室は、禁煙フロアのちょっとだけ広めのシングルルームだった。140センチ幅のベッド、デスクユニット、アームチェアとコーヒーテーブルというシンプルな設えで、天井高は240センチ。テレビは液晶だが随分と小さい。照明はシーリングの蛍光灯が明るく、それを消してしまうと、残りはナイトランプとデスクランプだけになる。だが、寝る前の時間は、それだけでも十分な明るさだった。バスルームは180×140センチのタイル張りユニットバスで、タオルは3サイズが2枚ずつ、アメニティも2名分用意されている。ということは、この部屋をダブルルームとして利用することがあるのかもしれない。

夕食をとっていなかったので、急にお腹が空いてきた。だが、館内のレストランはすでに閉店しているか貸切営業かで、何も食べられない。ルームサービスもあるのだが、22時までと書いてある。さて、困った。このホテルの周辺には飲食店はおろか、コンビニエンスストアもない。食べ物に関しては陸の孤島。にわかに空腹をかかえた難民になってしまった。仕方ない。朝まで我慢しよう。

気合いを入れて朝食に出かけたが、結果的には物足りなかった。内容は、ジュース、ミニサラダ、スクランブルエッグ、ベーコン、パン盛り合わせ、コーヒーに固定されている。ベーコンはカロリーが高いので、ハムにしてくれないかと頼むと、最初は無理そうな顔をしていたが、厨房に確認してもらったらOKだった。飲み物はセルフサービスになっている。客のほとんどはスリッパ姿で来店していた。

朝になって雨も上がり、強い風に吹かれて空気が一層澄み渡っていた。さわやかな一日になりそうだ。