会津若松から新潟までは、鉄道での移動を考えた場合は不便と言わざるを得ないが、車があると高速経由で2時間足らずで到着する。だが、高速が片道1車線であることや、雪の影響なども考えて、余裕を持って出発した。結果的には、道路事情もスムーズで、予定よりも早くホテルに着いてしまった。
とりあえずチェックインをしようと思ったが、14時になるまでは部屋に入れないと言う。ANAホテルメンバーズゴールドの特典で、アーリーチェックインというのがあるが、インターネットでの予約だとそれが使えないのだそうだ。次の約束まで時間が空いてたし、激しい雷雨で出かける気にもなれないので、早く部屋に入れて欲しかった。重ねて頼んでみると、部屋の用意は出来ているが、決まりなのでダメだと釣れない返事。更に、メンバー特典が使える料金に変更するなら、400円程度の追加料金が必要だと付け加えた。
たった400円が惜しいわけではないが、その言い草が気に入らなかった。もう少し申し訳なさそうに言われれば、こちらの反応も違っていたと思う。それが、疲れているところに、高飛車でつっけんどんな態度を取られると、にわかに機嫌が悪くなるというものだ。ここで400円余分に取って二度と来るもんかと思われるのと、親切に振舞ってまた利用しようと思われるのと、どっちがいいか好きに決めてくれと言うと、「申し訳ありません」と頭を下げながらルームキーを渡してくれた。
部屋は最上階のスイートの向かいにあるシングルルーム。面積は16平米で、シングルベッドと、もう一台のベッドにも変身する横長のソファが置かれている。窓は小さく、最上階でも見えるのは隣のビルの室外機のみと、眺めは悪い。そのためか、昼夜を問わず、なんとなく薄暗いような印象だ。そんなカビ臭そうな雰囲気だから、じめじめしているかと思いきや、著しく乾燥していた。バスタブに熱い湯を張ってから休んだが、それでも喉が痛くなった。
テレビは20インチの液晶になったが、チャンネルは相変わらずつまらない。冷蔵庫内の飲み物は手頃な価格で気軽に利用できるが、冷蔵庫の作動音が気になった。バスルームは超コンパクトなユニットで、タオルは3サイズが1枚ずつ。シャワーの湯温が不安定で、急に熱くなって背中がヒリヒリになった。この部屋に連泊とは、さすがに気が滅入る。オリジナルの健康枕というのだけは、ちょっと気に入った。
ランチタイムに西洋料理屋「ダンスィングドール」で仕事のミーティングを兼ねて食事をした。ランチタイムには1,000円と1,350円のセットメニューの他、アラカルトも多数あり、それぞれサラダバー、ドリンクバーが付いている。
食事を済ませてから相談をしていると、スタッフが割り込んできて、これから夜の準備をするので帰ってくれと言う。この店は7:00から21:00の連続営業で、途中に休憩はない。すなわち、営業時間中であるにも関わらず退店を要求された。まだ。営業時間中なのに、それはないでしょうと顔をしかめると、「よろしければラウンジの方でお席をご用意しますが。」と言うので、仕方なく席を移った。すると、あさましいことに改めて注文を受けに来た。
会計の際、連れのために駐車券をもらおうとしても、部屋付けの場合は駐車サービス券は渡せないことになっているが今回だけ渡すとか、何かと意地が悪い。ANAホテルズなのにグルメマイルも付かないなど、今時珍しい消極的でケチなホテルだ。
村上で仕事があったので、途中で岩船の鮮魚センターに立ち寄ってもらい、食堂で海鮮どんぶりを食べた。リーズナブルな値段で、あふれんばかりのイクラや新鮮な魚介が載る。ざっくりとした料理で、猟師町の雰囲気たっぷりだった。
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