2005.12.05.（月）

チェックインは26階にあるエグゼクティブラウンジで行った。ラウンジはレギュラールーム5室分の面積があり、約150平米で、約40席が設けられている。ラウンジ内もクリスマス用に飾られており、高級オーディオセットからはケニー・Gのクリスマスアルバムが静かに流れる。

30平米の客室は、いかにもヒルトンらしい雰囲気。障子に襖、インテリアのカラースキームなど、一瞬でヒルトンの部屋だとわかるので、ある意味、強烈なアイデンティティを持ったデザインだと言えるだろう。オーソドックスなレイアウトだが、細やかな演出でグレード感を高める工夫をしている。特にライティングデスクに気を配っているらしく、立派なデスクにはハロゲンのランプ、ワイヤレスの室内電話、引き出しには簡単な文房具や付近の詳細地図などが用意されている。レザー張りのデスクチェアもどっしりとしていて座り心地がよく、気分よくデスクに向かうことが出来る。

窓際にはふたつのアームチェアがあり、こちらも座りやすく、くつろぎのスペースとなっている。だが、110センチ幅のベッドは古いタイプで、寝心地は良くなかった。枕もデフォルトでひとつだけしか用意されていない。テレビは2000年製のブラウン管テレビだが、チャンネルは充実してる。ミニバーには無料のインスタントコーヒー、カップ&ソーサー、無料のミネラルウォーター2本が用意されるが、冷蔵庫内のボルビックは600円、シャンパンのハーフボトルは6,000円と高額だ。

バスルームはタイル張りのユニットバスで、ベイシントップと床には天然石を使った。アメニティはいろいろと揃っているが、シャンプー類はSOMOの25mlボトル1本のみとケチ。綿棒をケースに整然と並べたり、フェイスタオルを紙で巻くなど、一手間掛けている。タオルは3サイズが2枚ずつとこれまた少なめ。バスローブはクローゼット内に用意されている。

夕方にはフルサービスのターンダウンが行われ、使ったアメニティは元通りに補充。デスクにあったメモ用紙がナイトテーブルに移動し、カモミールのティーバッグが置かれる。ターンダウンが丁寧なら、タオルやアメニティのデフォルトセットが少なくてもいいかと言えば、そうではない。夕方までにシャワーを浴びることも多々あるが、夜から翌昼までの間に2度以上使うことの方が多い。もちろん不足するものはリクエストすれば届けてくれるが、それだけのことでも結構面倒なものだ。

フィットネスセンターは混雑していた。メンバーが多く、おやじだらけ。この辺もヒルトン的だ。この日、プールサイドのジャクージは工事で使えなかった。窓枠を外しての作業があって、ビニールシートの間から冷たい外気が入り込むし、塗料の臭いがプールにこもるしで、環境的には苦しいものがあった。プールは15メートル。ジムは広いがサウナは3人入れば一杯という小さなもの。タオルは受付で借りる仕組みで、あちこちに使ったものは元に戻しましょうと掲示されている。利用客のマナーが悪いということだろうか。

エグゼクティブラウンジでは、終日のソフトドリンクサービスに加え、アフタヌーンティ、カクテルアワー、アメリカンブレックファストブッフェが振舞われる。アフタヌーンティでは、ホテル自慢のペイストリーが並ぶ。ホールケーキや、一口サイズの菓子まで、さながらデザートブッフェのようだ。カクテルアワーは外国人だらけで、炭鉱のパブみたいになる。イケメンロシア人のサービススタッフが加わり、ますます日本ではないような雰囲気だ。ステーキや帆立貝ソテー、サーモンテリーヌなど、結構な料理が小皿に分けて並んでいる。朝食はサラダ、コールドミート、スクランブルエッグ、ベーコン、ハム、グリルドトマト、シリアル、ミューズリ、フルーツ、各種パン、ヨーグルトの他、中華粥や小皿料理も並ぶ。

チェックアウトはラウンジが混雑していたので、1階のフロントで行った。スムーズで、特段問題はなかったのだが、ウェスティンナゴヤキャッスルの健康的で明るいタッチと比較すると、いささか事務的かつ消極的な印象だった。かつて感じた、はじけるようなフレッシュさはすでになかった。

[ヒルトン名古屋] 940210 020522