コンサートで会いましょう喜怒哀楽トップページへ20052004200320022001200019991998199719961995199419931992ホテル別インデックスレストラン別インデックス

2005.12.04.(日)

ウェスティンナゴヤキャッスル Executive Superior Room
The Westin Nagoya Castle
喜-3 はじけるようなテンポ感
客室から望む名古屋城
飯田のバスターミナルを午前9時半に出発する高速バスで名古屋に向かった。冷たい雨が降りしきる寒い一日だった。高速バスは名古屋駅の名鉄バスセンターに到着する。ナゴヤキャッスルの送迎バスが発着するのはJR高速バスターミナル。それらは広大な駅の両端に位置しており、歩いて移動するにはとても遠かった。雨とはいえ、日曜日の人手はかなりなもので、通りは歩きにくいほどだった。それでも、高島屋エリアを過ぎて駅前松坂屋あたりになると、急に人がまばらになり、目と鼻の先でも、これほどの格差が生じるものかと、改めて驚かされた。

ナゴヤキャッスルへのバスは、立派な高速バス車輌だった。だが、利用客はたった5人で、少々もったいない感じ。10分ほどでホテルの正面玄関に到着。すると、館内から数名のスタッフが出てきて、丁重に出迎えてくれる。ドアマンからベルへ、ベルからフロントへとの連携はスムーズで、心地よいテンポ感だ。

チェックインを担当したのは、数人いるフロント係の中でもとりわけ若い女性だった。とてもよく気がつく人で、細かいリクエストにも迅速に対応してくれた。部屋までは2名のベルボーイが案内してくれた。ひとりが実習生で、もうひとりがトレーナー。ふたりとも体育会系のハツラツとした青年で、先輩トレーナーが実習生に、経験で得たコツの数々を小声で伝授しながら歩いている様子が印象的だった。

客室は、エグゼクティブフロアのダブルルーム。前回利用したタイプ同様にキャッスルビューだが、今回の方が一回り広い。室内のレイアウトはオーソドックスなものだが、家具に統一感がなく、なんとなく寄せ集めて的な印象が否めない。特に、テレビ台は部屋の中で浮いてしまっている。26インチの液晶ディスプレイと同時に導入したのかもしれないが、もう少しバランスを考えた方が良かったように思う。また、ライティングデスクがとても小さいのに、どっしりとしたスタンドと電話機が載っていて、作業スペースをより狭くしている。だが、デスクのイスはアンバランスに大きかった。窓際にはカウチソファと楕円形のコーヒーテーブルを置いた。

ベッドは200センチ幅で、白いデュベカバーを使っているが、都度替えはせずにシーツを挟む方式。清潔感は申し分ないが、シーツの肌触りは少し粗い印象だった。スポットライト風のナイトランプはとても明るく、調光も可能。しかし、フロアスタンド、ふたつのハロゲンダウンライト、入口灯はすべて連動しているので、部屋の雰囲気をコントロールしにくい。室内の明るさは十分だが、入口付近、特に姿見の周辺が暗いのが気になった。

ミニバーには、無料のミネラルウォーター、無料のドリップコーヒー、カップ&ソーサー、ティーポットも用意されている。クローゼットがやや小さいが、ドレス用のハンガーがあるのは珍しい。バスローブはクローゼット内に用意されている。

この部屋のバスルームは立派だった。広さは約6平米でBGMも聞ける。大理石仕上げで、独立したシャワーブースを備える。ベイシンは漏斗状のユニークな形で、比較的新しいデザインだと思われるが、ベイシン以外の浴室金具やバスタブ、便器などは90年代前半かそれ以前のモデルに見受けられる。ベイシントップも天然石ではなく、他の部分とは明らかに質感が異なる。バスタブにもシャワーブースにもサーモスタットが設けられ、湯温の設定が容易で使いやすい。強いて言えば、バスタブの上に照明がなく薄暗いこと、シャワーブースが狭すぎることが気になるが、古いタイプのバスルームに比べたら格段に快適だ。タオルフックが見当たらなかったが、これはすぐにでも設置して欲しい。

エグゼクティブラウンジは、4名掛けテーブルが4卓と、ソファーコーナーがあるだけ。エグゼ階が3フロアもある割りには小さなラウンジだが、いつも空いている。ソフトドリンク類は、終日セルフサービスで自由に飲め、デニッシュやドーナッツ、クッキーや煎餅なども並んでいる。スタッフは常駐しているが、のんびりしていて、客が帰っても下げ物を慌ててすることもないため、いつまでもテーブルが片付かない。カクテルアワーのアルコールは有料だ。

別棟のフィットネスクラブは、宿泊客なら総合利用で3,150円、プールのみの場合は1,575円の利用料が必要だが、エグゼクティブフロアに滞在中なら無料で使える。ウェア類のレンタルについては有料だ。受付は元気一杯で、スポーツクラブらしい健康的な雰囲気。ロッカー室には賢いマッサージ機も設置されていた。地階の室内プールは25メートルあって本格的だ。エクササイズ向きの施設で、リゾート気分でくつろぐにはあまり適さない。プールなのに、キッチンのような臭いが漂っているのが、とても気になった。

朝食は地下1階の「西の丸」にて和朝食を。粥か白飯、味噌汁は白味噌か赤味噌かをチョイスする。数々のおかずは美しく盛り付けられ、バランスの良い内容だ。サービスが明るいのはいいが、バックヤードにこもってベチャクチャとしゃべっていて、客席を見ていないのは困る。食べ終わっても下げに来ないし、結局、店を出るまでお茶のおかわりすらくれなかった。ヒマに慣れてしまっているのだろうか。

チェックアウトもまた、スムーズだった。歯切れの良いテンポ感で、タクシーまで見送ってくれる。どのシーンでも、まごついたり滞ったりしないのがいい。ただ、ちょっとつらかったのは、館内の静電気だ。どこを触っても、火花が散るほどの電気が走る。特にエレベータに乗る時は命がけだった。

窓際にカウチソファを配したダブルルーム デスク周辺は家具に統一感がない

バスタブの脇は鏡張りだ シャワーブースは床が狭い

200センチ幅のベッド 上品な朝定食(蒔絵風の器の中は味噌田楽)

[ウェスティンナゴヤキャッスル] 040921

Y.K.