短い名古屋滞在だとわかっていたが、ウェスティンに行ってみたかった。これまで名古屋を訪れる際は、栄周辺の宿を取ることが多く、立地的に離れたウェスティンは気になりながらも利用する機会がなかった。
午後7時。名古屋駅からホテルまでタクシーに乗ろうかと思っていたが、あらかじめネットで調べてあった送迎バスの時間にちょうどよかったので乗せてもらうことにした。1時間に1本と、さほど頻繁には運行していないだけに、時間がぴったり合うと利用してみたくなるものだ。
バスも空いていたが、ロビーも人影まばらだった。広々として間接照明の美しいロビーは、こうも静かだと荘厳な雰囲気すら感じられる。フロントのサービスは申し分なかった。客室に荷物を置いて、まずはエグゼクティブラウンジでコーヒーを。ここでもゲストは少ない。ラウンジはかなり照明をおさえて、バーのような雰囲気。ソフトドリンクは終日無料だが、カクテルアワーでさえアルコールは有料で提供される。
その後はリフレッシュのためにフィットネスセンターに向かった。フィットネスは、ホテル棟から一度外に出て道を渡った駐車場の地下に位置している。こちらも人が少なく、ほぼ貸切状態で利用できた。広いプールで一泳ぎしただけで客室に戻ったが、途中の夜風が気持ちよかった。
客室は27平米のダブルルーム。なんといっても窓からの名古屋城の姿が印象的だった。夜はライトアップ、昼間はくっきりとその雄姿を真正面に眺められる。室内も、その眺めに似合った設えだ。家具はしっかりとした高級品で、室内のグレード感を高めているだけでなく、機能的にできている。ベッドはヘブンリーベッドではなかったが、清潔なベッドリネンで仕上げられ快適だった。窓側にはソファセットが用意され、ゆったりとくつろげる。
バスルームは昔風のコンパクトな造りだった。蛍光灯の照明が白々しく、居室の雰囲気に比べて落ち着かないが、歴史を感じさせる蛇口などが、それはそれで趣きを醸している。アメニティはモルトンブラウンの大き目のボトルが置かれており、ソープはSOMOと充実している。ただ、壁が薄いのか、隣室でバスルームを使うと、バスタブに足を入れた音までしっかりと聞こえてしまう。
ルームサービスは24時まで営業しているが、料理の値段は高くて、しかも魅力的なメニューはあまりない。かといって、レストランの閉店は早く、周辺に飲食店はおろかコンビニすらない辺鄙な場所なので、食事には注意が必要だ。
翌朝は6時過ぎに名古屋城周辺を散歩した。自然が豊富で、静けさに満ちたインスピレーションを感じさせる環境だ。少々離れた場所にあるホテルだが、足を運ぶ価値は十分にあるように思った。
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