京成ホテルミラマーレでステージを終え、関係者と楽しく食事をした後、散歩がてらホテルグリーンタワー千葉まで歩いて向かった。千葉中央駅からまっすぐに伸びている道路は、中央が公園になっており、周囲は閑静な住宅地だ。国道を横切る大きな橋を渡ると、もうポートスクエア。思ったよりも近かった。
ホテルはすでに閑散としていた。チェックイン時に宿泊料金の精算を済ませ、自ら客室へ向かう。部屋は19階にあるジュニアスイート。エグゼクティブフロアに位置しているが、チェックイン・チェックアウトの時間がレギュラーフロアと違ってゆとりがあること、廊下を含め内装が立派なことを除いては、特別なことは何もない。
ジュニアスイートといっても、部屋は壁で完全に仕切られており、想像していたよりもずっと立派な造りだった。面積は58平米で、標準的な客室の2部屋分だ。リビングルームにはソファセット、アーモア、独立したデスクが置かれ、壁には照明を仕込んだ飾り棚と収納戸棚がある。引き戸式のクローゼットの前にはゲスト用トイレと、扉で隠されたミニバーがある。アーモアにはテレビだけが収まっており、ビデオデッキやオーディオなどはなかった。
ベッドルームへの通路はアーモアの左右二箇所に引き戸を設け、開放することで双方に連続性を持たせる演出がなされている。ベッドルームには120センチ幅のベッドが2台並び、クッションとベッドスプレッドを外すと、トップシーツでメイクした羽毛布団が現れる。ベッドルームにもテレビがあるが、こちらはむき出し。その両脇にはどっしりとしたアームチェアが置かれている。だが、ここに座ってもくつろげないのに、なぜイスが置かれているのか不思議だった。
室内の家具は、総じて立派だ。全体に木肌をふんだんに使い、天井枠や扉にも手の込んだ意匠が見られる。それらには傷みがほとんど見られず、年季の割には状態は極めていい。ラグジュアリーツインと比較すると、同じホテルとは思えないほど状態が違う。手入れがいいのではなく、稼動していないということだろう。だが、こうした高級な設備は実用的とは言えず、ホテルにとってのアクセサリー的な位置づけとしてスイートを設けたようにも感じられる。とはいえ、このスイートの上にさらに高級な3種類のスイートがあり、アクセサリーにしては数が多すぎる。
照明はそれぞれのスタンドが独立している。リビングの天井にはシーリングライトもあり、調光が可能だ。カーテンは電動だが、動きがぎこちなかった。LANはない。
バスルームは総大理石造りで、独立したシャワーブースを備えている。ベイシンはシングルで、トイレに洗浄機能付き便座は備わっていない。シャワーブースの扉は重くて立派だが、ブース内が狭い。また、ハンドシャワーのホルダーが向きも角度も固定されていて、奇妙な方向に水が飛んでしまうため、常に片手で押さえて使用しなくてはならないのが不便だった。
バスタブは小さめだ。浴室金具はどれも立派なのがひときわ印象に残る。アメニティは魅力のない品揃えで、タオルは3サイズが4枚ずつ用意されるものの、スイートなのにバスローブはなかった。バスルームに関しては、ラグジュアリーツインの方が広々していていい。
ラグジュアリーツインのラックレートは26,250円なのに対し、この部屋は73,500円となっている。こちらの方が高級感はあるが、3倍弱の開きを納得させるだけの要素はない。これではいつまで経っても開かずの間だ。
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