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2004.11.29.(月)

丸ノ内ホテル Deluxe Twin
Marunouchi Hotel Tokyo
哀-3 タタミ
タタミコーナー
丸ノ内ホテルきってのユニークな客室に宿泊した。43平米あるデラックスルームの、ジャパニーズヒーリングタイプと呼ばれるもので、畳敷きの小上がりが印象的だ。東京駅側に面しているが、最も北側に位置しており、窓が少し奥まっていることから、眺望はかなり限られ、壁が邪魔をして視界も狭い。残念ながら、赤レンガ駅舎も見えなかった。

エレベータホールから最も近い客室の扉を開けると、すぐ目の前に畳敷きの小上がりがある。机を挟んでふたつの座卓が向き合っており、机上には仄かなスタンドがあるだけというシンプルな造りだ。机の下は掘りごたつ風になっている。窓の外には縁側風のせり出しがあるが、そこに出ることはできない。せり出しの両端は壁に挟まれており、眺めを大きく遮っている。かといって、この小上がりにいる限りはテレビを見ることもできず、入り口のすぐ目の前という位置のせいで、まったく落ち着かない空間だ。目隠し用の衝立が用意されているが、それを立ててしまったら、圧迫感で息が詰まりそうになる。この客室最大の売り物なのに、最も意味のない設備でもある。

ベッドのある部分はオーソドックスな設えだった。140センチ幅とゆとりあるベッドが2台並び、コンフォートフロアならではのデュベスタイルの寝具は心地よい。窓は半分がガラスブロックでふさがれ、残り半分も眺めが悪く採光の役しか果たしていない。液晶テレビは窓の脇に据えた。クローゼットの扉はミラー張りで、その横のくぼみを活用してデスクを設置したが、両脇を壁に挟まれたデスクは窮屈で気が滅入る。

バスルームは広かった。洗い場を設けたガラス張りのウェットエリアと、ベイシン、扉で仕切られたトイレをそれぞれ独立。コーナーツインのバスルームと比較したら、3倍近い面積を確保し、十分なゆとりが感じられた。しかし、残念なのは質感だった。ベイシン部分とトイレの床はリノリウムで、照明が平板でつまらないなど、やもすればマンションのバスルームにも見えてしまう。せっかく洒落たカランやインテリジェントなトイレを設置しているのに、演出が追いつかずにもったいない。

確かに発想としては面白い客室だが、ホテル客室としての価値は低かった。ユニークな意匠も、眺めの悪さを穴埋めするには不十分。やはり東京駅前で開放感に浸れるコーナーツインの方が魅力的だと思った。

ベッドのある居室 コンフォートフロアの寝具は快適だ

窓はワイドだが眺めはいまいち あまり居心地のよくないタタミコーナー

ベイシンの右には個室トイレがある 洗い場付きバスタブ

[丸ノ内ホテル] 041016

Y.K.