40平米のデラックスルームは、32平米のスーペリアルームに次いで数が多い168室が用意されているが、8平米の面積差以上に大きな違いを実感できる客室だ。広いバルコニーに加え、バスタブ脇の窓からも海が見渡せて、このエリアきっての開放感を満喫できるが、あいにくこの日は重たい雲が広がり、今にも雨が降り出しそうな天気だった。インテリアの傾向からしても、このホテルは天気に恵まれた時の方が、一層雰囲気がいいことだろう。
今回は禁煙室をリクエストできなかったので、まずはタバコの臭いに悩まされた。エレベータを降りた時から、廊下にもタバコや埃の臭いがたちこめて、慣れるまでは我慢が必要だった。客室は窓が大きく開放できるので、空気を入れ替えることで随分と改善した。
客室入口を入ると、まずは前室のようになっていて、すぐ正面に独立したトイレが設けられている。前室サイドの内扉を開くとベッドが2台入った居室につながり、窓と反対側に広いクローゼットとミニバーがある。窓際には2組のベッドに変身するソファセットとライティングデスクが、そして、バスルームの扉を挟んでテレビ台とバゲージ台が設置されている。
家具やファブリックはそれぞれには南欧風のテイストが感じられるが、全体のコーディネートは一昔前のセンス。品物は悪くないし、それなりに気合の入った内装の割にはパッとしない。ひとつにはベッドカバーの色合いやフリル状のスカート部分がダサい感じを強調しているようだ。ベッドもせっかく140センチ幅の大型なのに、随分とヘタって寝心地は今ひとつだった。
バスルームは大理石張りでベイシントップも石製と贅沢な造りなのだが、デザイン的に垢抜けないのが残念。窓際のバスタブの反対には、90×120サイズのシャワーブースを設けている。アメニティはいろいろと小道具が揃うも、シャンプー類はディスペンサー。洒落たシャンプー類のミニボトルの存在はバスルームの名脇役となるのだが、コストに押されてその効果を軽視しているホテルが多いのは残念だ。グラスやスリッパは4人分揃うが、タオルは2人分だった。バスローブはない。
また、ドライヤーが古くてボロかった。今時、音だけでかくて風の弱いドライヤーを置いているというのは、センスのないホテルの象徴とも言える。パークの夢の続きを演出するには、小道具や脇役固めが重要だ。
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