東京ベイホテル東急はディズニーリゾート5軒のオフィシャルホテルの中では最後にオープンした。初めからカジュアル路線のサンルートプラザを除いて、シェラトン、ヒルトン、オークラ、東急は高級ホテルとして申し分のない贅沢な造りをしている。それぞれに個性を競い、訪れるゲストに夢の続きを楽しませてくれるホテルが揃っている。スタンダードルームを比較すると、シェラトン36平米、ヒルトン35平米、オークラ44平米とゆとりの面積を確保しているのに対し、東急は28平米にとどめ、料金も控えめに設定した。また、スイート以外のレギュラー客室にも様々なカテゴリーを設けて、目的にあわせて幅広い選択肢が用意されているのも特徴のひとつだ。オフィシャルホテルで唯一、バスタブから直接海が眺められる客室も多数ある。
今回利用したのは最もベーシックなスタンダードルームだ。客室フロアとしては最も低い4階で、海とは反対側の正面玄関を間近に見下ろす客室だった。バルコニーに出てふと横を見ると、正面玄関の屋根に掛かった部分の客室にはバルコニーがない。すべての部屋にバルコニーがあると思っていたのだが、その部分だけは例外だとのこと。だが、一般に販売することはほとんどなく、専ら団体客の添乗員などが利用するらしい。
この28平米のスタンダードはすべてこの向きに位置している。パーク側と呼ばれるようだ。この上のスーペリア32平米は海側、パーク側両方にあり、デラックス以上の客室は一部を除き海側にある。総じて海側の方が眺めはいい。
スタンダードルームはオーソドックスなレイアウトで、いかにも東急ホテルらしいインテリアでコーディネートされている。外観にマッチしたサーモンピンクのファブリックを使ったアームチェアやデスクチェアが印象的だ。2名で利用するなら十分な広さがあり、パークで一日遊んだ体を休めるには何ら不足のない設備が整っている。バスルームは標準的なユニットタイプだが、アメニティは充実している。銀座東急以来お久しぶりの対面となったキリンのマドラー、おむつ入れ用ビニール、子供用のスリッパなどユニークなアイテムが揃う。冷蔵庫には何本ものミネラルウォーターが用意されているのも面白い。
このホテルは何といっても昼夜で表情を変える巨大なアトリウムが特徴的だ。アトリウム内にはロビーラウンジやショッピングアーケードなどが散在し、ひとつの街を形成している。だが、オープン当時にコーチやティファニーのブティックが入居して醸していた高級感も、今ではすっかり庶民的になった。コンビニ風のショップが軒を連ね、次は100円ショップがオープンしても不思議ではないが、それもまた賑わいにはよくマッチしている。空調経費だけでも相当するであろうこのアトリウム。このホテルを訪れたなら、しばし歩みを止めて一角に腰掛けて雰囲気を満喫したいもの。
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