2000年に同じタイプの客室を利用したときには、あまりに粗末な清掃状況に驚きを禁じえなかった。そう言ってしまうと、客室係が手を抜いているような印象で伝わってしまうかもしれないが、客室係はマニュアルに従った清掃をきちんとしていたのだと思う。これは他のホテルでも言えることだが、客室係は常に効率を要求されており、特におばさんたちは無我夢中でひたすら作業をしている光景をよく目にする。自分の目で客室の状態を確かめ、自分の考えで行き届いていないところに手を伸ばせれば理想的だが、あまりの慌しさに、そこまでは至らないというのが現状なのかもしれない。
しかし、今回の清掃状況は随分と改善されていた。あくまで、前回と比較してのことではあるが、ヤニだらけのガラス戸やカビの棲家と化したバスルームのような、恐ろしくて手を触れられないような部分はなくなり、清潔感が増すと、居心地がこうも違うものかと、改めて驚かされた。
チェックインを済ませて客室に入った時、室内がとても寒く、しばらくは上着を脱ぐことができなかった。自分でスイッチを入れるまで、空調が停止しており、室内が暖まるまで15分程度かかった。ふつう、空調がオフでも、それなりの温度は保たれるようになっているものだが、このホテルの場合は外気に近い温度になってしまうようだ。それなら、アサインの掛かった客室の空調は、あらかじめ作動させておいて欲しいもの。
今回は山側の客室だったが、住宅越しにみなとみらいを望むことができ、気は心程度の夜景を楽しむことができる。それから、室内でもひときわ印象的なブルーの大きなソファだが、デザインはいいとしても、肘掛の角が鋭く、ぶつかると結構痛い。客室は広いものの、ソファの周りにはそれほどスペースがないので、一晩の間に何度か膝をぶつけた。ベッドは比較的やわらかく、高さが42センチと若干低い。アメニティはスタンダードルームよりも充実しており、バスローブも備わっている。
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