エレクトーン音色データの修正

今日は一日民謡ウィークは休戦して、5月16日のエレクトーンプレミアムコンサートの準備をしました。

プレミアムコンサートでは、私は第2部を担当します。
第1部で中野正英さんと沈媛さんが華麗なエレクトーンソロ演奏を披露してくれたあとですから、サイ・イエングアンさんのおともだけに専念しようかとも考えましたが、私の演奏を初めて聞いて下さる方も大勢お見えなので、やはりまずはソロを演奏させていただきます。曲は「オペラ座の怪人」。

それからサイさんをお迎えして、スクリーンミュージックの中から「慕情」をお届けし、そこから先はオペラワールド一色。

トゥーランドット「氷のような宮殿で」「誰も寝てはならぬ(神田将ソロ)」、蝶々夫人「ある晴れた日に」「かわいい坊や」、魔笛「地獄の復讐はわが胸に燃え」をおおくりします。

いずれもこれまでに何度も共演してきた作品ばかりですので、サイさんがどう歌うのかはパーフェクトに把握しています。
もちろん、ライブの演奏ですから、当日、何があるかわかりません。
慣れているからと言って、気を抜くわけにはいきませんし、どんな不測の事態になっても対応できるよう、心構えしておくことが大切です。

とはいえ、不測の事態をあらかじめ予測することは不可能ですから、それに備えることもできません。

慣れている曲を演奏する際に陥りがちなのは、感覚だけで演奏してしまい、自分の出す音に注意が十分行き届かなくなる状態です。
ライブのアンサンブルですし、まして片や肉声、片や電気的に増幅した音ですから、常に細心の注意を払って、音色やバランスを心地よく保つことが大切で、それには経験とセンスが必要です。

サイさんとの共演は約半年ぶりですが、今回選んだ曲の半分は5年ぶりですので、今日は当時の感覚を思い出すことを目的に稽古を始めました。

演奏の方はまったく問題なし。10分後が本番でも不安がない状況です。
ところが、5年ぶりに聞いたエレクトーンの音色データは、私が今求めているものとはだいぶ違っていました。
5年の間に、私の感性が大きく変わったのでしょう。
5年前の音色データは、華やかで軽やか。ある意味、若々しさが感じられますが、ちょっと大げさな気もします。

そこで、データの修正を試みました。
これがまた非常に面倒な作業で、5分のアリアを修正するのに3時間を要しました。

完成後、修正が終わったデータと5年前のデータの両方で演奏し、聴き比べてみたところ、新しいものはまろやかで深みが加わったように思います。
やや迫力に欠けるかもしれませんが、きっとサイさんの歌声と溶け合えば、見事なハーモニーを奏でることでしょう。もちろんそこも計算済みです。

エレクトーンプレミアムコンサートは、私にとって、とてもスペシャルなコンサートです。
まず、他のエレクトーン演奏家と同じコンサートに名を連ねるのは、内海源太さんと開催したコンサート以来、10年ぶりのこと。
そして、新しいホールで、素晴らしい歌姫サイさんと、大好きな曲ばかりを共演できること。

いつになく緊張しそうですが、思い切り楽しみたいと思います。